邪神の天秤
警視庁公安分析班
著者麻見和史
発行日2021年3月3日
発行元講談社
ジャンル推理小説
警察小説
サスペンス[1]
国 日本
言語日本語
形態新書
ページ数256
次作偽神の審判 警視庁公安分析班
公式サイトbookclub.kodansha.co.jp
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『邪神の天秤 警視庁公安分析班』(じゃしんのてんびん けいしちょうこうあんぶんせきはん)は、麻見和史による推理小説。警視庁公安分析班シリーズの第1作。2021年3月5日に講談社ノベルス[2]、同年12月15日に講談社文庫が発売された[1]。
警視庁捜査一課十一係シリーズ(警視庁殺人分析班シリーズ)の鷹野秀昭が公安部へ異動し、公安のやり方に戸惑いながらも事件に挑む姿を描く。
2022年に、WOWOWで本作と警視庁公安分析班シリーズ第2作『偽神の審判 警視庁公安分析班』を原作とする『邪神の天秤 公安分析班』が放送された[3]。 本作とシリーズ第2作『偽神の審判 警視庁公安分析班』はテレビドラマ化を前提にして書かれた小説で、テレビドラマの企画段階からWOWOWの制作チームと麻見ら講談社チームが打ち合わせを行い、それを基にして執筆された[4][5]。書籍の巻末には「企画協力 WOWOW連続ドラマW『邪神の天秤 公安分析班』制作チーム」と明記されている[6]。 警視庁捜査一課十一係シリーズ(警視庁殺人分析班シリーズ)の鷹野秀昭が、捜査一課十一係から公安部へ異動したという設定。ただし、本作が刊行された時点の警視庁捜査一課十一係シリーズ最新作(第13作)『賢者の棘 警視庁捜査一課十一係』では、鷹野はまだ捜査一課十一係を離れていない。本作の鷹野は37歳[7]、『賢者の棘』の鷹野は33歳[8]。 シリーズ第2作『偽神の審判』とストーリーがつながっていて、事件の黒幕の正体は次作で明らかになる。 9年前、警視庁刑事部捜査一課の鷹野秀昭は、相棒で後輩の沢木政弘を鍛えるため、挙動不審な男に一人で職務質問させる。しかし鷹野が目を離している間に、沢木は刺されて殉職する。事件は迷宮入りとなり、鷹野は沢木の姉・美香から責められる。事件発生当時、現場近くに公安部がいたという情報を得た鷹野は、公安部への異動を希望し、この春ついに配属が決定する。 鷹野が公安部へ来て5日目。赤坂で爆破テロが発生し、混乱に乗じて政治家の真藤健吾が殺される。遺体の臓器は取り出され、遺体のそばには右の皿に鳥の羽、左の皿に心臓が乗せられた天秤、そしてヒエログリフが彫られたプラスチックの板が置かれていた。捜査を開始した鷹野だったが、刑事部と公安部の捜査方法の違いに馴染めず失態を犯し、班長の佐久間一弘から「おまえには失望した」と言われてしまう。 個々のメンバーの能力は高いのにチームプレイは不得手な公安部に、鷹野は自分なら違うやり方で事件を解決できるのではと模索する。しかし赤坂事件の実行犯が捕まらないうちに、中野で大学教授の笠原繁信が殺されて近くに天秤が置かれる第2の事件が発生する。事件の裏には「鑑定士」と呼ばれる殺し屋の存在が見え隠れしていた。
概要
あらすじ
登場人物
警視庁公安部公安第五課
鷹野秀昭(たかの ひであき)〈37〉
相棒の沢木政弘が殉職した事件の真相を調べるため、刑事部捜査第一課殺人犯捜査第十一係から公安部公安第五課に異動した。階級は警部補。現場でたくさん写真を撮り、それを分析して筋読みを行う捜査手法を用いる。趣味は100円ショップ見物。トマトジュースをよく飲む。
氷室沙也香(ひむろ さやか)〈39〉
佐久間班の主任。階級は警部補。公安部12年目。常にクールで、優れた記憶力と観察力を持つ。単独行動が多い公安部で鷹野とよく行動を共にすることから、鷹野からは佐久間が見張り役に使っていると疑われている。
佐久間一弘(さくま かずひろ)
班長。冷徹で頭脳明晰。神経質なところがあり、部下にも厳しい。佐久間班メンバーで唯一、国枝には敬意を払って接している。
能見義則(のうみ よしのり)〈43〉
佐久間班の主任。階級は警部補。佐久間の右腕。気が短く鷹野に強くあたるが、たまに有益なアドバイスをくれる。
国枝周造(くにえだ しゅうぞう)
佐久間班のメンバー。