適合表示無線設備
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無線設備(むせんせつび)とは、「無線電信無線電話その他電波を送り、または受けるための電気的設備」と電波法第2条第4項に定義している。

引用の促音、拗音、送り仮名の表記は原文ママ目次

1 概要

1.1 無人方式の無線設備


2 送信設備

3 受信設備

3.1 指定受信設備


4 船上通信設備

5 特定無線設備

5.1 特別特定無線設備

5.2 適合表示無線設備


6 特定周波数無線設備

6.1 指定無線設備


7 基準不適合設備

8 沿革

9 参考

10 脚注

11 関連項目

12 外部リンク

概要

定義にある電気的設備とは、送信機受信機トランシーバーなどの無線機アンテナ、これらを接続する給電線などのことである。

無線設備の技術基準については、総務省令無線設備規則に規定している。
無人方式の無線設備

電波法施行規則第2条第1項第40号の3に「自動的に動作する無線設備であつて、通常の状態においては技術操作を直接必要としないもの」と定義している。いわゆる無人局で24時間運用する無線設備のことである。
送信設備

電波法施行規則第2条第1項第35号に「送信装置と送信空中線系とから成る電波を送る設備」と定義している。関連する定義として、同条同項

第36号に「送信装置」を「無線通信の送信のための高周波エネルギーを発生する装置及びこれに付加する装置」

第37号に「送信空中線系」を「送信装置の発生する高周波エネルギーを空間へ輻射する装置」

と定義している。送信機またはトランシーバーの送信部とアンテナおよびこれらを接続する給電線ということになる。
受信設備

電波法令には受信設備という文言はあるが定義は無い。強いて言えば「無線設備の内、電波を受けるための電気的設備」となる。

受信設備は、電波を発射するものではないが、副次的に発する電波等が妨害源となるおそれがあり、受信設備自体の性能も良好でなくてはならないので、電波法および無線設備規則に一般的条件を規定している。
指定受信設備

電波法第56条第1項に「無線局は、他の無線局又は電波天文業務(宇宙から発する電波の受信を基礎とする天文学のための当該電波の受信の業務をいう。)の用に供する受信設備その他の総務省令で定める受信設備(無線局のものを除く。)で総務大臣が指定するものにその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用しなければならない。」と規定している。この総務大臣が指定する受信設備が指定受信設備と通称され、これを受けた電波法施行規則第50条の2に
電波天文業務の用に供する受信設備

宇宙無線通信の電波の受信を行なう受信設備

と指定している。地上波より微弱な電波を扱うこれら受信設備を保護することが目的である。
船上通信設備

電波法施行規則第2条第40号の3に、

次の1. 2. 3. 又は4. に掲げる通信のみを行うための単一通信路の無線設備であつて、第13条の3の3に規定する電波の型式周波数及び空中線電力の電波を使用するものをいう。
操船、荷役その他の船舶の運航上必要な作業のための通信で当該船舶内において行われるもの

救助又は救助訓練のための通信で船舶とその生存艇又は救命浮機との間において行われるもの

操船援助のための通信で引き船と引かれる船舶又は押し船と押される船舶との間において行われるもの

船舶を接岸させ又は係留させるための通信で船舶相互間又は船舶とさん橋若しくは埠ふ頭との間において行われるもの

と定義している。

船舶内または港湾での船舶間、もしくは船舶と港湾施設間の通信に用いられるもので、船舶局または船上通信局として免許される。

従前は海上移動業務の通信はアナログ音声によるものであったが、周波数逼迫による狭帯域化により船上通信設備はデジタル化されることになった。[1]
特定無線設備

電波法第38条の2の2第1項に「小規模な無線局に使用するための無線設備であつて総務省令で定めるもの」を特定無線設備と規定している。この総務省令は、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則(以下、「証明規則」と略す。)であり、第2条第1項各号に種別が定められている。これらの無線設備は、電波法令の技術基準に合致していることの認証として技術基準適合証明又は工事設計の認証)をうけることが要求される。

特定無線設備は、電波法第38条の2の2第2項の区分により次のように分類される。但し、区分名はかつて証明規則に規定されていたもので現在は通称である。

区分内容備考
第一種特定無線設備電波法第4条第2号又は第3号に規定する無線局に係る特定無線設備市民ラジオ小電力無線局
第二種特定無線設備特定無線局(電波法第27条の2第1号に掲げる無線局に係るもの(移動するもの)に限る。)に係る特定無線設備携帯電話端末、MCA無線移動機など
第三種特定無線設備前二号に掲げる特定無線設備以外の特定無線設備上記以外のもの


証明機関の区分とされているものである。

特別特定無線設備

電波法第38条の33に「特定無線設備のうち、無線設備の技術基準、使用の態様等を勘案して、他の無線局の運用を著しく阻害するような混信その他の妨害を与えるおそれが少ないものとして総務省令で定めるもの」を特別特定無線設備と規定している。これを受けた証明規則第2条第2項に特別特定無線設備が定められているが、これは次に掲げるものである。

コードレス電話

携帯電話端末

PHS端末

上記のものに無線LAN機能を搭載したもの


無線アクセス端末

特別特定無線設備は、製造業者又は輸入業者が電波法令の技術基準に合致することを自己確認できる。

上記により特定無線設備には、技適マークの表示が必須となる。技適マークの表示は技術基準への適合が条件であるので、修理は製造業者やこれと契約を結んだ修理業者によるとされてきたが、特別特定無線設備の修理について技術基準への適合性維持が確認できる業者は、総務大臣の登録を受けることができると規定された。これが登録修理業者である。
適合表示無線設備

電波法第4条第2号に「第38条の7第1項(第38条の31第4項において準用する場合を含む。)、第38条の26(第38条の31第6項において準用する場合を含む。)又は第38条の35の規定により表示が付されている無線設備(第38条の23第1項(第38条の29、第38条の31第4項及び第6項並びに第38条の38において準用する場合を含む。)の規定により表示が付されていないものとみなされたものを除く。)」を適合表示無線設備と規定している。ここで、第38条の7第1項、第38条の26、又は第38条の35とは、それぞれ技術基準適合証明、工事設計の認証又は技術基準適合の自己確認のことである。更に、第38条の23第1項の表示が付されていないものとみなされるものの規定とは、電波法令の「技術基準に適合していない場合において、総務大臣が他の無線局の運用を阻害するような混信その他の妨害又は人体への危害の発生を防止するため特に必要があると認めるとき」であり、第38条の23第2項では、「その旨を公示しなければならない」とされている。

すなわち、適合表示無線設備とは公示された例外を除く特定無線設備であり、公示された機器の技適マークは無効とみなされる。
特定周波数無線設備

電波法第102条の13第1項に「第4条第1項の規定に違反して開設される無線局のうち特定の範囲の周波数の電波を使用するもの(以下「特定不法開設局」という。)が著しく多数であると認められる場合において、その特定の範囲の周波数の電波を使用する無線設備(免許等を要しない無線局に使用するためのもの及び当該特定不法開設局に使用されるおそれが少ないと認められるものを除く。)」を特定周波数無線設備と規定している。不法無線局が多い周波数帯を使用する無線設備のことである。
指定無線設備

電波法第102条の14第1項に「前条第1項の規定により指定された特定周波数無線設備」を指定無線設備と規定している。


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