長崎の教会群とキリスト教関連遺産
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長崎と天草地方の
潜伏キリシタン関連遺産
日本

大浦天主堂国宝長崎県長崎市南山手町)
英名Hidden Christian Sites in the Nagasaki Region
仏名Sites chretiens caches de la region de Nagasaki
面積5,566.55 ha
(緩衝地帯 12,252.52 ha)
登録区分文化遺産
文化区分遺跡11
記念工作物1
登録基準(3)
登録年2018年
第42回世界遺産委員会
公式サイト世界遺産センター(英語)
地図
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使用方法表示

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(ながさきとあまくさちほうのせんぷくキリシタンかんれんいさん)は、長崎県熊本県に残る12件の構成資産から成るUNESCO世界遺産リスト登録物件である。

2007年1月23日文化庁が「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県富岡市など。2014年に世界遺産登録)、「富士山」(山梨県静岡県2013年に「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として世界遺産登録)、「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良県明日香村など)とともに追加申請を決めた物件で、もとは「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として登録が目指されたが、潜伏キリシタンに価値の焦点を絞る形で構成資産が再考された結果、現在の名称になった。2018年6月30日第42回世界遺産委員会において登録が決定した[1][2]
概要

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産は、江戸時代250年間の禁教令下における厳しい弾圧の中、宣教師不在でありながら、信者のみで信仰を守り通しながらも、孤立せずに一般社会との関わりも持ちつつ[注 1]共同体を存続させるための生き方・暮らし方を創造したことが評価され、ユネスコの世界遺産に登録された[3]
経緯

長崎におけるカトリック教会の伝来と繁栄、禁教令下の潜伏信仰、そして奇跡のキリシタン復活という、四世紀におよぶ世界に類を見ないカトリック教会布教の歴史を物語る資産として、2001年よりユネスコの世界遺産を目指す運動が始まった(下記「候補から外れた資産」の節参照)。

長崎県は世界遺産登録を目指すにあたり関係市町と情報共有を図って、保存管理計画の策定や国内外の同じような資産との比較研究などの一体的な取り組みを進め、2006年文化庁が世界遺産候補地を公募した際に名乗りをあげ、文化審議会(文化財分科会)が正式候補として選定し、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として2007年1月に暫定リストに掲載された。

2007年11月12日に「第1回 長崎県世界遺産登録推進会議」、12月26日には「第1回 長崎県世界遺産学術会議」が開催され、35の構成資産候補を選定。OUV(顕著な普遍的価値)の主軸を「東西文化の交流と文化的伝統」と定めた。推進会議・学術会議はその後も開かれ、2009年の学術会議で構成資産を33さらに29に、2011年の推進会議では構成資産を14に整理することが承認され[4]2012年には構成資産を12に統合、2013年に熊本県天草市ア津集落が加わり13か所が構成資産となり[5]、2014年に平戸島の物件を2つに分割し14資産で推薦書が作成された。

2013年8月に開催された文化庁文化審議会では「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を同年度中の正式推薦候補としたが[6]内閣官房地域活性化統合事務局の有識者会議では「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」が推薦候補とされた。日本国政府は、最終的に後者を2013年度の推薦物件とすることを決定し、前者の推薦は2014年度以降に持ち越しとなった[7]

2014年7月10日に文化審議会の世界文化遺産・無形文化遺産部会は、2016年の世界文化遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」について、ユネスコに推薦する候補に選んだ[8]。政府は閣議了解を経て、2015年1月に正式な推薦書を世界遺産センターに提出、同年9月27日から10月6日には諮問機関である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の現地調査があり、2016年の第40回世界遺産委員会で審議される予定であったが、2016年2月初旬にICOMOSが推薦内容の不備を(250年の禁教令時代に特化すべきと)指摘したため、政府は推薦取り下げの上、構成資産の再検討に入ることになった[9]

長崎県はICOMOSとアドバイザー契約を結び[10]4月26日から5月3日にミッションエキスパートが現地を視察した後に提言を示し[11]、新たな推薦書内容を検討する「長崎世界遺産学術委員会」がイコモスの助言に従い、大浦天主堂以外の禁教明け(明治時代)以降に建てられた教会について禁教時代にいわゆる隠れキリシタンが形成した集落景観などに包括し[注 2]、法的保護根拠を重要文化的景観とすることを決めた[12][13]

諮問機関であるICOMOSが、推薦国に協力するという形式は日本では初めてであり、審査する側が求める完成度が高い内容の推薦書が作成されたことで、登録の可能性がより高まったとみられた[14]。こうした事例に関して文化庁は「アドバイスを行ったイコモスの専門家は、推薦書提出後の審査には参加せず、利益相反のような状況にはなっていない」という認識を示した[15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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