鎧伝サムライトルーパー
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鎧伝サムライトルーパー
ジャンル
ヒーローアクションバトル
アニメ
原作矢立肇
監督池田成浜津守
キャラクターデザイン塩山紀生
メカニックデザイン岡本英郎(鎧デザイン)
音楽戸塚修
製作Nagoya TV
東急エージェンシー
サンライズ
放送局Nagoya TV
放送期間1988年4月30日 - 1989年3月4日
話数全39話
テンプレート - ノート

『鎧伝サムライトルーパー』(よろいでんサムライトルーパー)は、1988年4月30日から1989年3月4日まで、名古屋テレビを制作局としてテレビ朝日系列で毎週土曜17:30 - 18:00(JST)に全39話が放送された、サンライズ制作のテレビアニメ。キャッチコピーは「俺の心に鎧が走る!」。
概要

甲冑型のバトルスーツ"鎧擬亜"(よろいギア)を持つ5人の少年が運命に導かれて集結し、妖邪帝王・阿羅醐が率いる"妖邪"の軍勢と戦うというのが物語の構図である。全9領の"鎧擬亜"はそれぞれが固有のデザインと能力を有しており、その持ち主は“五勇士”の少年と、妖邪軍の“四大魔将”に分かれて激突して戦いを繰り広げる。本作品が企画された当時は、1986年から放送された『聖闘士星矢』が商業的な大成功を収めており、1980年代後半にはその影響下でいわゆる"バトルスーツもの"・"装着もの"などと総称されるテレビアニメ・OVAが幾つも企画・制作されているが、本作品はその中でも代表的な作品の1つとして数えられる。

前年放送の『機甲戦記ドラグナー』までとは異なり、新たに広告代理店として東急エージェンシー、メインスポンサーの玩具メーカーとしてタカラ(現・タカラトミー)が参加、その他にサブスポンサーとして、食玩を得意とする菓子メーカーのカバヤ食品も名を連ねている。これら3社と、サンライズ・名古屋テレビの5社による制作体制は本作品以降、1997年放送の『勇者王ガオガイガー』までの足かけ10年間にわたって継続された。

関連商品のマーチャンダイジングの主対象を子供に置いている子供向けアニメとして見ればその本旨からは外れるものの、塩山紀生のデザインした男性美形キャラクターたちによる青春群像劇は当時の女性アニメファンから絶大な支持を集め、本作品のマーチャンダイジングもこうした作品人気の影響を反映してか、次第に女性アニメファンへの訴求を図る方向へと移行していった。この人気は番組終了後もなお衰えることなく、主人公たちを担当した声優たちへの人気へも波及、彼らによる声優ユニットNG5」の結成へと繋がっている。結果として本作品は、アニメ制作を手がけたサンライズには当時『機動戦士ガンダム』以来という巨額の版権収入をもたらすと共に、同様の盛り上がり方を見せた『聖闘士星矢』などと併せ、1991年頃までのいわゆる「美少年アニメブーム」の強力な牽引役をも担った。

他方で、こうしたキャラクターや声優に対する高い人気と反比例するかのように、テレビシリーズ中盤の視聴率や、メインスポンサーであるタカラ(現:タカラトミー)が発売した玩具の売れ行きは振るわず、放送を続けていく上で致命的な状況を生み出した。特に、鎧の脱着をプレイバリューとしたアクションフィギュア「超弾動」シリーズを主力商品として展開した玩具は、玩具問屋で過剰在庫として積み上がる状況となった[注釈 1]。このため番組後半では、超弾動シリーズの新作である輝煌帝烈火に留まらず、本作品と同じくタカラがメインスポンサーとして参加し半年遅れてスタートした特撮テレビドラマ『電脳警察サイバーコップ』(日本テレビ系列)に登場する「サンダーアーム」のギミックを転用したなりきり玩具「烈火拳」を発売するなどのテコ入れも行われた。
二重放送事故

1988年9月3日の放送にて、制作局である名古屋テレビ側の手違いにより、前週に放送済みであった第17話が放映されるという放送事故が発生した。これは当時、朝日放送が土曜の夕方にテレビドラマ『部長刑事』を放送していた都合上、前日の夕方に名古屋テレビが裏送りして先行放送していたという事情が絡んでおり、その裏送りの際のテープの取り扱いミスが原因となっている[注釈 2]。朝日放送向けに先行して流した後、その第18話のテープが誤って片付けられてしまったためとも言われている[1]

放映開始後に機材を止めて正しいものに入れ替えて放映し直すわけにもいかないため、当日は誤って放映された第17話を最後まで放映の上、エンディングの末尾と次回予告時の2回、画面下部にお詫びのテロップを緊急に挿入するという措置が取られた。また本来放送予定だった第18話はOP前にお詫びのフリップ・アナウンスを挿入の上、翌週の9月10日に放映されており、予定通り第18話が先行放送された朝日放送では、9日の放送分を穴埋め番組で対応している。また総話数も当初予定していた40話から、1話減となる39話に変更される[1] など、以降の放送スケジュールにも影響を及ぼす格好となった。
ストーリー

遥かなる伝説の時代、この世に邪悪がはびこりし時、一人の武者が現れた。その武者、正しき心を力とし妖邪帝王・阿羅醐を討伐する。妖邪帝王の野望を打ち砕くも、残された鎧の怨念を浄化すること敵わず。その武者、正しき心「仁義礼智信忠孝悌忍」を鎧に刻み込み、九つの鎧へと分ける。

時は現代(1988年)、再び妖邪界が人間界を支配せんと目論む。大東京・新宿上空に妖邪帝王の城「阿羅醐城」が出現、その妖邪の力に現代科学・兵器は全て沈黙した。その時、その妖邪帝王・阿羅醐の野望を打ち砕かんとする5人の少年らが立ち上がった!

その名を「サムライトルーパー」という。
登場人物
サムライトルーパー

戦いの中で鎧擬亜を手にした者の子孫であり、またそのほとんどの祖先は戦国武将でもある。四魔将と区別する時、全員の総称として「五勇士」と呼ばれることがある。また五勇士の戦士たちは、鎧の名である烈火・金剛・光輪・天空・水滸[注釈 3] と呼ばれることもある。

主人公たちの額に浮かぶ文字は、儒教における主要な思想・五常とつながっており、彼らの心が悪を討つことにより、仁・義・礼・智・信の愛、勇気、希望、愛情、喜びの感情が平和を作るとされる。また五勇士の戦士たちは、火、地、光、風と水の五元素であった。

妖邪の襲来と時を同じくして集結を果たすも、直後に阿羅醐の力によって日本の各地へと飛ばされてしまい、散り散りになった仲間たちを捜す過程が物語序盤のメインエピソードともなった。また第2部でも、輝煌帝の力を手中に収めんとする阿羅醐によってセイジ・シン・シュウが連れ去られ、彼らを助けるためにリョウとトウマが妖邪界に乗り込む展開となるなど、全編通して必ずしも5人全員が揃っている訳ではない。
真田 遼(さなだ りょう) / 烈火のリョウ
- 草尾毅[注釈 4]1973年8月15日生まれ。血液型はO型。山梨県出身(ゆかりの地は富士山)で、真田忍軍の子孫でもある。趣味は山歩き、特技はサッカー、好きなものはモグラたたき。かき氷、氷の類は苦手。カメラマンの父と二人暮らしで、田舎にて放任主義の下自由奔放に育つ。また幼少期に白炎(びゃくえん)と出会い、自ずと戦いの宿命を知ることとなる。一方で人と接することなく育ってきたこともあり、人付き合いが苦手でオシャレにも無頓着だが、前者に関してはトウマによると周囲に合わせる努力をしており、後者もテレビシリーズ第2期のEDや外伝にてタキシードを着こなし、トレードマークの長髪の襟足をやや短くするなどの洒落っ気も垣間見せている。仲間意識は人一倍強いがやや感情的なところもあり、その性分ゆえに力尽きて倒れるほどの無理や無茶な行動も多い。また敵味方問わず、命あるものを傷つけなければならないことに心を痛めるなど、繊細な面も度々覗かせる。慈愛を尊ぶ心「仁」を根本真理とする赤色の鎧擬亜、「烈火」(火)を武装し、灯熱の炎のエネルギーを操り戦う。武器は背中に背負う二振りの「烈火剣」で、連結させて両刀としても用いられる。またこの状態から炎のエネルギーを集中させて、その炎の力で敵を斬り断つ「双炎斬」を必殺技とする。炎の戦士の名義も呼ばれることもある。物語中盤からは白き鎧輝煌帝(きこうてい)も纏うようになり、当初引き続き使用していた烈火剣が鎧の力に耐えきれず折れてしまった[注釈 5] ため、剣舞卿から譲り受けた「剛烈剣」を用いるようになり[注釈 6]、必殺技も「超弾動閃煌斬」へとパワーアップした。この輝煌帝の出現に伴い、リョウを含めた5人はそれまで持ち合わせていたヨロイパワー(弾動力)を超える「超弾動」を発現させており、以降は各々の必殺技の頭にも「超弾動?」と付記されるようになる。
羽柴当麻(はしば とうま) / 天空のトウマ
声 - 竹村拓[注釈 4]1973年10月10日生まれ。血液型はAB型。大阪府出身(ゆかりの地は天橋立[注釈 7])で、太閤関白家の子孫である[注釈 8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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