この項目では、樹木について説明しています。
江戸時代の男性の髷については「銀杏髷」をご覧ください。
紋章(家紋)については「銀杏 (家紋)
イチョウ
イチョウの葉
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類
界:植物界 Plantae
門:維管束植物門 Tracheophyta
亜門:大葉植物亜門 Euphyllophytina[註 1]
階級なし:種子植物 Spermatophyta
階級なし:裸子植物 Gymnospermae
綱:イチョウ綱 Ginkgoopsida
目:イチョウ目 Ginkgoales
科:イチョウ科 Ginkgoaceae
属:イチョウ属 Ginkgo
種:イチョウ G. biloba
学名
Ginkgo biloba L. (1771)[1][2]
和名
イチョウ
英名
Ginkgo, Maidenhair Tree
変種、栽培品種
本文参照
黄葉した秋のイチョウ
イチョウ(銀杏[3][4]、公孫樹[3][4]、鴨脚樹[3][4][5]、学名:Ginkgo biloba)は、裸子植物で落葉性の高木である[6]。日本では街路樹や公園樹として観賞用に[6][7][8][9]、また寺院や神社の境内に多く植えられ[6][7][8]、食用[7]、漢方[10][11]、材用[12] としても栽培される。樹木の名としてはほかにギンキョウ(銀杏)[13]、ギンナン(銀杏)[4] やギンナンノキ[14] と呼ばれる。ふつう「ギンナン」は後述する種子を指す[9][15] ことが多い。
街路樹など日本では全国的によく見かける樹木であり[9]、特徴的な広葉を持っているが広葉樹[註 2]ではなく[16]、裸子植物ではあるが針葉樹ではない[16]。
世界で最古の現生樹種の一つである[10]。イチョウ類は地史的にはペルム紀に出現し[17][18]、中生代(特にジュラ紀[19])まで全世界的に繁茂した[7][18][20]。世界各地で葉の化石が発見され、日本では新第三紀漸新世の[18] 山口県の大嶺炭田からバイエラ属 Baiera[21]、北海道からイチョウ属の Ginkgo adiantoides Heer. などの化石が発見されている[22]。しかし新生代に入ると各地で姿を消し日本でも約100万年前に絶滅したため[17]、本種 Ginkgo biloba L. が唯一現存する種である[18]。現在イチョウは、「生きている化石」[23][24]として国際自然保護連合 (IUCN)のレッドリストの絶滅危惧種 (Endangered)に指定されている[1]。
種子(あるいはそのうち種皮の内表皮および胚珠)を銀杏(ぎんなん)というが、しばしばこれは「イチョウの“実”」と呼ばれ、食用として流通している[3][9][25]。銀杏は、中毒を起こし得るもので死亡例も報告されており、摂取にあたっては一定の配慮を要する(詳しくは後述)。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none} 中国語で、葉の形をアヒルの足に見立てて鴨脚と呼ぶので、そこから転じたとする説がある[3][14][20]。加納 (2008)では、「鴨脚」の中世漢語 ia-kiau の訛りであるとされる[25][26]。亀田 (2014) では、「鴨脚」の中国語読みイーチャオとして日本に伝わったとしている[27]。しかし、室町時代の国語辞典『下学集』では、「銀杏」の文字に「イチヤウ」および「ギンキヤウ」と振り、その異名に挙げる「鴨脚」には「アフキヤク」と振られており、イチヤウはあくまでも銀杏の音としてギンキヤウと併記され、鴨脚の音とはされていない[28]。なお、鴨脚の名は中国では11世紀の梅堯臣(1002年?1060年)や欧陽脩(1007年?1072年)の詩に見られ、その種子は「鴨脚子」と呼ばれていた[29]。 それに対し、「イチョウ」の語は「銀杏」の明代の近古音(唐音)が転じたものとする説もある[3][13]。1481年頃に成立した一条兼良の『尺素往来』や1486年の『類集文字抄
名称・呼称
「イチョウ」