金剛杖
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杖(つえ、英語: walking stick)とは、体を支え、歩行の助けとするために用いられる細長くまっすぐな、で持つのに適した道具[1]。長くて自分のの長さ程度のもので、木製、竹製である場合が多いが[1]、稀に象牙金属で作られることもある。英語におけるwandは魔術などとのかかわりで伝説物語に登場することが多いが、元来は農具だったといわれる。転じて「 杖にすがる」、 「転ばぬ先の杖」、頼りにするもの意味で「老後の杖とする」 というような用いられ方をする。

古いタロットカードの図柄に、硬貨と並んで杖がモチーフとして使われているが、それぞれに聖職者商人騎士農夫を意味している。杖は、農夫の道具で、これでの土を掘り起こしていた。この杖、ワンドと呼ぶものは、現在のトランプでは「クラブ」(クローバとも)に取って代られた。

また白杖視覚障害者の安全の確保のためにも用いられる。
目次

1 象徴

1.1 権威

1.2 宗教

1.2.1 仏教における杖

1.2.2 キリスト教における杖


1.3 魔術


2 用途

2.1 礼装

2.2 介護

2.3 登山

2.4 技芸

2.5 奇術

2.6 武具

2.7 刑具


3 仕掛け杖

4 備考

5 脚注

6 関連項目

象徴
権威

国賓皇族などを外国から招いたときに、儀仗隊の閲兵(栄誉礼受礼)などが行われるが、部隊を統率する士官が、象徴的な杖を手にして、統率する。メイス(mace、元は中世では敵のかぶとを叩き割るのに用いられたのこと)といわれるが、これも短い象徴的な装飾のある杖の一種で、中世のヨーロッパでは、君主や宗教的な指導者が、その権威の象徴として手にしたこともある。また、古代ローマ以来の伝統として軍司令官に授与される元帥杖も存在するが、これは一般的な杖よりさらに短いバトンである。

この杖の現代における後身のひとつは、オーケストラ指揮者タクトである。
宗教
仏教における杖

修行や、修験者が持つ杖を錫杖(しゃくじょう)という。

また四国八十八カ所などの巡礼の遍路が持つ杖を金剛杖(こんごうじょう、こんごうづえ)または遍路杖(へんろじょう)という。杖は卒塔婆の意味に加え弘法大師の身代りとの意味も持つという。札所には険しい山中にある寺もあるので実用的な登山用としての杖の機能も果たす。

また、山岳信仰の有る地域では八角柱の杖が販売されている。乗鞍岳などでは土産物などとしても販売されている。
キリスト教における杖 祭服を完装した状態のブルガリア正教会主教ミトラを被り、権杖を持っている。

キリスト教においては、高位聖職者がその位を象徴する杖を用いる。訳語の違いのみならず、形状もそれぞれ異なる。

正教会では主教掌院権杖(ジェズル)を保持する。

カトリック教会では司教司教杖を保持する。

聖公会では主教牧杖(パストラルスタッフ)を保持する。

プロテスタントではふつう、こうした位を象徴する杖は用いられない。

魔術

魔女魔法使いに特有の魔法の呪文に対してより効力を持たせるための小道具として「魔法の杖」が登場する。ただし、その大半は文学的な脚色が少なくない。

各種のファンタジー作品においては、魔法使いを象徴する道具のひとつとして用いられる事が多い。コンピュータゲームテーブルトークRPGなどで複数の種類が登場する際には、形状や大きさによって「ワンド」「ロッド」「スタッフ」などに分類される場合もある。

また、魔法少女を題材とする作品においては、変身する際の魔法の道具の一種として「マジカルステッキ」が登場する。この場合には、ステッキの用例が比較的多いが、前述のようにロッドなどの用例も見られる。
用途 より安定性が増す四点杖 刃が飛び出す杖
礼装

モーニングコート燕尾服を着用するときは、礼装として帽子と杖をセットで用いていた。黒檀等の黒系統の棒に純銀や象牙の握りのついたものが正式かつ主流。装飾品として望遠鏡の付いた物など手作りを生かした個性的な物が数多く存在した。
介護

老人などが持つ歩行杖のほか医療用の松葉杖ロフストランドクラッチも)杖の一種である。こちらは、最近は折りたためるものも出ている。なお、接地点の数を複数にした三点杖(三点支持杖)や四点杖(四点支持杖)もある。杖に肘当てがついた杖もある。
登山

近代の登山ではピッケルを杖代わりに使用する。現代では主に伸縮機能のあるストック(登山用)が使用されている。軽登山用のストックはトレッキング・ポールと呼ばれる。山岳信仰での杖は#仏教における杖を参照。
技芸

スイングジャグリングの道具として、木製・金属製・プラスチック製の杖が用いられる場合がある。暗闇での演出効果を高めるため、杖に照明が施されることもある。この種の技芸はスタッフトワリング(Staff twirling)と呼ばれる。
奇術

杖はマジシャン奇術を演じる際において、カード(トランプ)やコインハンカチと並び、ポピュラーな道具として知られている。上記項目「魔女・魔術的な使用」にあるように、古来より魔法使いを表現する際には大抵の場合において杖が用いられるため、奇術の神秘性を演出するアイテムとして使用される事もある。

また、この場合、杖は専門用語で「ケーン」と呼称される。なお、短いタイプになると「ウォンド」と呼称される場合も有る。また「ステッキ」でも間違いではないが、この場合は奇術に使用するもの以外の杖も含まれるため、舞台上において奇術の観覧客に対してケーンやウォンドを指す際の呼称としてしか使われる事は無い。
武具詳細は「杖術」および「杖道」を参照

棒は武術において重要なものであり、を用いた護身術武術も編み出されている。杖そのものに寸鉄を帯びることがなくとも、打撃と突きが可能であることから、有効な攻撃手段としてなりうることが立証されている。

ステッキを使った武術は「ステッキ術」「洋杖術」と呼ばれることがある。


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