金魚屋古書店
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金魚屋古書店
ジャンル
青年漫画
漫画:金魚屋古書店
作者芳崎せいむ
出版社小学館
掲載誌月刊IKKI
レーベルIKKICOMIX
発表号2004年5月号 - 2014年11月号
発表期間2004年 - 2014年
2020年(描き下ろし)
巻数全17巻
話数全116話
その他第17巻に描き下ろし3話+番外編を収録
漫画:金魚屋古書店出納帳
作者芳崎せいむ
出版社少年画報社

その他の出版社
小学館(新装版)

掲載誌ヤングキングアワーズ増刊アワーズガール
ヤングキングアワーズ増刊アワーズライト
レーベルヤングキングコミックス
IKKICOMIX(新装版)
発表期間2000年 - 2002年
2003年(描き下ろし)
巻数全2巻
話数全11話
その他第2巻(IKKICOMIX版では下巻)に
描き下ろし2話を収録
IKKICOMIX版下巻に巻末オマケ漫画を収録
漫画:古漫館物語
作者芳崎せいむ
出版社講談社(掲載誌)

その他の出版社
少年画報社
小学館

掲載誌モーニング新マグナム増刊
発表期間2000年
話数全1話
その他『金魚屋古書店出納帳』第1巻
(IKKICOMIX版では上巻)に収録
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『金魚屋古書店』(きんぎょやこしょてん)は、芳崎せいむ漫画小学館の漫画雑誌『月刊IKKI』で連載された。単行本は全17巻(小学館IKKICOMIX)。本項では『金魚屋古書店』の前身となる、少年画報社の漫画雑誌で連載された『金魚屋古書店出納帳』(きんぎょやこしょてんすいとうちょう)も含めて解説する。
概要

国内外を問わず膨大な数の漫画古書を取り扱う金魚屋古書店を舞台に、漫画本にまつわる人間ドラマを描く。

迷いや憂いを抱えた人、思い出を求める人、本を愛する人などがぶらりと金魚屋に立ち寄り、代理店主の鏑木菜月とその周囲の人間たちと関わっていくショート・ストーリー。登場する漫画は少年漫画・少女漫画・青年漫画その他を問わず、比較的古い作品を中心に、実在するもの。ワク外には著者・出版社などの簡易説明があり、さらに単行本の巻末には、各話に登場した作品に関するコラム(解説)が載っているので、興味を惹かれたら探すこともできる。

また本作の大きな特徴として、1話限りの脇役を間を開けて再登場させる、主軸とは関係しないひとつのエピソードが複数の話を跨いで描写されたりするなど、作中の時間の経過を感じさせる演出がある。後者にはキャラクターの衣装が変わっていない、風邪を引いているキャラクターが別の話でも引き続けていると言った、各話ごとの時間軸が推理できる手がかりが見られる例もあり、本筋とはまた違った面白みを見つけることもできる。

本作はもともと、2000年に創刊された少年画報社の少女漫画誌『ヤングキングアワーズ増刊アワーズガール』に『金魚屋古書店出納帳』(以下『出納帳』と表記する)のタイトルで連載された。『アワーズガール』は翌2001年に休刊となり、『出納帳』は同じアワーズ系列の『ヤングキングアワーズ増刊アワーズライト』へ移籍する形で、2002年から連載再開される。しかし同年に『アワーズライト』も休刊となった。翌2003年に、描き下ろし2話を加え、少年画報社(ヤングキングコミックス)からA5判全2巻で単行本化された。

その後2004年になって、登場人物や背景設定を継承したまま、小学館の『月刊IKKI』で『金魚屋古書店』と改題して連載された。『月刊IKKI』は2014年11月号をもって休刊となり、本作も終了した。単行本最終巻の第17巻は連載終了から6年後の2020年6月に刊行され、『IKKI』掲載作には大幅な加筆修正が行われるとともに、ページ数にして約7割に及ぶ描き下ろしエピソードが収録されている[1]。なお、『金魚屋古書店』単行本第1巻が小学館(小学館IKKICOMIX)からB6判で発売されるのと同時に、『出納帳』も上・下巻として同じB6判で新装刊行された。

また、『出納帳』に先行する作品として、2000年に講談社の『モーニング新マグナム増刊』に掲載された『古漫館物語』が存在する。『金魚屋古書店』と直接の関連性はないが、漫画古書店を祖父から継いだ女性が主人公であるなどプロトタイプともいえる作品である。『出納帳』単行本に収録されている。
金魚屋古書店

川べりに立つ古めかしい木造店舗。シンボルマークはイクトゥスに似た簡素な金魚の絵で、店の外壁にも描かれている。

現在店長である鏑木清太郎が全国行脚をしているため、孫娘の菜月が店長代理をしており、漫画の禁断症状で行き倒れていたところを拾われた、居候の斯波尚顕と共に店番をしている。常連にはコアなまんが読み(作中では漫画バカと表現されている)が多く、また2人の不在時は彼ら常連客が留守番をしている時もある。

初めて来店する人間は、店の中に足を踏み入れただけでも膨大な蔵書量に圧倒されるが、金魚屋古書店の真髄は地下室にある。広大な敷地に大の男が見上げる程高い本棚が暗闇の奥深くまで続いており、本の探索時には懐中電灯と地図が手渡され、またところどころに目印用の電灯や脚立が設置されているなど、作中で使われる「(迷宮としての)ダンジョン」と言う呼称そのままの空間になっている。

ダンジョンの入り口には小さな畳部屋があり、斯波尚顕の普段の住処になっている他、常連客が寝転がって本を読むスペースとして使われている。

かなりマニアックな稀覯本や古い雑誌も扱っているが、セドリの常連客である岡留高志は「良心的な適正価格」を付ける店だと評価している。
主な登場人物
金魚屋古書店の住人
鏑木 菜月(かぶらぎ なつき)
「金魚屋古書店」の店長・鏑木清太郎の孫娘で、主人公。清太郎の入院中に「何となく親元にいるのも嫌だった」ため金魚屋の店長代理を務めている。漫画の知識こそ少ないが、作中の経過と共にその店を自分がどれだけ大切にしているかに気付いて行き、やがて漫画への愛情と書店員としての心構えが描写されるようになる。頑張り屋のしっかり者で、居候・斯波尚顕の口説き文句を華麗にかわす。彼とは恋人というほどの間柄でもなく、むしろ家族に近いものがある。父は大手出版社の社長、母はTVで放映されている料理教室の講師。筋金入りのマザコンであり、母の出演時はビデオ録画を欠かさない。
斯波 尚顕(しば なおあき)
金魚屋古書店の居候。7月17日生まれ(漫画の日)。
美形であるもののどことなくぼんやりとした印象を与えるが、漫画のストーリーを一部聞いただけで書名を即答したり、客の探す漫画雑誌の発売時期を聞いただけで嗜好を当てる事ができるなど、超絶的な漫画フリーク。体勢を崩しても漫画だけは汚さないように転ぶほどの愛を持つが、一方で人間相手にも「漫画を愛する女の子はみんな心の恋人」と宣言する色好きな面も持つ。菜月に幾度もアタックしているものの、漫画への浮気癖から一向に仲が進展していない。また、金魚屋店主である菜月の祖父には気に入られているが、漫画嫌いである彼女の父には疎んじられている。
鏑木 清太郎(かぶらぎ せいたろう)
金魚屋古書店の店長。常に穏やかな笑みを浮かべた好々爺だが、そのさりげない一言で斯波を感服させるほど漫画への愛情は深い。また、入院中に病院を抜け出して宝塚市立手塚治虫記念館境港市水木しげる記念館を訪れるほど行動力は豊富である。


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