酸化還元
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酸化還元反応の例。水素は酸化され、フッ素は還元されている。

酸化還元反応(さんかかんげんはんのう)とは化学反応のうち、反応物から生成物が生ずる過程において、原子イオンあるいは化合物間で電子の授受がある反応のことである。英語表記の Reduction / Oxidation から、レドックス (Redox) というかばん語も一般的に使われている。

酸化還元反応ではある物質の酸化プロセスと別の物質の還元プロセスが必ず並行して進行する。言い換えれば、一組の酸化される物質と還元される物質があってはじめて酸化還元反応が完結する。したがって、反応を考えている人の目的や立場の違いによって単に「酸化反応」あるいは「還元反応」と呼称されている反応はいずれも酸化還元反応と呼ぶべきものである。酸化還元反応式は、そのとき酸化される物質が電子を放出する反応と、還元される物質が電子を受け取る反応に分けて記述する、すなわち電子を含む2つの反応式に分割して記述することができる。このように電子を含んで式化したものを半反応式、半電池反応式、あるいは半電池式と呼ぶ。目次

1 酸素が関与する酸化還元反応

2 酸素が関与しない酸化還元反応

3 酸化数

4 酸化還元電位

5 脚注

6 関連項目

酸素が関与する酸化還元反応

狭義には酸化あるいは還元とは金属と酸素との化学反応を示す呼称であった。例えば、金属空気中の酸素と徐々に反応し、表面は褐色の酸化銅(II) (CuO) に変化する。酸化銅(II)は高温で炭素と反応させると酸素が奪われて元の金属銅に変化する。前者を酸化といい後者を還元と呼ぶ。このとき、銅を中心に反応を見ているわけであるから、銅を酸化する物、すなわち酸素は酸化剤である。また、酸化銅(II)を還元して金属に戻す炭素は還元剤になる。一方で酸素分子の立場から見ると、前者の銅の酸化反応では、酸素分子は最終的に酸化銅(II)に含まれる酸化物イオンとなり還元されている。すなわち酸素の酸化数は0から-2に変化しており、このとき金属は酸素に対して還元剤として働いているとみなせる。また、後者の酸化銅(II)の還元反応では、炭素は最終的に二酸化炭素になり、炭素の酸化数は0から+4に酸化されている。すなわちこのとき酸化銅(II)は炭素に対して酸化剤として働いている。前者の反応は電子反応論に立つと、金属銅は電子を2個失い、同時に酸素(原子)は金属銅からその2個の電子を受け取ってオクテット則を満たす酸化物イオンとして安定化されている。したがって、酸化還元反応とは、単なる酸素原子の授受に限らず、次に述べるように、物質間の電子の授受を伴う反応であると広義に考えることができる。今日では、この広義の定義が広く用いられている。
酸素が関与しない酸化還元反応

酸素が関与しない反応で、酸化還元電位(平たく言えばイオン化傾向)の差によって自発的に金属が析出する反応がある。例えば以下の反応である。 C u 2 + + Z n → C u + Z n 2 + {\displaystyle {\rm {Cu^{2+}+Zn\rightarrow Cu+Zn^{2+}}}}

これも酸化還元反応で、金属亜鉛は電子を失って亜鉛イオンとなり、銅イオンは電子を受け取って金属銅になっている。したがって、酸素の授受のない反応にも酸化還元反応を拡大すると、その本質は電子の授受にあるということができる。他にも、酸素も金属も関与しない反応で電子の授受を伴う反応が多数存在し、それら全てを含めて酸化還元反応という概念で理解されている。酸素や金属が関与する反応は、膨大な酸化還元反応のうちごく一部でしかない。
酸化数

この様に酸化還元反応では、失う側の電子の数と受け取る側の電子の数は一致するので、化学当量の式で表すことができる。このとき、各元素酸化数 (oxidation number) という概念を導入すると、当量関係の把握が容易になる。つまり、酸化還元反応の前後で反応系全体の酸化数の総和は変化しないので、各段階でどの様に電子が授受されるかを追跡しなくても、最初の状態と最後の状態で酸化数の変化を見れば、どの原子が酸化されて、どの原子が還元されたかが一目瞭然となる。それゆえ酸化数は酸化状態 (oxidation state) とも呼ばれる。

酸化数は次のルールに従って、決定される。
単体中の原子の酸化数は 0 とする。(例 Cu, O2, H2)

単原子からなるイオンは、そのイオン原子の酸化数はイオンの電荷の数と等しいとみなす。(例 Cu2+ ⇒ +2)

化合物中の酸素原子の酸化数は −2 とする。例外として過酸化物の酸素は −1 の酸化数を持つ。

化合物中の水素原子の酸化数は +1 とする。例外として金属水素化物の水素は −1 の酸化数を持つ。

電荷を持たない化合物については、それを構成する各原子の酸化数の総和は 0 になる。(例 CuO ⇒ Cu (+2) + O (−2) = 0)

複数の原子で構成されるイオン(例 硫酸イオン)は、それを構成する各原子の酸化数の総和はイオンの価数と一致する。(例 SO42− ⇒ S (+6) + 4 × O (−2) = −2)


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