金縛り
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「睡眠麻痺」はこの項目へ転送されています。神経疾患による発作については「てんかん」をご覧ください。

RADWIMPSの楽曲については「KANASHIBARI」をご覧ください。
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ヨハン・ハインリヒ・フュースリーによる『夢魔』(1781年)。西洋においても、金縛りを悪魔の仕業と考える人々がいた。

金縛り(かなしばり、英語: sleep paralysis)は、主に就寝中、意識がはっきりしていながら身体を動かすことができない症状を指す。身体が締め付けられるような感覚からこう呼ばれる。また合わせて浮遊感、耳鳴り、くすぐられている感覚があったりするものもある。

本来は仏教用語であり、その転用である。不動明王が持つ羂索(けんさく)の威力により、敵や賊(転じて煩悩)を身動きできないようにする密教の修法である「金縛法」(きんばく・かなしばりほう)を由来とする。
概要

医学的には睡眠麻痺と呼ばれる、睡眠時の全身の脱力と意識の覚醒が同時に起こった状態である。全身の脱力により麻痺している事は自然な状態であり、意識の覚醒が起きてしまっているのが本当の異常である。思春期に起こりやすく、仰向けの姿勢、不規則な生活、寝不足、過労時差ぼけストレスなどから起こるとされる[1]

意識が覚醒しない状態で睡眠麻痺が解けてしまい、夢の通りに体が動いてしまう事が、レム睡眠行動障害である。

がしっかり覚醒していないため、人が上に乗っているように感じる、自分の部屋に人が入っているのを見た、耳元で囁かれた、身体を触られているといったような幻覚を伴う場合がある。これはの一種であると考えられ、幽霊心霊現象と関連づけられる原因になっている。

ただし金縛りの起きる状態がほとんど就寝中であることから、学者の説明は睡眠との関係についてである。覚醒状態においての「金縛り」というものについては科学的にはほぼ未解明であり、精神的なものに起因するとされることも多い。霊的なものを信じていない人の場合は、宇宙人に何かをされたなどという形式の認知になるという説がある[2]

金縛りは人類一般に見られる現象だが、各国の研究結果では国やエリアによって出現頻度にばらつきがあり、金縛りを夢の一種として認識する傾向のある北米エリアでの出現率は低く、金縛り現象に特定の名前がある国々では出現率が高い[1]。日本の調査でも「金縛り」を「一時的な麻痺」と言い換えて質問した場合、出現頻度が25パーセント低下した調査結果があり、金縛り体験は認知的枠組みによる影響が大きい現象と言える[1]
金縛りの前兆

金縛りはいきなり起こるわけではなく、前兆がある。およそ1?3キロヘルツ (kHz) の「ジーン、ジーン」「ゴーン」または「ザワザワー」というような幻聴と、強い圧迫感を伴う独特の不快な前駆症状の数秒後?数分後に、全身の随意運動が不可能となる。但し、この状態で意識が覚醒し予兆を感じた場合、無理に身体を動かすよう努める事により金縛りにならずに回避できる。しかし、前駆症状に気づいた時点で金縛りを回避しようと試みても、ほとんどの場合そのまま金縛りへと移行する。症状は数秒で収まるものから、30分以上に及ぶものもある。また、金縛りが解けてもすぐに前駆症状が現れ、再発することも多く、睡眠の妨げになることも多い。
金縛りの種類

金縛りには、大きく分けて、閉眼型と、開眼型の二種類が存在する。ほとんどは前者のもので、実際には閉眼しているにもかかわらず、金縛りがかかる直前の室内の風景や、普段の室内の記憶が鮮明な夢となって映し出される。しかし、本人が閉眼型だと認知していない場合がほとんどである。閉眼型の特徴として、などの幻覚が見えたりし、恐怖感を強く感じる場合が多いことが挙げられる。ちなみに、体外離脱はこれに分類され、思春期の女性に多い。

まれに開眼した状態での金縛りも存在する。開眼型の金縛りの特徴として、全身の随意運動を奪われるものの、嗅覚聴覚視覚(ただし多くの場合で眼球運動は不可能)、もしくは不随意が鮮明であり、金縛り状態のままテレビの視聴や車窓からの風景を鮮明に見ることも可能である。
科学的な金縛りの理由

睡眠障害のひとつであるナルコレプシーは、睡眠発作、脱力発作、睡眠麻痺、入眠時幻覚の4つの症状から構成される。このうち、睡眠麻痺、入眠時幻覚は人々が金縛りと呼んでいる現象と同一のものと考えられ[1]、健常者でも一定の条件で発生する。睡眠にはレム睡眠ノンレム睡眠があり、レム睡眠では目が覚醒時と同様の早さで動き、姿勢を維持する筋活動が極端に低下する。通常、人は寝入ると1時間程度のノンレム睡眠を経てからレム睡眠に移行するが、ナルコレプシー患者には覚醒状態から直接レム睡眠に移行する入眠時レム睡眠という睡眠パターンがあり、この時に睡眠麻痺、入眠時幻覚を体験するという[1]

入眠時幻覚は通常夢見体験として感じられる主観体験が、覚醒状態の意識と連続して感じられるために発生すると説明されている[1]。金縛りがナルコレプシーと同様の生理でおきるとするならば、夢見体験が不十分な脳の活性化によって起きる仮想体験であるのに対し、金縛りの入眠時幻覚は脳の活性が高い状態で起きる完成度の高い仮想体験と言える。また、金縛りに伴う恐怖感は、レム睡眠中に活性化する扁桃体によって喚起されると考えられる[1]

金縛りは、普段余り運動しない者が突然運動を行った場合などに起こりやすくなる。特に有酸素運動は金縛りを誘発しやすい。過酷な有酸素運動をしているスポーツ選手の中には、毎日のように金縛りに掛かる者も多い。また、旅行の移動中や宿泊地での金縛りも多い。これは、移動によって身体が疲弊しているのに対し、環境の変化などにより脳が興奮していることが影響している。その他、ストレスや肉体疲労が金縛りを引き起こすこと、体質的に金縛りに掛かりやすい(特に寝入りの悪い人)、事前に「このホテルは(幽霊が)出るらしいよ」などという噂話を聞く、就寝前に交感神経を刺激する行為を行う(例えば寝る直前に暗い部屋でスマートフォンの明るい画面を見続けた後に入眠しようとする)など、様々な理由がある。現在は金縛りの研究も進んでおり、閉眼型の金縛りは睡眠中に何度も起こすようなストレスを与えることで人工的に作り出すことも可能である[3]

レム睡眠時は脱力が起き、仰向け時に舌が下がり上気道を塞ぐため息苦しくなる。横向き寝の時は起こらない[4]
世界各国における金縛り

古来から世界各地で睡眠麻痺に関するさまざまな説明が伝わっている。代表的なものを以下に挙げる。

ラオスでは、睡眠麻痺は「ピー・ナム」として知られていた。これは睡眠中に幽霊のようなものが現れる夢を見て、幽霊が自分を押し付けているか、あるいは幽霊がすぐ近くにいるといったものである。通常、体験者は自分が目覚めているが、動くことはできないと感じている

中国では、睡眠麻痺は「鬼壓身」あるいは「鬼壓床」として知られる。これは文字通り訳せば「幽霊に抑えつけられた身体」あるいは「幽霊に抑えつけられた寝床」という意味になる。また、中国の少数民族であるミャオ族の文化では、睡眠麻痺は「圧しつぶす悪魔」(dab tsog)と呼ばれていた。睡眠麻痺の体験者はよく子供ぐらいの動物が自分の胸の上に乗っていると主張した。

ベトナムでは、睡眠麻痺は「マ・ブ」(ma ?e)と呼ばれ、これは「幽霊に抑えつけられた」ことを意味する。ベトナムの人々は幽霊が身体のなかに入り込み、それが麻痺状態を起こすと考えていた。

日本における「金縛り」という語は、時に英語圏の研究者によって学術論文などで使われることもある。

フィジーでは、睡眠麻痺は「カナテボロ (kana tevoro)」と呼ばれ、これは「悪魔に食べられる」ことを意味する。

ハンガリーの民俗文化では、睡眠麻痺は lidercnyomas (lidercの圧力) と呼ばれ、liderc (生霊)、 boszorkany (魔女)、 tunder (妖精) 、あるいは ordogszeret?(悪魔の恋人) などの超自然的存在によって引き起こされると考えられていた[5]


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