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鍋(なべ)は、調理器の一種で、おもに金属製で円形であり、把手(とって、ハンドル)やつるなどをつけることが多い[1]

なお「鍋」は、調理器具を指している場合と、調理器具の鍋を使って作る料理鍋料理、煮物料理、鍋物)を指す場合がある。「鍋を食べる」とは鍋料理を食べるという意味である。鍋料理に関しては鍋料理の記事を読んでいただき、当記事では調理器具の鍋について解説する。
概説

日本の特許庁の意匠分類定義カードによると、食材に火を通すための調理器具であり、煮物茹で物揚げ物等の調理法に利用される[2]

通常は円形で、金属製や陶製の容器で、主に調理目的や液体を保持する目的で使うものである。
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石器時代、およそ2万年[3]からそれ以上前、人類は土器を作り始め、その当初からの用法の一つは食物を煮炊きする鍋であったと考えられている。

日本では、縄文土器の基本形態である深鉢は、尖ったあるいは丸くなっている底の部分を土や火床の上に突き立て、周りで火を炊いて中身を加熱調理する鍋であった。その歴史は1万4千年前まで遡れる[4]

カルディウム土器新石器時代のもの。スペインバレンシア州で出土)

韓国で出土した新石器時代の鉢

縄文土器の深鉢

金属製の鍋は少なくとも青銅器文明紀元前2000年頃からエジプト、メソポタミア、中国でコルドロンに分類される大釜が使われ出した。中国では長い間使われ続け、戦国時代(紀元前403年 - 紀元前221年)の遺跡である随州曾侯乙墓からも、「」、「」といった煮るのに適した青銅器が出土している。釉薬を掛けていない素焼きの土鍋と違い、砂や灰でこすれば清潔が保て、熱の伝わり方も早く、焼き物と違って欠けたり割れたりすることが少ない金属製の鍋釜は便利であったが、当時は金属製の鍋を作るのは技術的にも大変だったため貴重品であった。

青銅の脚つき鍋。紀元前800年頃。(オリンピア博物館展示品)

スラブ9世紀-10世紀頃。

イギリス、1350年頃。(サマセット博物館)

の末期の

前漢の鼎。脚つきで蓋つきの鍋。紀元前1世紀

片手の鍋。6世紀。(韓国、国立中央博物館)
脚つきの金属鍋(19世紀)

金属製の鍋が貴重品だった時代は長く続き、ヨーロッパでは地域によってコルドロンの形状や大きさの差異は出たが、全般的に長らくコルドロンのみで作れる料理が一般的な食事とされ、1412年にロンドン在住のジョン・コールとジュリア・コール夫妻の主だった財産と言える重さ7キロのコルドロンは、当時の土鍋が1ペニーほどの時代に4シリング(1シリングは12ペニー)したとされる[5]。多種多様な鍋が一般的になったのはイギリスにおいては18世紀に入ってからである[6]
種類

特許庁の意匠分類定義カードの取手(ハンドル)に着目した分類によると、片手付きのもの[2](片手鍋)、両手付きのもの[2](両手鍋)、吊り手付きのもの[2]などがある。なお、日本料理のプロの調理人の世界ではやっとこ鍋(後述)のように取っ手がなくやっとこで掴んで扱うものもしばしば使われる。

また、付きのものと蓋無しのものがある[2]

一般には、熱源を併せ持っていないが[2]、電気鍋のように熱源を併せ持っているものもある[2]

次のような種類もある。圧力鍋
圧力鍋(あつりょくなべ)
鍋に蓋をして密閉し、蒸気が逃げないようにすることで内部の圧力を上げ、水の沸点を摂氏100度以上にして高温高圧で加熱する鍋。完全に密閉すると内部の圧力が高くなりすぎて危険なので、圧力調整弁が蓋に装備されており、一定の圧力が保たれる仕組みになっている。
保温調理鍋(ほおんちょうりなべ)
保温性が高く、短い加熱時間でも余熱を利用して効率的に調理できるように設計された鍋。

サバイバルやキャンプなどでしか使われない特殊なものだが、ビニール袋鍋という、ビニール袋に食材と水分を投入して焚き火などの直火にかけるものもある。
材質の種類と特徴

近年普及が進んでいるIHヒーターは、非導電体である土鍋やガラス製の鍋は原則的に使用できない。鉄系素材とは相性がいいが、アルミや銅などの非磁性金属は使用できない製品もあり、できても加熱効率が劣る。土鍋用などとして、鍋底に沈めて使う発熱用円形プレート(ステンレス製)があり、これを用いれば加熱可能であり、一部商品では鍋本体に最初から付属している。
陶器
陶器製の鍋は世界各地にあり、アフリカヨーロッパアジア北米中米南米などにある。中国では「砂鍋」といい、日本では「土鍋」という。火のあたりが柔らかく、保温性が高いのが特徴。お粥おでんなど弱火で長時間煮込む料理に適している。ただし衝撃に弱く、割れやすい。また急激な温度変化にも弱く、鍋底に水滴が付いている状態で火に掛けるとひびが入ることがある。目止めが必要なものとそうでないものがある。

陶製タジン鍋の製作(アフリカ、モロッコにて)

スペインや南米などの陶製鍋

スイス、フランス、ベルギーなどの陶製のフォンデュ鍋

中国の陶製鍋

日本の土鍋

メソアメリカ、en:Tecoaqueの陶製鍋(現在の中央メキシコあたりで出土)
石鍋(トルソッ)

世界各地の料理で使われている。石材としては、長水石などが用いられる。九州沖縄県では室町時代まで滑石製石鍋が使用された。朝鮮料理でもトルソと呼んで使用し、石焼きビビンバは代表例となっている。日本では鍋物、石焼き丼、石焼きオムライス、石焼き中華丼、石焼きカレーなど。


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