運搬橋
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稼働概念

運搬橋(うんぱんきょう, Transporter bridge)は、の形式の1つである。を跨ぐ背の高い構造物からゴンドラが吊り下げられており、歩行者や自動車はゴンドラに乗って対岸まで移動する。の航行を妨げないように工夫された形式である。
概要スペインのビスカヤ橋ドイツレンツブルク鉄道橋イギリスのニューポート運搬橋ニューポート運搬橋のゴンドラ

初めて建設された運搬橋は1893年ビスカヤ橋スペイン)である。船を通すために橋を高くするとそこにたどり着くまでの傾斜路がとても長く巨大になってしまう。当時の自動車、あるいは馬車は非力だったので急勾配を登ることができなかったのである。その後あちこちで運搬橋が建設されたが、ゴンドラに乗れる量が限られていることと自動車の性能が良くなったことからすぐに廃れてしまった。そのため建設された数は少なく、現存するのは8本と、昇開橋に改造された1本のみである。

運搬橋が最も多く建設されたのはフランスで、5本が建設され、1本が途中まで建設された。また運搬橋が最も多く現存するのはイギリスで、4本(うち1本は使われていない)が残っている。

ニューポート運搬橋は1906年にウスク川に架けられた。理由は堤が低いことと、干潮時には渡し船が航行できないことである。ミドルスブラ運搬橋も同じような例である。

アメリカ合衆国には2本の運搬橋が建設された。1905年に完成したミネソタ州ダルースエアリアル橋1933年シカゴ万国博覧会のスカイライドである。エアリアル橋は1930年に昇開橋に改造された。またスカイライドはこの当時最長の運搬橋だったがすぐに解体された。ドイツにも2本の運搬橋がある。レンツブルクとオステンである。レンツブルクの運搬橋は上部に鉄道が通っていることが特徴である。旧ソ連ヴォルゴグラード(旧スターリングラード)に最長の運搬橋を建設した。
運搬橋の一覧

橋名所在地完成スパン備考
ミドルスブラ運搬橋
イギリス ミドルスブラ1911年177m現在も使用中
ニューポート運搬橋イギリス ニューポート1906年181m現在も使用中
オーステン運搬橋ドイツ オーステン1909年80m現在も使用中
ビスカヤ橋スペイン ポルトゥガレテゲチョ1893年164m現在も使用中。世界遺産
レンツブルク鉄道橋ドイツ レンツブルク1913年140m鉄道橋との複合構造。現在も使用中
ロシュフォール運搬橋フランス ロシュフォール1900年140m現在も使用中
エアリアル橋アメリカ合衆国 ダルース1905年120m1929年昇開橋に改造され現在も使用中
ロイヤルヴィクトリアドック橋イギリス ロンドン1998年128m現在も使われているが運搬橋ではない
プエンテ橋アルゼンチン ブエノスアイレス1914年?現在は使われていない
ウォリントン運搬橋イギリス ウォリントン1916年57m現在は使われていない
ビゼルト/ブレスト運搬橋チュニジア ビゼルト1898年109m1909年にフランスのブレストに移されたが1944年に損傷、1947年に解体された
ボルドー運搬橋フランス ボルドー400m(全長)完成せず1942年に解体
キール運搬橋ドイツ キール1910年128m1923年に解体
マルセイユ運搬橋フランス マルセイユ1905年165m1944年に破壊
ナント運搬橋フランス ナント1903年141m1958年に解体
リオデジャネイロ運搬橋ブラジル リオデジャネイロ1915年171m1935年に解体
ルーアン運搬橋フランス ルーアン1898年142m1940年に破壊
スカイライドアメリカ合衆国 シカゴ1933年564m1934年に解体
スターリングラード運搬橋ロシア ヴォルゴグラード1955年874m解体された
ウィドゥネス-ランコーン運搬橋イギリス ウィドゥネス・ランコーン間1905年304m1961年に解体

関連項目

可動橋

テルハ


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