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「鏡」のその他の用法については「鏡 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
鏡(つぼや背後の植物が映る)洋風の鏡台和式の鏡台和鏡各種。『歴世女装考』より鏡台各種。『歴世女装考』より侍女がかざす姿見で着物の品定めをするの図。勝川春亭

鏡(かがみ)は、通常、主な可視光線反射する部分を持つ物体。また、その性質を利用して光を反射させる器具を指す。

光の反射には光が一方向にはね返る鏡反射と四方八方にはね返る乱反射があり、通常、鏡は鏡反射する滑らかな表面をもつ光をほぼ全反射するものをいう(特殊な鏡にはレフ板のような乱反射鏡もある)[1]

鏡に映る像は鏡像といい、これは左右が逆転しているように見えるものの、幾何学的に正確に言えば、逆転しているのは左右ではなく前後(奥行き)である。なお、これらの鏡像の発生原因を、自分が鏡に向き合ったとき、自分の顔の左側から出た光線および顔の右側から出た光線が、それぞれ鏡に反射した後、それら両方の反射光線が、いずれも右目に入射する時の、両光線の相互の位置にて説明できるとする見解がある[2]
概要

古くは金属板を磨いた金属鏡が作られた。大量生産されるようになった鏡の多くはガラスの裏面を金属面にしたもので裏面鏡という[1]。裏面鏡は金属面がガラスの内側にあるので傷みにくいが、鏡の裏側で反射する構造になっているため表面での光の反射の影響を受けてしまい像に多少のブレがある[1]。一方、光学器械に使用される鏡は光を正確な位置に反射させる必要があるため金属やガラスの表面で光が反射するようにした表面鏡である[1]

鏡には、鏡台[3]、姿見[3]、壁掛け鏡[3]、卓上立て鏡[3]のような形態がある。

化粧のために手鏡を立てかける台、もしくは鏡を取り付けられた台を鏡台(かがみだい、きょうだい)と呼び、どちらも多くは化粧品などを納める引き出しが付いている。鏡を取り付けられた鏡台の場合、その鏡は手鏡よりは大きな鏡だが、姿見ほど大きくはない。

鏡台は東洋西洋どちらにもあり、日本では明治以降、徳島県が大産地となって「阿波鏡台」と呼ばれた。大きな鏡を取り付けた洗面化粧台が増え、独立した鏡台の需要は減少している[4]

人が自らの全身を映す大型の鏡を姿見(すがたみ)と称する。主に身なりを整えたり、着こなしを確認したりするために使う。多くは縦に長い長方形となっている。個人宅だけでなく、購入を考えている衣服を身体にあてて見るため、衣料品販売店に多く置かれている。カーテンで仕切られた小部屋内に姿見がついたフィッティングルーム(試着室)もある。

手に持って使う鏡を手鏡と呼ぶ。
鏡の形状
平面鏡

一般的な鏡は平面の形をしており、これを平面鏡という。

平面鏡は1方向からの像のみを写すので、立体の正面は見えても側面は写さない。このため、複数の鏡を組み合わせることも行われる。いわゆる鏡台は普通三面鏡になっている。
球面鏡

球を切り取ったような面をもつ鏡を球面鏡といい、鏡面が凹面にあるものを凹面鏡、鏡面が凸面にあるものを凸面鏡という[1]
非球面鏡

球面ではない曲面をもつ鏡を非球面鏡という[1]反射望遠鏡に用いられる放物面鏡などがある[1]
鏡の歴史
技術的変遷

最初の鏡は、水溜りの水面に自らの姿形などを映す水鏡であったと考えられる。その後、や金属を磨いて鏡として使用していたことが遺跡発掘などから分かっている。

古くは、チャタル・ヒュユク遺跡から、黒曜石を磨いた石板の鏡が出土している[5]

続いて、金属板を磨いた金属鏡が作られ、多くは青銅などを用いた銅鏡であったが[注釈 1]、後にめっきを施されるようになった(表面鏡)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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