児童福祉施設(じどうふくししせつ)とは、児童福祉に関する事業を行う各種の施設である。児童福祉施設は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)をはじめとする法令に基づいて事業を行う。児童福祉施設は、国(国立病院機構を含む独立行政法人を含む)、都道府県、市町村(地方独立行政法人を含む)が設置できるほか、社会福祉法人等の者が設置することもできる。目次 児童福祉施設の種類は、児童福祉法の第7条に列記され、第36条から第44条の2までに施設概要が述べられている。
1 児童福祉施設の種類
2 入所と費用
3 建築基準法上の児童福祉施設等
4 脚注
5 関連項目
児童福祉施設の種類
助産施設(第22条)
妊産婦が、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない場合において、その妊産婦から申込みがあつたときは、その妊産婦に対し助産施設において助産を行わなければならない。助産施設は、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて、助産
乳児院(第37条)
乳児院は、乳児を入院させてこれを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。児童福祉法において乳児とは1歳未満の者を指すが、乳児院では、必要がある場合、小学校入学前の児童までを養育できる。かつて孤児院と呼ばれたように、以前は戦災孤児や捨て子等が入所児の大半であったが、現在の入所理由は、虐待、婚姻外出産、母親の病気、離婚や死別等で母親がいない、子ども自身の障害等である。乳児院に入所していた子どもは、その後、両親や親族の元へ引き取られたり、養子縁組等で里親の元へ引き取られるが、それが無理な場合は、小学校に入学するまでに児童養護施設へ措置変更となる。厚生労働省の調査によると、2017年3月31日現在、全国で138の施設があり、約2,000人の児童が入所している[1]。
母子生活支援施設(第38条)
母子生活支援施設は、母子家庭の母と子(児童)を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。かつては母子寮と呼ばれていたが、1998年から現在の名称に改められた。厚生労働省の調査によると、2017年3月31日現在、全国で234の施設があり、約1,600世帯が入所している[1]。
保育所(第39条)・幼保連携型認定こども園(第39条の2)
保育所は、保護者の委託を受けて、保育を必要とするその乳児又は幼児を保育することを目的とする通所の施設。入所条件にかつては「保育に欠ける」とあったが法改正で「保育を必要とする」と改まった。保護者の共働きが主な入所理由だが、就労していなくても、出産の前後、疾病負傷等、介護、災害の復旧、通学、等で「保育を必要とする」と市町村が認める状態であれば申し込むことができる。ただ、施設の定員等の関係上、どの保育所にも通うことができない児童、いわゆる待機児童が発生している地域がある(待機児童の数は、2017年6月2日現在、日本全体で約23,553人であることが、厚生労働省の調査により分かっている[5]。)。また、現在は通所の利用だけでなく、「一時預かり」を実施している保育所もある。この場合、利用日数に上限はあるが就労等の利用条件はない。また、幼稚園は、学校教育法に基づき、満3歳以上の幼児に対して就学前教育を行うことを目的とする施設だが、2006年に成立した就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(認定こども園法)により、幼稚園と保育所との機能を併せ持つ認定こども園の設置が可能となった。厚生労働省の調査によると、2012年3月31日現在、全国で23,685の保育所があり、約218万人の児童が通所している[6]。
児童厚生施設(第40条)
児童厚生施設とは、児童遊園、児童館等児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情繰をゆたかにすることを目的とする施設。厚生労働省の調査によると、2017年3月31日現在、全国で4,512の児童館、2,445の児童遊園がある[1]。