金管
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金管楽器(きんかんがっき)は、演奏者の唇の振動によって発音する管楽器群の総称であり、日本語の「喇叭(ラッパ)」に相当する。
目次

1 名称の由来

2 金管楽器の構造

2.1 円筒管と円錐管

2.2 倍音列以外の高さの音を得る方法

2.2.1 スライド

2.2.2 バルブ

2.2.2.1 コンペンセイティング・システム(自動補正装置)


2.2.3 スライドとバルブの得失


2.3 管体の材質と表面仕上げ


3 主な金管楽器

4 脚注

5 参考文献

6 関連項目

7 外部リンク

名称の由来

管体が主に真鍮(ブラス)で作られることに由来するが、広義には唇簧管楽器と同じ意味で用いられ、『金属』でできているかどうかによらない。例えばツィンクセルパン山伏の吹く法螺貝などはいずれも非金属で作られ、また軽量化やコスト低減などの理由で非金属素材を採用する楽器(スーザフォンブブゼラなど)もあるが、いずれもの振動で音を出すため金管楽器に分類される。逆にサクソフォンフルートは金属製のものが一般的であるが、発音に唇の振動を用いないため、木管楽器に分類される。
金管楽器の構造

金管楽器の構造は至って単純であり、息を吹き込む唄口(マウスピース)と、音量を増大させるための朝顔(ベル)を持ち、それらは円筒または円錐状の管で繋がれている。この状態では、音の高低を変えるための一切のしくみを持たないが、唇の状態と息のスピードによって、基音や倍音を切り替え、音の高さを変化させることができる。しかし、管は、長さ(及び開管であるか閉管であるか)と音の伝播速度によって共鳴する音の高さが決まっているため、その他の倍音列に挟まれた音を出すことができない。そこで一般に管楽器では、共鳴管の長さを変えることによって共鳴する音の高さを変え、様々な高さの音を得る。金管楽器でも古くは現在の木管楽器のような、管の途中にあけられた音孔により、音響学的な管の長さを短くすることによって、より高い様々な音を得た。現在では、スライドと呼ばれる二重の管の伸縮や弁(バルブ)といった管の長さを変えるための機構を備えることにより、倍音の単位より細かな音の高低の調節を可能にしている。

振動の元は奏者の唇であり楽器ではないという点において、金管楽器は楽器単体では楽器として完結していないと言える。木管楽器は楽器として完結しているので、ポンプ等で空気の流れを作り楽器に当てれば楽器としての音が出る。それに対し、金管楽器は奏者の唇と合体して初めて楽器として完結する。なお、音の源が人間の唇である為に、音色や音域(特に上限)は、奏者の習熟度や身体的特徴(唇の厚さ、顔面骨格、歯並びなど)に依存する要素が多いという見解が存在する[1]。その一方で、唇の厚さは関係が無いという見解も存在する[2]。音域の下限は楽器の大きさ(管長)で決まる。ひとつの音に対しても、その音程にはある程度の幅があり、鍵盤楽器の鍵盤のように固定された物と言えるほどではない。奏者の意図によって短い楽器では半音以上も音程を変化させることができる。

管を曲げることで、物理的な気柱の特質が変る為、さまざまな形態や調子が試みられ、現在も続いている。ホルンでは、異なる調子を持つ2本の管を一つの楽器に押し込めることが一般的となっている(ダブルホルン)。
円筒管と円錐管

金管楽器の、マウスピースに接続される、円錐状のマウスパイプ・ベルを結ぶ管の形状には、円筒(ストレート)管・円錐(テーパ)管があり、前者は両端の内径は同一であるが、後者は唄口の側から朝顔の側に向かって内径が少しずつ広がっている。

理論的には全てを円筒管で構成した楽器や、逆に円錐管で構成した楽器はあり得るが、実際の金管楽器は、マウスピースに近い方が円筒管か円筒管に近い円錐管、ベルに近い方が円錐管というように両者が組み合わされる。というのも、音高を変更するためのスライドやバルブの部分は途中で太さを変えるわけにいかないから全て円筒管で作られるし、ベルの部分はすなわち円錐管だからである。

円筒管は、一般に鋭く華やかな音質を生みだし、円錐管は、それよりは柔らかく丸みを帯びた音質を生み出すと言われるが、実際に音色に大きな影響を与えるのは円錐管の太さ、長さ、形状と、円筒管の太さであって、円筒管の長さはあまり音色に大きな影響を与えない。スライドやバルブによって管長を変えても音色を失わないのは、この性質のおかげである。
倍音列以外の高さの音を得る方法

現代の金管楽器における倍音列以外の高さの音を得るための仕組みには、スライド及びバルブによる方法がある。
スライド スライドの模式図

スライドは、音高を調節するための最も古い仕組みの一つで、二重にした管を伸縮させるものであり、その多くは平行に折り返されている。一般的なトロンボーンは、この仕組みを使用し、これによって3全音(6半音)下までの任意の音程を得ることができる。また、その他の金管楽器でも、音程の微調整のために備え付けられることが多い。
バルブ「バルブ」も参照

1814年にハインリッヒ・シュテルツェル(Heinrich Stolzel)が金管楽器用のバルブを発明した[3]。その後、様々な方式のバルブが提案され[4]、普及していった。現在では多くの金管楽器が何かしらのバルブを持ち、バルブを一つも持たないものは限定的である。 3つのバルブ



様々な組み合わせ





取り付けられるバルブの数は様々であるが、多くの金管楽器では3つを基本とし、幾つか追加される場合がある。通常右手だけで操作するが、ホルンやワグナーチューバは左手で操作する。またユーフォニウムの中には4番(第四)バルブのみ左手で操作するものがあり、チューバにもバルブがたくさんついていて左手を使うものがある。


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