この項目では、1947年公開のイギリス映画について説明しています。タイトルの読みが同じ1960年公開の日本映画については「邪魔者は消せ」をご覧ください。
邪魔者は殺せ
Odd Man Out
キャスリーン・ライアン
監督キャロル・リード
脚本F・L・グリーン
『邪魔者は殺せ』(じゃまものはけせ、原題:Odd Man Out[注釈 1])は、1947年のイギリスのサスペンス映画。監督はキャロル・リード。日本では1951年に公開された。1948年の英国アカデミー賞で最優秀イギリス映画賞を受賞している。また、1948年のアカデミー編集賞にノミネートされている。原作はF・L・グリーン(英語版)の同名の小説である。ロバート・モスはこの作品を「ほとんど議論の余地の無いほどのリードの傑作」と評価している[2]。 本作は、この映画の舞台であるベルファストに1カ月以上も滞在してロケーション撮影したアイルランド革命家の話であり、ドキュメンタリー調の作品の中にスリラー活劇的な場面を盛り込み、リード作品の傑作の一つと言える名作となっている。リードは本作で撮影の的確で大胆な構図、さらに、テンポの速い編集の巧みさと言った映画技術の粋を、キャロル・リードは完全に自分のものにしており、そのためには長い間あらゆる実験を重ね、映画青年とも言える映画に対する情熱と野心を傾けてきた[3]。本作でリードの名声は、一挙に世界中に広まった[4]。 植草甚一によれば、原作の小説と映画を比べてみると、キャロル・リードという監督が実に細かい点まで神経を働かせていることが分かる。リードは頭が下がるほどの映画的想像力を持っている。小説の中のほとんどあらゆる箇所が作家によって文章で書かれた感じそのままにスクリーンでは映画的イメージに置き換えられているのである[5]。F・L・グリーンの文章からはグレアム・グリーンのように映画的イメージを喚起されない。ところが、全く驚くことに、キャロル・リードは何でもないような一節一節をそのままイメージの中で生かしてしまっているのである。?中略?キャロル・リードの演出における最も注目すべき点は映画作家としてのこの想像力であり、彼独自の技巧といい、雰囲気の出し方といい、カッティングやカメラの位置などの妙味といい、すべてはここから出発している[6]。 人物名原語配役役柄 役名俳優日本語吹替
概要
登場人物
ジョニー・マックィーンJohnny McQueenジェームズ・メイソン組織の地区リーダー
キャスリーン・サリヴァンKathleen Sullivanキャスリーン・ライアン
ルーキーLukeyロバート・ニュートン売れない画家
デニスDennisロバート・ビーティ(英語版)ジョニーの腹心の部下
パットPatシリル・キューザック強奪計画の運転手
ノーランNolanダン・オハーリー強奪計画のメンバー
マーフィーMurphyロイ・アーヴィング強奪計画のメンバー
警部Inspectorデニス・オディア(英語版)警察官
トム神父Father TomW・G・フェイ(英語版)ジョニーの師
トーバーTober
エルウィン・ブルック=ジョーンズ(英語版)医師くずれの男
テレサ・オブライエンTheresa O’Brienモーリーン・デラニー貸金業の女
モーリーンMaureenアン・クレリージョニーらの仲間の女性
ロージーRosieフェイ・コンプトン(英語版)看護師の女性
モーディーMaudieベリル・メザー(英語版)看護師の女性
フェンシーFencie the barmanウィリアム・ハートネル(英語版)酒場の店主
トムTomアーサー・ハンブリングロージーの夫
シェルShellF・J・マコーミック(英語版)鳥を飼う初老の男
グラニーGrannieキティ・カーワンキャスリーンの祖母
ジン・ジミーGin' Jimmy, the cabbieジョセフ・トメルティ(英語版)辻馬車の御者
日本語吹替
NHK総合版東京12ch版フジテレビ版
ジョニージェームズ・メイソン春日章良納谷悟朗浦野光
キャスリーンキャスリーン・ライアン来宮良子鈴木弘子
ルーキーロバート・ニュートン南原宏治羽佐間道夫
NHK総合版:初回放送1966年2月13日『劇映画』[7]
東京12ch版:初回放送1968年8月24日
フジテレビ版:初回放送1974年7月5日『ゴールデン洋画劇場』