金子隆一_(写真史家)
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金子 隆一(かねこ りゅういち、1948年5月18日[1] - 2021年6月30日[2])は、日本の写真史家、写真評論家写真集コレクター、キュレーター。本職業は僧侶東京都台東区の「正行院」住職[2]
来歴

東京都出身[1]。東京都台東区谷中の慈雲山正行院にて、住職金子善英と母英子の長男として生まれる。1967年、立正大学文学部地理学科入学、写真部に入部、全日本学生写真連盟(「全日」)の活動に参加する。当時「全日」の指導者は写真評論家の福島辰夫であった。

このころ、ウィリアム・クラインの『ニューヨ?ク』、細江英公の『おとこと女』、森山大道の『にっぽん劇場写真帖』など初めて写真集を購入。後年国内外で著名な写真集コレクターになるが、その一歩を踏み出す。

大学卒業後、フォト・ギャラリープリズムに出入りし、そこで島尾伸三、築地仁、平木収谷口雅等と知り合う。フォト・ギャラリープリズムは、1976年に開廊した、PUT、CAMP等とともに自主ギャラリー運動のなかででてきたギャラリーであった。

1979年、谷口雅、島尾伸三、築地仁と共に、『camera works tokyo』を刊行。最終的に12号まで出版する。

1985年、つくば万博(国際科学技術博覧会)に合わせて開館した「つくば写真美術館'85」の立ち上げに参加。

1988年より、東京都写真美術館開館準備室にて、開館準備に従事。同美術館の1990年第一次開館、1995年総合開館以降、同美術館専門調査員として、2015年に退任するまで数多くの展覧会企画を手がける。また、同館以外の国内外の様々な写真展を企画、協力、展覧会カタログへの寄稿をしている。

2001年4月より武蔵野美術大学芸術文化学科にて非常勤講師を勤め、2019年3月に定年退職[3]

2006年4月、東京綜合写真専門学校理事長就任(2017年退任)。

日本写真史、特に、日本の芸術写真ピクトリアリスム)の研究について第一人者として知られた[4]

2021年6月30日、くも膜下出血のため死去[2][4]。73歳没。
主要著書

『日本近代写真の成立』/
柏木博伊藤俊治、長谷川明と共著/青弓社/1987年

『インディペンデント・フォトグラファーズ・イン・ジャパン』 1976‐83/島尾伸三、永井宏と共編/東京書籍/1989年

『写真展 シュルレアリスト 山本悍右―不可能の伝達者―』/ジョン・ソルトと監修/東日本鉄道文化財団/2001年

『復刻版NIPPON』(全3期)/金子隆一監修/国書刊行会/2002年?2005年/

The History of Japanese Photography/Dana Friis-Hansen、Anne Tucker、John Junkerman、竹葉丈飯沢耕太郎木下直之と共編著/Yale University Press/2003年/ISBN: 0300099258

『日本写真史の至宝』(全6巻・別巻1)/国書刊行会/2005年?2007年/(飯沢耕太郎と共同で監修)

『日本写真集史 1956-1986』(著者:金子隆一/アイヴァン・ヴァルタニアン、発行:赤々舎)

Japan's Modern Divide: The Photographs of Hiroshi Hamaya and Kansuke Yamamoto/編集:Judith Keller、Amanda Maddox、寄稿:金子隆一、飯沢耕太郎、Jonathan M. Reynolds/J・ポール・ゲティ美術館/2013年

『日本は写真集の国である』金子隆一著、築地仁監修/梓出版社/2021年

トークショーなど

トークショー 金子隆一×町口覚×鈴木芳雄 「識者3人が大いに語る『写真集談義―作る(町口覚)・見る(鈴木芳雄)・集める(金子隆一)』」

2010年4月6日(火)19:00?21:00(開場18:30?)

青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山

紹介(本人の写真有)


中山岩太展 Iwata Nakayama Portfolio 2010 オープニングイベント・レクチャー

2011年10月8日(土) 17:00-18:00

会場: MEM


講演「The Japanese Photobooks」

2019年11月6日

会場:ボンバス・ヘンス・アートセンター、バレンシア、スペイン


脚注^ a b 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.477
^ a b c 訃報:金子隆一さん 73歳=写真史家 毎日新聞 2021年7月10日
^ 来年度から武蔵野美術大学映像学科大学院で、定年退職される金子隆一さんを引き継ぐかたちで、非常勤講師として写真について(私の場合なので、写真に隣接する映像表現や現代美術も含みます)教えることになりました。これからも精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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