この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: "金環蝕" 石川達三の小説
金環蝕
作者石川達三
国日本
言語日本語
ジャンル長編小説
発表形態雑誌連載
初出情報
初出『サンデー毎日』1966年
出版元毎日新聞出版
刊本情報
出版元新潮社
出版年月日1966年
総ページ数266
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示
『金環蝕』(きんかんしょく)は、石川達三の長編小説。1966年(昭和41年)に『サンデー毎日』で連載され、同年に単行本として刊行された。九頭竜川ダム汚職事件をモデルに、保守政党の総裁選挙に端を発した汚職事件を描いた。表題の意味は、「外側はきらびやかに見えるが、中身は真っ黒に腐っている」という比喩である。1975年(昭和50年)に山本薩夫監督によって映画化された。 1964年(昭和39年)夏、与党・民政党の総裁選挙が行なわれ、現総裁にして内閣総理大臣の寺田政臣と最大派閥の領袖・酒井和明の一騎討ちとなった。数で劣る寺田総理が率いる寺田派は党内切っての実力者で副総理・広野大悟の派閥と協調して必勝を図った。その段階において両陣営とも票集めに10億円以上の実弾を投入した。中には広野派の神谷直吉代議士のように両陣営からちゃっかり戴く者もいた。激烈な選挙は僅差で寺田の三選で幕を閉じた。 それから数日後、金融業を営む石原参吉の元に内閣官房の西尾貞一郎が訪れ、星野康雄官房長官(寺田派)の名刺を持参したうえで秘密裏に資金を用立てて欲しいと告げる。ところが石原はこの申し出を断るものの星野の名刺を持ち去る。金融王として裏の世界を渡り歩いた石原は直感的に星野の周辺に何らかの疑惑があることを思いつき、星野の周辺を洗い出し始めた。その過程で寺田総理の郷里・九州の福流川ダム建設を目論む竹田建設と発注元の電力開発株式会社(小説では電力建設株式会社)若松圭吉副総裁の一派の談合と汚職の存在が浮かび上がる。 そして竹田建設は寺田派の有力献金企業であった。青山組への受注を目論む財部賢三総裁が唯一のネックとなった竹田建設は若松副総裁を中心に財部追い落としを図り、財部は電力開発の所轄官庁である通産省の大川大臣により引導を渡され数日後に辞任する。その結果、新総裁に技術畑の松尾芳之助が就任。一気に流れは竹田建設へと流れ、談合の末に福龍川ダム工事を受注する。ここに竹田建設・電力開発・寺田派の汚職構図が完成する。 受注を手放しで喜んだ竹田建設は星野官房長官を通じて多額の賄賂を寺田に渡す。 金環蝕 『金環蝕』(きんかんしょく)は、1975年(昭和50年)9月6日公開の日本映画。大映映画製作、東宝配給。監督は山本薩夫。カラー、スタンダード、155分。第49回キネマ旬報ベスト・テン第3位。
ストーリー
映画
監督山本薩夫
脚本田坂啓
製作徳間康快
伊藤武郎
出演者仲代達矢
宇野重吉
三國連太郎
京マチ子
音楽佐藤勝
撮影小林節雄
編集鍋島淳
製作会社大映映画
配給東宝
公開 1975年9月6日
上映時間155分
製作国 日本
言語日本語
テンプレートを表示
スタッフ
監督:山本薩夫
製作:徳間康快、伊藤武郎
脚本:田坂啓
撮影:小林節雄
音楽:佐藤勝
美術:間野重雄
助監督:後藤俊夫
キャスト
星野康雄(官房長官):仲代達矢 - 黒金泰美がモデル
石原参吉(金融王):宇野重吉 - 森脇将光がモデル
神谷直吉(陣笠代議士):三國連太郎 - 田中彰治がモデル
朝倉節三(竹田建設専務):西村晃 - 渡辺喜三郎(鹿島建設副社長)がモデル
古垣常太郎(日本政治新聞社社長):高橋悦史 - 倉地武雄(言論時代社社長)がモデル
松尾芳之助(電力開発後継総裁):内藤武敏 - 吉田確太(電源開発後継総裁)がモデル
財部賢三(電力開発総裁):永井智雄 - 藤井崇治(電源開発総裁)がモデル
古垣欣二郎(常太郎の異母弟):峰岸徹 - 倉地の三男がモデル
若松圭吉(電力開発副総裁):神山繁 - 大堀弘(電源開発副総裁)がモデル
西尾貞一郎(内閣秘書官):山本學 - 中林恭夫(池田勇人首相秘書官事務取扱)がモデル
神原孝(法務大臣):大滝秀治 - 高橋等がモデル
大川吉太郎(通産大臣):北村和夫
斎藤荘造(幹事長):中谷一郎 - 田中角栄がモデル
滝井検事総長:加藤嘉 - 馬場義続(検事総長)がモデル
小島(電力開発理事):根上淳
小坂老人(花柳界の情報屋):吉田義夫
小野(有力紙記者):鈴木瑞穂
島田(有力紙記者):前田武彦
宗像(電力開発技師):福田豊土
早川義信(衆議院決算委員長):嵯峨善兵
寺田政臣(首相):久米明 - 池田勇人がモデル
酒井和明(後継首相):神田隆 - 佐藤栄作がモデル
正岡(電力開発理事):高城淳一
中村(電力開発理事):五藤雅博