この項目では、ゴムやPVC製の長靴(ながぐつ)について説明しています。長靴(ちょうか[1])については「ブーツ」をご覧ください。
長靴(ちょうか、ながぐつ)は、皮やゴムでできた膝まで届く長い靴、という意味の言葉である[2]。
日本国語大辞典では読みにより、下記のとおりに区別される[2]。
ちょうか 皮製のもので、軍人が乗馬や防寒のために用いるもの[2]。
ながぐつ 皮やゴムでできている防水用のもの[2]。雨天や水作業や乗馬時などに使用する[2]。
日本語では靴を 長靴 - 半長靴 - 短靴 のように、長さに着目して分類する。"長靴"はそのひとつである。
軍人用(乗馬用や防寒用)の長靴乗馬用長靴
最近では乗馬用のものは、乗馬クラブなどでは通常 "乗馬ブーツ"や "乗馬用ブーツ"と英語からカタカナにした表現で言ってしまうので、"ちょうか" や "ながぐつ" の音の違いは問題にならない。
ゴム製のものはゴム長靴、ゴム長と略されることもある。革製のものもある[3]。
起源はウェリントン・ブーツである。現在、英米ではゴム長靴をrubber bootsやgum bootsほか、wellintonsやwelliesと呼ぶ時がある。ドイツではゴム長靴という意味のGummistiefelと呼ばれる。
地面が水・泥水などの液体で濡れ(てい)る状況において、足を防護するために用いられる。また、靴底を中心とした消毒が必要な状況下[4]でも用いられる。
厨房や、水産・畜産・酪農現場などの作業用など。耐油性を持たせたものもある。
漁船上や、海岸などで釣りをする時などにも用いられることがある。特に長くて胴まで一体化した "胴付長靴" というものもある。
また、雨靴(レインブーツ)としても用いられる。
ゴム製・PVC(ポリ塩化ビニール)製の長靴は表面の全体にエナメル加工されたものが多く、ロングブーツ型のレインブーツもエナメル革(天然革やビニールの合成皮革にエナメルをほどこしたもの)を使用する場合が多い[注 1]。
インジェクション長靴(金型への射出成型[5])というものもある[6]。 アメリカの大手百貨店が1951年(昭和26年)に発行した通信販売用カタログに、女性用ゴム長靴が「エレガン・レイン」の名称で掲載されており、エナメル加工が施されたゴム製で、色は赤、茶、黒、白とあり、1足3.45ドル。そして筒部分の長いタイプもゴム製。1足4.59ドルと記されている。カタログを入手した「日本ゴム」が長靴のデザインを参考に、1954年から生産開始した[7]。シアーズの通販季刊カタログには、60年代からロングブーツと共に長靴の女性モデルが毎年掲載されていた[8]。 1960年代後半にミニスカートにロングブーツの流行が起きると、ノキアが1967年にロングブーツのようなゴム長靴の製造を開始した。日本では1969年に、アサヒゴムが「ハイレイン」のブランドでロングブーツの形をした細め長めの婦人用ゴム長靴を発売。色も赤、白、黄、黒とラインナップを揃え、他社もロングタイプの長靴を競って発売する。 それとは反対に1978年には、銀座かねまつ 2005年頃から、海外の女優やモデルたちがハンターやエーグルなどのゴム長靴を愛用するようになり、映画「Mr.&Mrs. スミス」ではアンジェリーナ・ジョリーが長靴姿を披露した。 女装の婦人服モデルアンドレイ・ペジックはMarc Jacobsの長靴モデルを務め、ホットパンツやミニスカートに長靴という組み合わせが、秋冬のコートにロングブーツというコーディネートに対し、春夏のおしゃれとして定着するようになる。
戦後の製造・輸入
ファッションとしての流行