鉄道の車両番号
[Wikipedia|▼Menu]
国鉄蒸気機関車のナンバープレート国鉄からJRへ継承されてきた書体
103系JR西日本が導入した
モリサワ新ゴ書体
115系リニューアル改造車阪神の車番書体
8000系神戸市営地下鉄の車番書体
1000形南海の車番書体
6100系、現在は6300系名鉄の車番書体
モ590形、現在廃車譲渡)青い森鉄道の車番書体
(元JR東日本701系 漢字と平仮名が含まれている。JRから引き継いだため、「クモハ701-1037」という車番の書かれた跡が見える。)

鉄道の車両番号(てつどうのしゃりょうばんごう)は、鉄道車両1両ごとに付与される固有の記号番号のこと。車番(しゃばん)または車号(しゃごう)と略されることもある。

形式称号(○○形、○○型、○○系などの○○の部分)を含んでいる場合が多いが、絶対ではない。

○○形、○○型とは、デザイン・性能などが同じ制御車・付随車・動力車に与えられる番号のこと。○○系とは、一連の○○形、○○型の車両群のこと[1]
概要

同じ鉄道事業者に在籍する他の車両との区別のため、車両の管理上の必要から付されるもので、ほとんどの国家では、同じ記号番号をもつ車両が同時に同じ鉄道事業者に在籍することは通常ないが、かつての日本国鉄をはじめ、まれに2両以上の記号番号が同時に在籍することがある(→二車現存)。

なお、かつての殖民軌道では、車両番号が付されないこともあった。

日本においては、多くの場合はアラビア数字のみ、または片仮名との併記で表される。数字のみならずアルファベット平仮名ローマ数字漢字などを用いることもある。番号は形式に関連付けられていることが多いが、形式と番号を完全に分離して併記する例、逆に形式と番号に全く関連性のない例[注 1]も見られる。
車両への表記

車両番号は車体正面や側面、また車内などに表記される。表記方法はさまざまで、砂型による砲金鋳物鋼板ステンレス鋼などの切り抜き文字をねじ止めしたもの、エッチング加工した金属板に塗料で文字入れしたものなどによるナンバープレート、車体に切り抜き文字をねじ止めしたもの、車体に直接塗料で書きこんだもの、合成樹脂フィルムを貼付したものなどがある。

車両番号に片仮名を含む場合、日本国有鉄道(国鉄) - JR各社では「クモヤ145-1007」のように片仮名も表記するが、四国旅客鉄道(JR四国)の新形式車両や私鉄の多くでは通常、車体に車種片仮名を表記せず数字部分のみとする。なお、京成電鉄3700形以降正式な形式名は番号のみで区別している)や西武鉄道6000系以降正式な形式名は番号のみで区別している)の一部旧型車両では片仮名も併記されている。

車番表記の書体は概ね標準的なゴシック体だが、各鉄道営業体に特有の書体を用いる場合もある(阪神電気鉄道南海電気鉄道神戸市営地下鉄名古屋鉄道東京メトロなど)。細かく見れば、同じゴシック体のようでも各営業体で微妙に異なる。またJR各社も、車種片仮名や数字の書式については旧国鉄時代のものを引き継いできたが、21世紀初頭になって西日本旅客鉄道(JR西日本)(207系以降の新型車両、221系は車内ナンバープレートのみ、87系気動車および35系客車を除く[注 2])でのゴナ(および683系・287系・改造諸系列(103・113・201系30/40N更新車含む)などのモリサワ新ゴ)体、東日本旅客鉄道(JR東日本)・近畿日本鉄道21000系以降の特急形および18200系(「あおぞらII」への更新後」)30000系(「ビスタEX」への更新後)7000系(7020系に性能を合わせた更新後)シリーズ21以降の通勤形など)、北総鉄道7300形にまで採用されていたヘルベチカなど、新型車両での別書体採用、従来型車両での書体変更も見られるようになった。九州旅客鉄道(JR九州)の一部車両で見られるゴシック体で文字の周りを1文字ずつ四角で囲む「水戸岡デザイン」のような特殊な例も見られる。

鉄道のナンバープレートは、廃車された蒸気機関車のものなどについてコレクションの対象となっており、プレミアムが付いて取引されたりする。各鉄道事業者が車庫見学会などの折、他の鉄道廃材と並べ即売会を行うこともある。一方でコレクションが昂じて、あまり厳重に管理されていない公園に静態保存されている車両、さらには現役の車両から盗む事件も発生している。

旅客車の番号は車体側面の下部に記されることが多いが、近年普及が進んでいるホームドアに隠れて見えなくなるため、窓上や戸袋部など高いところに記されることが増えた。東急電鉄ではホームドアが普及するより前から、側面の番号は戸袋部に記されている。
省令・法律に基づく表記

車両称号は、各車両に必ず表記されることになっている。厳密には現行の省令[注 3]では「車両には、車両の識別等ができるよう必要な表記をしなければならない」とだけあり、条文上では識別できれば 例えば「人名」のようなものも有効である[2]。ただし、鉄道事業法施行規則[注 4]の第二十条に基づき、書類上は車種及び記号番号を定める必要がある[2]

軌道(路面電車)では軌道法第十四条に基づく軌道運転規則[注 5]の第四十条に基づき、機関車には車両番号の表記を、客車、貨車、内燃動車および電車には車両の記号番号の表記義務がある[2]
具体的車両番号

以下を参照。

国鉄国鉄の車両形式

JRJRの車両形式

私鉄地下鉄第三セクター鉄道等:各鉄道事業者の項目

特徴的な例

機関車では、運転整備重量を形式の一部として付与する例がみられる。機関車の大きさを把握するのに最適であることから、産業用を中心に
私鉄臨海鉄道用の機関車に採用例が多い。国鉄の機関車としては、B20形蒸気機関車が唯一例である。

装備する主電動機の定格出力を形式の区分に用いる例もかつて広くみられた。現在もこの方式を採用している富山地方鉄道の場合、鉄道線・軌道線および電車・機関車の別を問わず、2桁の形式番号の前に2 - 3桁の仏馬力 (PS) 単位による主電動機1基の定格出力を直接付しており、定格出力100 PS(約73.5 kw)以上の電動車は5桁、同100PS未満の電動車は4桁の形式番号となる。

東武鉄道では複雑化した所属車両の形式整理のため1949年昭和24年)、千位を主電動機出力別、百位を制御器別、十位を車両の形態・用途別とし、動力車は4桁、制御車は3桁、付随車は2桁となる新しい付番規定を定め、1951年(昭和26年)にかけて「大改番」を行った。

地元2社が合併した上田丸子電鉄(後・上田交通、現・上田電鉄)でも1950年(昭和25年)、前年の東武鉄道新規定を参考に十位を車体長別とした類似の付番規定を制定して所属全車両を改番し、1986年(昭和61年)の別所線昇圧まで使用した。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:48 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef