過覚醒
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急性ストレス反応を示す、犬と猫闘争・逃走反応

闘争・逃走反応(英語: fight-or-flight response)は、動物が示す恐怖への反応。

危機的状況にいて、戦うか逃げるか、身動きを止める(擬死、凍結挙動(英語版))方法で生き延びてきたため備わったと考えられている[1][2]。通常は発揮できない怪力を発揮できる反面、緊急時に使用しない内臓への血流が絞られたり判断力が低下したりするため、長期的にストレスを受けると体や精神に悪影響が出る。
名称

「fight-or-flight response」の訳としては、闘争・逃走反応(とうそう・とうそうはんのう)、闘争・逃避反応(―とうひ―)、戦うか逃げるか反応(たたかうかにげるか―)が用いられる。

他、戦うか逃げるかすくむか反応(英語: fight-or-flight-or-freeze response)、過剰反応(英語: hyperarousal)、急性ストレス反応(英語: acute stress response)とされることもある。

「火事場の馬鹿力」(かじばのばかぢから)と訳されることもある[3](英語で火事場の馬鹿力に相当する語は「hysterical strength」である)。
歴史

1929年ウォルター・B・キャノンによって初めて提唱された[4][5][6]。キャノンの説によると、動物は恐怖に反応して交感神経系の神経インパルスを発し、自身に戦うか逃げるかを差し迫るという。この反応は、脊椎動物あるいはその他の生物でストレス反応を引き起こす一般適応症候群の初期段階として後に知られるようになった。
関連ホルモン・関連物質

アドレナリン

オステオカルシン - ストレスを受けた後、数分以内に骨から放出され、副交感神経系の活動を阻害する。また、副腎が機能不全になり、オステオカルシンが増加すると急性ストレス障害を起こす[7]

エストロゲン[8]

テストステロン[8]

コルチゾール - ストレスを感じたときに放出されるホルモン。血圧や血糖レベルを上げ、緊急時に必要ない臓器の活動を抑制する[8]

ノルアドレナリン - ストレスを感じたときに放出されるホルモン。注意衝動性に対して敏感になり、心拍数を上げ、脂肪細胞からエネルギーを放出させる[8]

身体的な反応

恐怖などのストレッサーの刺激が視床下部下垂体に伝達し副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が分泌され、アドレナリンコルチゾールが放出される。その結果、以下の変化が起きる[9]

心臓機能強化(心拍数上昇、血圧上昇、呼吸数上昇、気管拡張など)

体の多くの部分の血管収縮、 筋肉向けの血管拡張

脂肪グリコーゲン等の代謝エネルギー源の放出

などの消化機能阻害・停止

排便

膀胱の弛緩

勃起不全

涙腺唾液腺の阻害

瞳孔散大(散瞳

聴覚喪失

周辺視野の喪失(視野狭窄)

脊髄反射の脱抑制

振戦(ふるえ)

生理学的機能の変化


体の他の部分に回る血を抑制し、優先的に筋肉に血が供給される。


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