金田一耕助
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金田一 耕助
金田一耕助像
倉敷市真備ふるさと歴史館
初登場『本陣殺人事件』(1946年)
最後の登場『悪霊島』(1979 - 1980年)
作者横溝正史
詳細情報
性別男性
職業私立探偵
国籍 日本
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金田一 耕助(きんだいち こうすけ)は、横溝正史推理小説に登場する架空の私立探偵

江戸川乱歩明智小五郎高木彬光神津恭介と並んで日本三大名探偵と称される[1]
作中の人物像
容姿

スズメのようなボサボサの蓬髪をしており、人懐っこい笑顔が特徴。顔立ちは至って平凡、体躯は貧相で、身長は5尺4寸(163.6センチメートルくらい)、体重は14貫(52キログラムくらい)を割るだろうという。自身の体格には劣等感を抱いており、それに関する記述は、『女王蜂』にて風呂場で筋骨隆々とした多門連太郎の裸体を見た時や『扉の影の女』で堂々たる風貌の金門剛に対面したときなど多々見受けられる。なお、小男と書かれることがあるが、当時としては身長は平均並みであり、中背で痩せ型というのが正確なところであり、むしろ平凡さが強調されている。

ほとんどの事件において観た目は35、6歳と記述され、齢五十を超えているはずの『病院坂の首縊りの家』でも見かけはほとんど変わっていない。『本陣殺人事件』など一、二の作を除いてはれっきとした中年男(当時としてはなおのこと)であるが、生活感が薄く書生気質を残している。

頭はフケ症で、服装は皺だらけの単衣の着物と羽織によれよれのを合わせ、形の崩れた帽子(お釜帽のイメージが強いが、パナマ帽中折れ帽などの時もある)を被り、足元は爪が飛び出しかかっている汚れた白足袋下駄履きが定番で、非常に清潔感が無い服装が特徴[注 1]。また寒い時期には羽織袴の上から上着(防寒着)に二重回し(とんび。袖なしのインバネスコートのこと。)を着こむ。これらの姿から『蝙蝠と蛞蝓』では「雰囲気がコウモリに似ている」と言われ、『悪魔の寵児』では「壮士芝居三枚目」と評された。捜査のため洋服変装することもあったが、「貧弱なサラリーマンにしか見えない」と等々力警部に笑われたり(『支那扇の女』)、「似合わない格好」だと揶揄されたりすることが多く、「これではこの男が洋服を忌避するのもむりはない」(『雌蛭』)などとも描写されている。なお、『蜃気楼島の情熱』では金田一自身が日本での生活における洋服の不合理性を列挙して和服主義の理由としている。

横溝は『本陣殺人事件』で金田一について、「この青年は飄々乎たるその風貌から、アントニー・ギリンガム君[注 2]に似ていはしまいかと思う」と述べている。明智小五郎のような颯爽とした名探偵のイメージとは一線を画した、先達ではブラウン神父、後年ではコロンボ警部に代表される、外見のさえない名探偵群の一人である。このような金田一のさえない恰好は、初対面の相手には年齢問わず、ほぼ例外なく侮られる傾向にある[注 3]。反面、非常に母性本能を刺激するもののようで、女性からの受けはとても良い。
所持品

事件のため遠出する際にはボストンバッグやかばんを提げて赴く(なお、石坂浩二の主演映画作品からトランクのイメージが強いが、これは映画オリジナルである)。復員直後の『百日紅の下にて』では雑嚢を持っており、金田一のデビュー作『本陣殺人事件』や『黒猫亭事件』などの初期の作品と、最後の事件となった『病院坂の首縊りの家』ではステッキを持っている。

探偵としての小道具として、虫眼鏡のほか、折りたたみナイフ(または小型の十徳ナイフ)、薄い手袋、小型で強力な懐中電灯などを常備している。犯人との対峙の際に、用心のため防弾チョッキを着込むこともあった(『病院坂の首縊りの家』など)。
言動

事件の本質に迫ったときや意外な事実を知ったときなど、興奮するとスズメの巣のようなモジャモジャ頭を毛が抜けるほどにバリバリと掻きまわし、言葉が吃りはじめる[注 4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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