重イオン研究所(じゅうイオンけんきゅうじょ、ドイツ語: GSI Helmholtzzentrum fur Schwerionenforschung GmbH)は、ドイツ連邦共和国のダルムシュタットにある原子核物理学、素粒子、生物物理学、核化学に関する研究施設である。GSIと略される。
高エネルギー加速器による学術研究、重イオンビームを用いた癌治療に関する研究が主に行われている。研究所は連邦政府、ヘッセン州およびEUから拠出される資金により運営されている。研究所の株主はドイツ連邦共和国が90%、ヘッセン州が10%となっている。 1969年12月に設立され、以来世界各国から合計年間約1200人の研究者が研究設備を利用している。
概要
今後は、加速器のビームの強度を高め、さらなる未知の原子核の合成、反物質のビームの研究などを計画している。
将来的にFAIR(Facility for Antiprotons and Ions Research)と呼ばれるRIビームの13カ国(オーストリア、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、イタリア、ルーマニア、ロシア、スロベニア、スウェーデン、イギリス、スペイン、ポーランド)が参加する国際組織を構築する計画である。 重イオン研究所において、線形加速器(UNILAC)および高エネルギー重イオン加速器により以下の原子核を合成し、新元素発見として認められた。これらの元素のうちハッシウム(ヘッセン州)およびダームスタチウム(ダルムシュタット)は研究所の所在地にちなんで名称が与えられた。
新元素発見
原子番号107番ボーリウム:1981年
209Bi + 54Cr → 262Bh + 1n
原子番号108番ハッシウム:1984年
208Pb + 58Fe → 265Hs + 1n
原子番号109番マイトネリウム:1982年
209Bi + 58Fe → 266Mt + 1n
原子番号110番ダームスタチウム:1994年
208Pb + 62Ni → 269Ds + 1n
原子番号111番レントゲニウム:1994年
209Bi + 64Ni → 272Rg + 1n
原子番号112番コペルニシウム:1996年
208Pb + 70Zn → 277Cn + 1n
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