金沢弁
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この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2008年4月)

金沢弁(かなざわべん)は、石川県金沢市およびその近郊で話されている日本語の方言である。北陸方言加賀方言の一種。金沢言葉(金沢ことば)とも言うが、「金沢言葉」は特に旧市街の花街を中心に発達した接客言葉を指す。
概要

他の北陸の諸方言と同様、近畿方言の影響を受けつつ、雪国の城下町という特性のなかで発達してきた方言である。そのため、文法や語彙に近畿方言と共通するものが少なくない一方、独特の敬語表現や柔らかな表現が発達している。しかし、共通語化で金沢特有の敬語表現は衰退しており、1990年代の市民アンケートでは高齢層の70%が金沢弁を「丁寧」と評価する一方、壮年層では26%となっている[1]。北陸は方言コンプレックスが強い地方で、先のアンケートでも「金沢が好きか嫌いか」という問いでは「好き」が約80%なのに対し、「金沢の方言が好きか」という問いには「好き」が47%、「どちらとも言えない」が45%だった[1]。外部への方言のアピールも消極的で、都市の知名度と比べて金沢弁は全国的にマイナーな存在だったが、2015年の北陸新幹線延伸を前後して観光客向けに方言を活用する動きが盛んになった[2]

金沢は加賀藩のお膝元だったため、金沢弁は加賀藩領だった地域の方言に大なり小なり影響を及ぼした。富山弁(特に呉西地方)と金沢弁で共通する表現が多いのはそのためである。現在も金沢で使われる言葉は地域共通語として県内で影響力があり、県南端の白山麓でも若い世代では共通語化とともに金沢方言化の動きが見られる[3]。1970年頃には金沢を中心とする方言圏の南限は野々市周辺とされていたが、2000年代には松任周辺に南下している[4]。ただし、金沢弁とはあくまで金沢という石川県内の一地域の方言であり、「石川県の方言=金沢弁」と一括りにするのは誤りである。
音声

語頭以外のガ行音は
鼻濁音になる(二俣と田島を除く)[5]

「え」の発音は共通語よりも前寄りで、「い」は口蓋化が少ない。そのため、「え」と「い」の発音が近く、話者や単語によっては両者の区別が曖昧になることがある[6]

能登や富山の一部と違って「し・す」「じ・ず」「ち・つ」を区別するが(四つ仮名も参照)、「い」の口蓋化の少なさと「う」の中舌化によって両者の音の違いは小さい[6]

意味に関係はしないが、母音を単独で発音する際に声門破裂音が伴う[6]

「ぜ」「せ」は語頭では「ずぇ」「すぇ」、語中では「じぇ」「しぇ」のように発音される[6]。例:すぇんしぇー(先生)[6]

「か」「が」と合拗音「くゎ」「ぐゎ」を区別するが、語中・語尾で合拗音が現れることは少ない[6]。大正以後に生まれた人は合拗音の使用が少ない[6]。例:家事[kazi] ≠ 火事[kwazi]

「つぁ」「つぇ」「つぉ」の発音がある[6]。例:おとっつぁん(お父さん)、いっつぇん(一膳)、はっつぉ(初穂)[6]

近畿方言と同じく、1音節の名詞を伸ばす傾向がある[6]。例:目ぇ、手ぇ

「い」「う」で終わる名詞に格助詞「が」や助動詞「や」などが付く時や、「る」で終わる動詞の終止形に助詞が付く時に促音化が起こる[6]。例:柿が→かっきゃ、柿やがいね→かっきゃがいね(柿だよ)[6]例:すると→すっと[6]

指示語の「そ」が「ほ」になることがある。例:ほーや(=そうだ)、ほして(=そして)、ほーねんて(=そうなんだよ)

ワ行エ段(英語のwestの語頭のような発音)の終助詞がある。詳しくは「助詞」の項目を参照。

文末が「ん」で終わる傾向が強い。詳しくは「助詞」の項目を参照。

アクセントは京阪式アクセント東京式アクセントの中間的なアクセントである。例えば、「犬」では京阪式と同じく「い」にアクセントがくるが、「山」では東京式と同じく「ま」にアクセントがくる。はたまた「風」では、京阪式や東京式では平板に発音するのに対して、金沢弁では「ぜ」にアクセントを付けて発音する。詳しくは加賀弁#アクセントを参照。

語尾や会話の区切りで、伸ばされる音のイントネーションが一瞬でずり上がって下りる抑揚が現れる。このうねりは北陸一帯特有のもので、「間投イントネーション」や「ゆすりイントネーション」などと呼ばれる。共通語化が進む若い世代も多用する。例:ほんでぇえ(=それで)、?やけどぉお(=?だけど)若い世代の例:あのぉんねぇ(=あのね)、えっとぉんねぇ(=えっとね)

文法

意味が損なわれない範囲で助詞、主語、人称などが省略されることが多く、言葉が並んで文を成す傾向がある。[要出典]
用言の活用

動詞の活用[5]未然(否定)未然(意志)連用終止・連体仮定命令
五段聞くきか-んきこーきき-みすきくきけゃきけま/きこ
上一段見るみ-んみょーみ-まっしみるみれゃみーま/みょ
下一段開けるあけ-んあけょーあけ-まっしあけるあけれゃあけま/あけょ
カ変来るこ-んこーき-まっしくるくれゃこい/こー
サ変するせ-ん/し-んしょーし-まっしする/しるすれゃ/しれゃせーま/せー
可能動詞書けるかけ-んかけょかけ-みすかけるかけれゃ×


ア・ワ行五段動詞の連用形に「て」「た」が続く際にウ音便が起こる[6][5]。連用形ウ音便からの類推で「こわにゃ(買わねば)」「もろわん(貰わない)」「もろました(貰いました)」など他の活用形がウ音便風になることもある[5]。例:ゆーた(言った)、こーた(買った)、ひろーた(拾った)[7]、もろた(貰った)、おもた(思った)[8]

高齢層(1959年時点)ではサ行五段動詞の連用形に「て」「た」が続く際にイ音便が起こるが、「貸す」「足す」「増す」「消す」「押す」「のす」「燃す」「よす」はイ音便にならない(「貸す」「押す」以外は元々金沢ではあまり使われない動詞)[6]。例:ほいた(干した)、ふやいた(増やした)、けやいた(消やした)、もやいた(燃やした)[6]

連用形(伸ばすことが多い)を命令表現に使うことがある。例:しーね(しなさいね)、しーま(しなさいと言ってるでしょうが)、しーや(しなさいよ)、しーねま(しなさいねと言ってるでしょうが)

形容詞の活用[9]終止・連体過去仮定連用+て連用+ない連用+なる副詞的修飾
終止形2モーラ無いないなかったなけりゃのーて×のーなる/ないがになる×
良いいいよかったよけりゃよーてよーないよーなるいいがに
濃いこいこーかったこーけりゃこーてこーないこーなるこーらと/こいがに
終止形3モーラ以上
語幹末a以外低いひくいひくかったひくけりゃひくてひくないひくなるひくらと/ひくいがに
おとなしいおとなしいおとなしかったおとなしけりゃおとなしておとなしないおとなしなるおとなしらと/おとなしいがに
終止形3モーラ以上
語幹末a高いたかいたかかったたかけりゃたこてたこないたこなるたこらと/たかいがに
短いみじかいみじかかったみじかけりゃみじこてみじこないみじこなるみじこらと/みじかいがに


連用形でウ音便が起こるが、短音になる[6](2モーラの形容詞は長音[9])。語幹末がaの場合はウ音便に世代差があり、「暗くて」を例にすると高齢層では「くろ(ー)て」、若年層では「くら(ー)て」のようになる(1959年時点)[6]。シク活用の形容詞のウ音便は「いそがして」(忙しくて)のように拗長音化させないことが多い[5]。若い世代(1983年時点)では「連用形+て」をウ音便ではなく「あかかって」のように言うことが多い[5]


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