道頓堀川_(映画)
[Wikipedia|▼Menu]

道頓堀川
監督
深作欣二
脚本野上龍雄、深作欣二
原作宮本輝「道頓堀川」
出演者松坂慶子
真田広之
山ア努
佐藤浩市
加賀まりこ
音楽若草恵
撮影川又昂
編集太田和夫
製作会社松竹
配給松竹
公開 1982年6月12日
上映時間130分
製作国 日本
言語日本語
テンプレートを表示

『道頓堀川』(どうとんぼりがわ)は、1982年公開の日本映画。監督は、深作欣二。主演は、松坂慶子真田広之宮本輝の同名小説の映画化作品。

内容は、19歳の若者と年上の女性との恋愛、元ハスラー[注 1]の父とハスラーを目指す息子との親子関係に焦点を当て、舞台となる道頓堀で暮らす人たちの人間模様が描かれている。

また本作ではハスラー同士が行う賭けビリヤードとしてナインボール[注 2]による対決も描かれている。
あらすじ

大阪の道頓堀川には、川沿いの繁華街のネオンライトが川面に反射し、夜の街の賑やかさを一層盛り上げていた。ある朝、美術大学に通う邦彦が大阪の大黒橋の公園から正面に見える道頓堀川の絵を描いていた所、犬の散歩中の着物の女性まち子と知り合う。邦彦は唯一の肉親だった母を亡くしたばかりで、1ヶ月前から同級生の父 武内がマスターをする喫茶店で住み込みで働きながら学校に通っていた。その夜武内と夕食をともにするため小料理屋『梅の木』を訪れると、店の女将をするまち子と再会し、彼女もまた身寄りがない事がわかる。帰宅中武内から「道頓堀は華やかだがそこで暮らす人々は意外と寂しさを抱えているのかもしれない」と言われ、まち子のことが気になり始める。

武内の息子政夫はハスラーを目指していたが、元腕利きのハスラーで、家庭を顧みなかったことを後悔してハスラーを辞めた父から「ハスラーなんて“博打打ち”と同じ。やめておけ」と言われていた。父の心配をよそに政夫は関西のハスラーたちとの勝負を続けたが、ある時ハスラー時代の武内を知る、新規オープンしたビリヤード場の店主ユキと出会い、父の実力の凄さを知らされる。後日政夫は人づてに近々東京で日本一のハスラーを決める闇大会が開かれると聞くが、ユキから大会に出るには150万円もの軍資金が必要だと告げられる。一方、邦彦とまち子は孤独な似た者同士として距離を縮めてゆき、その後自然に惹かれ合いお互いの寂しさを埋めるように男女の関係を持つ。

そんな中、闇大会出場資金の工面に困った政夫は『梅の木』を訪れ、「邦彦が学費を滞納し、退学を免れるには150万円必要」とまち子を騙してその金を手に入れ東京に旅立つ。翌日、『梅の木』の板前から話を聞いた武内は政夫の代わりにまち子に金を返すが、邦彦は親友だった政夫に裏切られたことで傷つき、書置きを残して喫茶店を辞めて街を出て行く事にした。武内は政夫を探して偶然訪れたビリヤード場で、名人ハスラーの孫であるユキと再会すると、心の中で抑えていたハスラー魂が目を覚ます。武内は政夫とハスラーとして人生を賭けた勝負をすることを決め、自身のハスラー時代の打ち方を知るユキに助言を受けながら、15年間のブランクで鈍ったハスラーの勘を数日かけて取り戻そうとする。

別の街で住み込みで看板書きのペンキ職人として働いていた邦彦はその後まち子に探し出され、「一緒に暮らして欲しい」という彼女の願いを聞き入れ彼女との同棲を決心する。武内がユキの店での毎夜の練習でかつてのハスラーの腕を取り戻しつつあった頃、店に邦彦が訪れた。まち子との同棲を始めることを武内に報告し、これまでの感謝の言葉を述べた。その直後、東京の闇大会から帰郷した政夫が現れる。政夫は武内から「邦ちゃんはうちを出ていくことになった。お前のせいや。わしと勝負せい。お前が勝てば喫茶店を売るなり好きにしていい。負けたらハスラーから足を洗え。一生玉突きをやめろ」と告げられる。政夫は「おもろいやないけ。やったろやないけ!」と勝負を受ける。ナインボール5ゲーム先取りの9回戦勝負。まず先攻の政夫が数ゲーム独走でリードする。だが武内はゲームの流れの頃合いを見計らって心理戦でプレッシャーをかけ始めた。それは武内が秘密にしていた夫婦と親子の過去についての事実を語りだしたのだった。それを聞いて凍りつく邦彦とユキ。顔面蒼白になって泣き崩れる政夫。政夫はビリヤードテーブルの玉触りをしてファールしてしまう。「ファールやな。どけ。どかんかい!」と息子を突き飛ばす父。「汚いやないけ!」と泣きながら訴える政夫に対し、武内は「これがバクチや。博打に汚いも綺麗もあるか。せやから言うた筈やぞ。博打はやめい、と」と言って博打勝負のハスラーの真髄を政夫に見せつける。技術的には五分と五分。だが、勝負師として海千山千の武内の前に政夫は全く歯が立たない。武内は一気に4ゲームを連取し、親子対決の真剣勝負は熾烈な最終ステージへと入っていく。2人の真剣勝負は4対4の最終ゲームになった。「ファイナルセット」とラストゲームを告げるユキ。緊迫感高まる肉親同士の真剣勝負に耐えきれなくなった邦彦は、ラストゲームの勝敗の行方を見ずにユキの店を飛び出した。そして人で賑わう夜の道頓堀をまち子が待つアパートへ急ぎ向かうのだった。その道頓堀の街には予想もしない邦彦のラストゲームが待っていた。
キャスト
まち子
演 -
松坂慶子小料理屋『梅の木』の女将(ママ)。邦彦より数歳年上。『梅の木』の2階で暮らしており、1階の一室で右の前足に障害のある“コタロー”と名付けた犬を飼っている。両親は既に亡くなっており天涯孤独の身だが、スポンサーの男性がいる。好きなものはレモンで、下戸らしくお酒が苦手。乱暴な人や嘘つきな人は嫌い。普段は人当たりが良いが、家族がいないということで人知れず寂しさを抱えている。
安岡邦彦
演 - 真田広之19歳。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:29 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef