金髪
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「ブロンド」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「ブロンド (曖昧さ回避)」をご覧ください。
金髪の人物の後ろ姿

金髪(きんぱつ、ブロンド : 男性形:blond, 女性形:blonde)は、赤毛と同様にわずかなユーメラニン色素と比較的多量のフェオメラニン(ドイツ語版)色素によって特徴付けられる、各種の哺乳類に見られる金色を帯びた体毛である。

金髪の色は明るい茶色から薄い金色までの範囲に及ぶが、これらの様々な金髪に属する髪の色を持つ人は地球上で1.8%である。

表面に現れる金髪の色は様々な要因に依存するが、色素の不均衡と不足によりもたらされるペール・ブロンドから、珍しい金髪である赤色を帯びたストロベリー・ブロンド(ジンジャーとしても知られる)や多くのユーメラニン色素を持つ茶色を帯びたゴールデン・ブラウニッシュ・ブロンドまで、常にある種の黄色に近い色を帯びている。赤毛の髪が最も太い毛髪を持つのに対し、本来の金髪は最も細い毛髪を持っている。金髪は人間、その他の哺乳類で見られる。では尻尾やタテガミ、尻尾が金色のものを指す(尾花栗毛月毛参照)。

オーストラリアのアボリジニや大陸西中央の地域の先住民はかなりの確率で黄色がかった茶色の頭髪を持っている[1][2]。オーストラリア先住民の金髪は主に女性と子供に見られ、通常は年を取るにつれて濃い茶色に変化していく[3]
起源セント・アンドルーズ大学発表のヨーロッパ付近の金髪の分布図2005年)。北ヨーロッパ周辺に多く、黄色で示されたところはは80%以上、薄橙色は79%?50%、薄茶色は49%?20%、茶色は20%以下。その他(焦茶色)は0%とされる。金髪のフィンランド少女金髪の尾花栗毛
遺伝情報学に基づく推定

いわゆるブロンドは、突然変異としてある確率で発生する。(いわゆる色素欠乏症[4]ヨーロッパ圏外の人種において、その確率は低く、また仮に発生しても、子供の間にしか見られない。それに対し、ヨーロッパ圏内では金髪は他の人種より頻繁に発生し、しばしば成人期まで残存する。このためブロンドは人種固有のものではないかと認識されている。このようにヨーロッパ圏内で、ブロンドの頻発が起こる理由は以下のような説が唱えられている。最近の遺伝情報学に基づけば、ヨーロッパにおいて金髪の人口がはっきりと増加しだしたのは、最後の氷期である約1万1000年前から約1万年前のことである可能性が高い。これ以前のヨーロッパ人は、他の人種の支配的な特徴である焦茶色の髪と暗い色の瞳を持っていた[4]金髪の少年
性淘汰仮説

なぜヨーロッパの各人種が、人類の進化の速度としては、かくも最近かつ急速にこのような高確率で金髪(と多様な虹彩の色)を持つようになったのかは、長年の疑問であった。このような変化が通常の進化の過程(自然淘汰)で起こったのであれば、約85万年の歳月が必要となった筈である[4]。しかし現代の人類は、アフリカからヨーロッパまでの移住を成し遂げるまでに、僅か3万5000年から4万年の期間しか費やしていない[4]セント・アンドルーズ大学の後援を受けたカナダの人類学者ピーター・フロストは、最後の氷期の終わりにおいて金髪の人種が急速な発生を見たのは、性淘汰の結果であるとの説を、2006年3月に Evolution and Human Behavior において発表した[5]。この研究によれば、多くのヨーロッパの地域において金髪と青い瞳を持つ女性は、乏しい数の男性を相手にした過酷な配偶者獲得競争において、彼女らの競争相手より優位に立てたのである。ヨーロッパ圏において食糧不足の為にクロマニヨン人の人口が低下していた1万1千年前から1万年前の時期において、金髪は増加を見たのであると、研究は主張する。ヨーロッパ北部におけるほとんど唯一の食料源は放浪するマンモスやトナカイ、野牛、野馬の群れのみであり、それらの獲物を発見するためには長く困難な狩りのための遠出が必要であり、狩りの間に多くの男性が命を落としたために、生き残った男性と女性の比率の不均衡が生じた。この仮説では、金髪の女性はその際立った童顔熟女な特徴が男性を誤認・錯覚ないし脳内補完へと誘導して獲得する際に役立ったために、その結果として金髪の人口の増加につながったのであると主張されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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