遠藤誠一
[Wikipedia|▼Menu]

オウム真理教徒遠藤 誠一
誕生 (1960-06-05)
1960年6月5日
北海道札幌市
死没 (2018-07-06) 2018年7月6日(58歳没)
日本東京都葛飾区小菅東京拘置所
出身校帯広畜産大学(獣医学士、獣医学修士)
京都大学(四年制博士課程中退)
ホーリーネームジーヴァカ
ステージ正悟師長
教団での役職第一厚生省大臣
入信1987年3月
関係した事件松本サリン事件
地下鉄サリン事件
判決死刑(執行済み)
テンプレートを表示

遠藤 誠一(えんどう せいいち、1960年6月5日 - 2018年7月6日)は元オウム真理教幹部、獣医師。元死刑囚北海道札幌市出身。ホーリーネームジーヴァカ。教団内でのステージは正悟師で、1994年6月に教団に省庁制が採用されてからは厚生省大臣になり、後に厚生省を二分して生物兵器担当の第一厚生省大臣となった(化学兵器担当の第二厚生省大臣は土谷正実[注 1]松本サリン事件において実行犯、地下鉄サリン事件においてサリン生成の責任者を務めたとして死刑が下された。
来歴
少年期

1960年6月5日、北海道札幌市にて生まれる。父は室内装飾会社の役員、母は世界救世教の信者で、姉が一人いた。キリスト教系の幼稚園に通っていたこともあり、幼少期から宗教に触れる機会が多かった。クラスで一番背が低く、さらに左耳の難聴を患っていたが、野球・サッカー・スキーをするなどスポーツ好きで、社交的で活発な子供だった[1][2]。少年時代から動物好きで、父親に対し「世話は僕が一人でする。絶対可愛がるから」と熱心に説得して犬を飼った。中学1年の時は学級代表を務めた。中学3年時の担任教諭によると成績は全教科優秀で、特に理数系が得意な優等生だったという[2]。その一方で冗談好きでひょうきんな一面もあった[3]。中学校の卒業文集では20年後の自分について「たぶん大学でも卒業して司法あるいはマスコミ関連についているだろう」と書き、友人の遠藤評には「皆から好かれる可愛い人です」と書かれていた[4]

北海道札幌北高等学校2年のとき愛犬が病気になり、獣医に治療してもらったことがきっかけで獣医を志す。自分が獣医になれば飼い犬の病気を自分で診てやれると考え、犬猫専門の病院に勤めようと構想し、動物の病を治し生命を救うことに憧憬の念を抱いた[1]
大学・大学院時代

こうして夢を叶えるべく帯広畜産大学畜産学部獣医学科に進学する。初めのうちは学生寮に住むが、のちに親しい友人と8畳1間のアパートを借りて共同台所で自炊するつつましい生活を送った[5]。大学2年のとき、分子生物学の講義を受け、「これこそが究極の学問ではないか」と感銘を受けた。これを契機として遺伝子工学の勉強を独自に始め、遺伝子工学の研究室へと配属された。一方その頃、獣医は飼い主の依頼があれば犬猫を毒殺することもあると知り、獣医よりも研究者としての職に惹かれていく。さらに大学1年の3月に父親を肝臓がんで亡くしたこともあり、将来の目標を獣医から遺伝子工学の研究者に変えることを決心した[1]

1986年、同大学院畜産学研究科獣医学専攻修了と同時に獣医師の資格を取得。修士論文は「各種のアデノウイルスDNAの牛腎臓株の核I因子の結合に関する研究」。ウイルス遺伝子複製のときのウイルス中の核タンパク質についての研究で、原文はすべて英語だった[4]。同年、京都大学大学院医学研究科博士課程に進学。母親は「京都大学医学部」の看板を背景にして写した写真を近所の人に見せるなど大喜びであった[4]。京大ウイルス研究所では遺伝子工学・ウイルス学を専攻し、「成人T細胞白血病ウイルス」と、当時話題になった「エイズウイルス」の遺伝子解析を行うなどした[1]。毎朝11時から深夜2,3時まで実験室に籠もる生活を送り、研究仲間にも特に研究熱心だと思われていた[2]

しかし遺伝子について研究していく中で「遺伝子とは生命の根本であるが、生命の本質ではない」という「生命の神秘」という疑問に突き当たり、の存在など精神世界に興味を抱き始めた。そして1986年12月、麻原彰晃の著作『超能力秘密の開発法』に出会う。冬休み、帰省のために札幌へ向かう船の中で、麻原の本を読みながら眠ると麻原にエネルギーの注入をされる夢をみた。目が覚めるとそのとき風邪をひいていたはずが、熱が下がったという経験をした。その後さらに神秘体験を重ねて麻原への興味を深めると、オウム神仙の会(オウム真理教の前身。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:116 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef