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配線用差込接続器(はいせんようさしこみせつぞくき)とは、電気配線の一種であり、電気機器に電力を供給するための接続器(コネクタ)である。 差込プラグとプラグ受け(ソケット)で構成され、差込プラグをプラグ受けに抜き差しすることによって、配線とコードまたはコード相互間の電気的接続および断路を随時容易に出来るようにしたものである。 国際電気標準会議(IEC)では 「IEC TR 60083」に規格がある。日本では電気用品
概要
差込プラグ、コンセント、コードコネクタボディ、マルチタップに分けられる。日本では、定格電圧100Vから300V、定格電流50A以下、2極から5極のものは、電気用品安全法(電安法)適用品(<PS>Eマーク対象)である。
因みにコンセントは和製英語であり、イギリスではSocket((プラグ)ソケット)、アメリカではOutlet((交流電源(AC))アウトレット)と呼ばれている。 差込プラグ、コンセント、コードコネクタボディ、マルチタップに分けられる。 国によって形状は異なっており、日本の一般家庭やオフィスなどに引き込まれている、単相交流100ボルト用のものでは、細長い差し込み口が2つのものが主流で、左側の差し込み口の方が少しだけ幅広になっている(左側が9ミリメートル、右側が7ミリメートル)。少し幅広の端子を接地側とするのが正しい接続法である(JIS C 8303 2極コンセント 15A 125V)。かつてはこの接続方法を誤って逆に接続したことが原因で機器に故障が生じることが多く、接地側を明らかにするため電気用品取締法(電気用品安全法の前身)に、差し込み口の長さについての規定を設けて現在に至っている。なお「現在は機器の改良が進み、逆に接続しても位相が反転するだけなので、通常使用では意識する必要はなくなっている」という見解も見られる。ただし制御回路が内蔵される大電力機器(オイルヒーターなど)の無極性プラグを逆に差し込んでトラブルになる例は現在でも少なくなく、スイッチで開閉する極は全極もしくは、非接地側(活線)のみであるとは日本工業規格(JIS C 4526-1 3.4.9全極遮断)等で規定されており、電源スイッチが片切スイッチであれば正しい向きで差し込む必要がある。またオーディオ機器等、位相が異なると、音が微妙に変化してしまうものなど、位相が機器の性能に関係する電気機器については、接地側の端子を非接地側よりも縦長にして、逆差しを物理的に防ぎ、位相が異ならないようにしている。 JIS C 8303-1993に規定されているものは以下の通り 2つの差し込み口の下に、接地極用の丸い差し込み口を設けている接地極付コンセント(アース付差し込み口、アース付コンセントともいうが、接地端子付コンセントと混同されることがある)がある(JIS C 8303 2極接地極付コンセント 15A 125V)。計3つの穴が開いたもののことで、3芯または3穴(けつ)ともいわれる。なお、コンセントのオス(プラグ)側がアース付コンセントで、メス(ジャック)側が通常のコンセントの場合はアース端子が邪魔になり差すことができない。この場合は変換アダプタが必要となる。 動力用の三相3線式200V用には、接地極用を含めて4つの差し込み口を持つものもある(JIS C 8303 3極接地極付コンセント 15A 250Vなど)。 アース端子は日本国内で正しく施工されている場合はD種接地(100Ω以下)に接続される。 コンピューターなどの電子機器や大容量電化製品の家庭への普及、および北米やヨーロッパ諸国などで既に接地極付とすることが義務づけられている状況を踏まえ、内線規程3202-3の2005年改訂により、新築住宅等においては利用局面を問わず家庭内の全てのコンセントを接地極付きとすることが推奨されている。 劇場等演出空間電気設備指針、演出空間仮設電気設備指針では、安全性確保の観点から、接地極付の配線用差込接続器を使うよう定められている。したがって、1999年以降に建設、改修された設備については、すべて接地極付のものが使われていることになっている。 施設、業者によっては、これまでの2極のコネクタを接地極付のものに取り替えただけで、接地線を配線していない例もあり、注意が必要である。
構成
差込プラグ(英: plug)
導体となる刃と絶縁物で覆ったコードなどとの接続部などから構成され、これを手に持ってプラグ受けと抜き差しするもの。なお、名称については後述の「コンセント」と誤用される事例が多く見受けられる。
コンセント(米: AC outlet、英: plug socket)
電力を供給するために、家電製品などの電気器具のプラグを接続する差し込み口(プラグ受け)のうち、造営材、機器などに固定できるもののこと。一般には壁面や床面などに設けられる。
コネクタボディ(コードコネクタボディ)
プラグ受けのうち、コードなどの延長用。
マルチタップ(英: adapter)
1つのコンセントまたはコードから2つ以上の分岐接続ができるもの。詳細は「テーブルタップ」を参照
形状アメリカで一般的なアース付のタイプB欧州などで使用されている埋込形の差し込み口。タイプF
日本産業規格
種類
抜止形
引掛形
露出形 : 差し込み口の無かった部屋に新たに差し込み口を設ける場合、壁内部に隠蔽するには一時的に壁を撤去し配線の後に壁を復旧する必要があり時間と費用がかさむが、安価に差し込み口を必要とする際には電気配線および器具を壁面に露出してステップル、若しくはモール等で壁面に固定する形態をいう。
埋込形 : 新築の建物ではあらかじめ差し込み口を必要とする位置や個数、型式などを設計段階で検討し、配置計画を行なう。この際、美観上や保守、耐用年数等の観点から壁面内に電線用の配管や配線を行ない器具を壁面と同一面に取りつけ、器具が露わにならない形態をいう。
連用形 : いわゆる連用枠に取り付けられるもの。
線ぴ用 : 屋内配線用合成樹脂線ぴにはめ込み固着できるコンセントのこと。
防水形 : 配線に防水してあり、屋外で雨水などがかかる場所で使用できる構造のもの。以下の2つに分かれる。
防浸形
防雨形
普通型 : 防水型に対するもの。屋内形。
扉付 : 刃受穴を自動的に遮蔽できる扉を持つもの
パイロットランプ付
アースターミナル付 : 接地線(アース)の接続端子(ターミナル)(接地用端子)を持つもの。接地極付という意味ではない。
栓刃可動形
それ以外の区別
漏電遮断器付 : 差込接続式漏電遮断器として、JIS C 8371 漏電遮断器(ブレーカー)で規定されている。
タイマー付 : 特殊用途品としてJIS C 8303-1993では規定されていない。
一般的な家庭用100Vコンセント(JIS C 8303 2極コンセント 15A 125V)平行型
OA機器・白物家電等の設置箇所に使われるアース付100Vコンセント(JIS C 8303 2極接地極付コンセント 15A 125V)平行型
エアコン設置箇所等に用いられる大容量100Vコンセント(JIS C 8303 2極接地極付コンセント 20A 125V)IL型・平行型共用
200Vエアコン設置箇所等に用いられる単相200Vコンセント(JIS C 8303 2極接地極付コンセント 20A 250V)エルバー型
200V IHヒーター設置箇所等に用いられる単相200Vコンセント(JIS C 8303 2極接地極付コンセント 30A(小型) 250V)
類似するもの
シーリングローゼット : 天井に取り付けて照明器具の電源を接続し、主として照明器具を吊り下げるもの。JIS C 8310で規定。
ライティングダクト : JIS C 8366で規定。
電気器具用差込接続器
接地極付コンセントの施設
電気洗濯機、衣類乾燥機、電子レンジ、電気冷蔵庫、食器洗い機、冷暖房機(冷房機)、温水洗浄式便座、電気温水器、自動販売機に使われるコンセントは接地極付コンセントとすることが義務付けられており、またアース線をネジ留めすることもできるよう接地端子を併設することが推奨されている。
屋側の雨線外または屋外、台所、厨房、洗面所、便所に設置するコンセントは接地極付コンセントとすることが勧告され、接地端子を併設することが推奨されている。
その他一般に、住宅に設置するコンセントは接地極付コンセントとすることが推奨されている。
住宅に設置する200V用コンセントは接地極付コンセントとすることが義務付けられている。
住宅以外に設置する200V用コンセント、医療器具用のコンセント、単相3線式分岐回路に用いる100/200V併用コンセントは接地極付コンセントとすることが勧告されている。
演出空間で用いられる差込接続器
JIS C8303-1993(配線用差込接続器)に規定されているもの
2極15A 125V
2極接地極付15A 125V
いわゆる平行プラグ・コンセント。ごく小規模な施設で使用されている。大規模設備で使用するものでも、エフェクトマシンのモータ電源、カラーチェンジャの電源等に用いられる。汎用品のため、コストが安い。
コンセント/コードコネクタボディには抜止形が用いられることが多い。
2極引掛形15A 125V
2極接地極付引掛形15A 125V