酸素呼吸
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ドラマ『ドクター・フー』の1エピソードについては「ドクター・フー」をご覧ください。

SUPER BEAVERのシングル曲については「深呼吸 (SUPER BEAVERの曲)」をご覧ください。

この項目では、生物の呼吸について説明しています。

菅田将暉のシングル曲については「呼吸 (菅田将暉の曲)」をご覧ください。

それ以外で呼吸と呼ばれるものについては「換気」をご覧ください。

外呼吸のガス交換の概略図(分圧単位:kpa、7.5倍するとmmHgの値)。酸素(O2)を含んだ空気を吸気し、細胞呼吸で酸素が減り二酸化炭素(CO2)が多くなった血液と空気の間でガス交換し、呼気として吐き出す。

生物における呼吸(こきゅう)は、以下の2種類に分けられる[1]
細胞呼吸(または内呼吸):血液細胞とのガス交換。細胞が最終二酸化炭素 (CO2) を放出する異化代謝系。

外呼吸:空気と血液とのガス交換。多細胞生物体が外界から酸素を取り入れ、体内で消費して二酸化炭素 (CO2) を放出すること。

細胞呼吸については、広義には最終電子受容体として酸素を用いない『嫌気呼吸』もその意味合いに含まれるが、通例では呼吸とは酸素を用いる好気呼吸(こうきこきゅう)として用いる。
目次

1 細胞呼吸

1.1 細胞呼吸の代謝系

1.2 細胞呼吸によるATP生成量


2 外呼吸

2.1 生物の呼吸

2.2 ヒトの呼吸

2.2.1 呼吸数

2.2.2 呼吸の型と割合

2.2.3 異常呼吸の種類[11]



3 脚注

4 関連項目

5 外部リンク

細胞呼吸 好気呼吸の概略図

酸素は地球誕生時大気には今より少ない濃度しか存在していなかった。しかし、植物のような光合成を行うものが出現したことで大気には徐々に酸素が蓄積された。

本来、酸素は強い酸化力をもった性の強い気体である。しかし、一部の生物は酸素を利用した酸化過程を通じて大きなエネルギーを利用できるようになった。現在、酸素を利用した代謝のできる生物は細胞内のミトコンドリアにより炭水化物を酸化し、最終産物として二酸化炭素 (CO2) と水を排出する。青酸シアン化水素酸)はミトコンドリアの電子伝達系を阻害するため、好気的な生物にとって猛毒である。狭義には好気呼吸(こうきこきゅう)、酸素呼吸(さんそこきゅう)など酸素を用いる呼吸となる。広義には細胞の行う異化代謝系すべてを指すが、狭義に用いられる場合が多い。
細胞呼吸の代謝系

呼吸代謝には大きく分けて以下の3つの代謝が関わる。糖類はこれらの代謝系によって二酸化炭素 (CO2) および水にまで分解され、その過程でATPが生産される。
解糖系
細胞質基質で行われる酸素を使わない糖の酸化過程。
クエン酸回路
ピルビン酸などから変換されたアセチルCoA二酸化炭素に分解する酸化過程。真核生物ではミトコンドリア基質で、原核生物では細胞膜近辺で行われる。
酸化的リン酸化
NADHなどの水素受容体を酸化し、酸素に電子を伝えて水を生成する過程を電子伝達系と呼ぶ(光合成の電子伝達系と区別するため、呼吸鎖とも呼ばれる)。それと共役してATP合成酵素によりATPが生成する。真核生物ではミトコンドリア内膜で、原核生物では細胞膜で行われる。高校の生物では「酸化的リン酸化」という言葉を用いず、呼吸鎖とATP合成酵素反応全体を含めて「電子伝達系」と呼ぶ。

なお、脂肪酸などの有機酸の酸化においては、解糖系の代わりにβ酸化(大部分の反応がミトコンドリア基質で行われる)がかかわる。
細胞呼吸によるATP生成量

以下にグルコース1分子を代表として、ミトコンドリアを有する真核生物の細胞呼吸における物質の収支を示す(高エネルギーリン酸結合形成における脱水と、NADHを除くpHバランスに伴うプロトンの収支は省略)。


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