この記事はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点から説明されていない可能性があります。ノートでの議論と記事の加筆
への協力をお願いします。(2020年2月)造船(ぞうせん、英:boat buildingあるいはshipbuilding)とは、船を作ることである。ブリガンティンをつくっている船大工たち。(1541年)船大工の道具。(1627年)1815年の絵画クリンカー(clinker)というプランクを重ねて貼る方法、およびカーヴェル(carvel)と呼ばれる、プランクを重ねず隙間なく貼る方法の比較。造船について記述しているページ。Charles Knight's Pictorial Gallery of Arts, England,(1858年)ハイチで建造中の帆走式漁船。(2006年) 広義には、どのような船を作るのか決める段階から含めて造船とされ、新たな技術開発も含まれることがある。1人乗りのボートを作る事も広義には造船といえるが、オールで漕ぐような小さなボート(手漕ぎボート)では単に「船を作る」と表現することが普通であり、「造船」と言えば通常は、甲板を備えるような(あるいは船室を備えるような)ある程度以上の大きさの船を「造る」ことを指している。プレジャーボート類(レジャー用のセーリング・クルーザーやモーターボート)や漁船を作ることも造船と呼ぶ。 木造の船、FRPの船、(アルミなど)軽金属製の船、鋼鉄製の船、等はその素材によってそれぞれ作り方は異なる。 木造船の場合、基本的に木でできた構造物を作る作業であり、作業内容の多くは木工すなわち大工仕事であり、作業を行う人は船大工と呼ばれる。おおまかに言うと、(ちょうど人間の背骨と肋骨の構造に似た)キール(竜骨)、肋骨
概説
FRP船の造船は数十年前[いつ?]からさかんになった。小?中型船舶で行われている造船法である。おおまかに説明すると、FRP船の場合基本的には、設計図に基づいてあらかじめ船のかたちをしたメス型をつくり、そのメス型の中に布状のガラス繊維を配置し、そこにプラスチックを浸透させ固めることで複合材料の船体を作り、メス型から抜く。FRP船の場合、自動車のように、メーカーが同一のモデルで複数あるいは大量に生産し、それをカタログに掲載したり展示場で展示し、購入者は出来合いのそれを選んで購入するということも行われている。受注生産で作られる場合もある。
中型や大型の鋼鉄製の船舶は、21世紀の現在、海運会社などの船主からの注文を受けて造船会社が個別に設計し、建造することが基本となっている(つまり受注生産である)。受注から引渡しまで、最短で1年、通常は2-3年かかるため船主側の海運に対する将来需要予測だけでなく、造船会社側でも将来必要とされる機能や装備、性能を船主と共に研究して実船の建造に反映させる能力が求められるようになっている[1]。
船の大きさと価格はおおまかに言うと指数級数的な関係にある。したがって、金額ベースで造船業の統計をとると、結果として大型船の統計が目立つことになる。だが、造船の数、という点では、中?小型の船舶も重要である。本記事では、小型船から大型船まで、総合的に造船を扱う。 (中型以上の)船は自動車等とは違い受注生産が基本であり、受注から引渡まで最低でも1年[1]、通常は2-3年を要する。各造船メーカーは標準的な設計図を持っているが、たとえ連続建造であっても全くの同一の船は事実上存在しない。以下は鋼鉄製大型船舶の工程である。 21世紀初頭の現在、鋼鉄製大型船舶の建造は海や川、湖に面した造船所において行われる。造船に必要な鋼板などの鋼材や艤装に必要なさまざまな機械装置や設備類を運び込むのに都合の良いように陸運や海運の要衝に造船所があることが多く、歴史的に製鉄所の大口顧客であったことや、元々だったなどの理由で、製鉄所が近くにあることが多い。 船を組み立てる場所は、以下のようにいくつか種類がある。いずれの場所も、大きな鋼製のブロックやエンジン等を吊り上げて設置するための大きなクレーンが備えられている。
木造船の造船が望まれています。
FRP船の造船が望まれています。
アルミニウム船の造船が望まれています。
中型以上の鋼鉄船の場合
受注から引渡・支払いまでの流れ
造船所
引合
引合
船主は造船会社(造船所)に対して求める船の概要を仕様書として示し、見積りを求める。
多くの場合、複数の造船会社に対して見積りを求める。
コンテナ船、タンカー、バルクキャリアなどの商船は海運市況(海上輸送運賃)の影響を受け、船価が上下する性質を持つ。ドル建てでの契約が普通である。
大型鉄鋼船は、受注から完成まで1-6年程度かかるため、その間の為替、材料調達(例えば鋼材価格)のリスクの取り方が利益に影響する。
造船会社は仕様書から概略での基本設計を行い、建造に要する鋼材や装置類、加工賃や人件費など全てのコストを概算して、それに利益を加え見積り船価を出す。そこで算出された見積り船価に船台等のスケジュールと建造工程に掛かる時間等から見積り納期を出す。見積もった船価と納期を船主へ回答する[2]。これが「引合」である[注 1]。引合は見積りであるため、発注がなされなければ船主は大まかな基本設計を含めたあらゆる費用を支払う必要はない。
基本設計・受注
多くの場合、船主は複数の造船会社へ引合を出しているので、それらの回答や会社の財務内容、技術レベル、納期の確実性などを考慮して造船会社を決め、「レター・オブ・インテント」と呼ばれる契約書の発行によって「発注」する。造船会社は「受注」する。
(詳しい)基本設計
まずは船型を決めていく。船型は搭載量、燃費、最高速度、安全性に影響する最も重要な要素である。商船は大量の荷物を安価に運ぶことができる事を求められるため、積載量と燃費が重要である。軍艦は最高速度や堅牢性が求められる。船主の望む性能を備えた船型が理想である。
主機関、補機の諸元を決めるのもこの段階である。
細長い船体では推進抵抗は少なくなるが復原性が犠牲になり重心を下げなければ安全がおびやかされ、旋回性能も悪化する。
この船型を具体的にどのような構造で作るかを図面化する。なるべく少ない鋼材で必要な強度と使いやすい船内配置にするには、20mm前後の軟鋼製の船の外板を支える構造部材の構成が主要な具体的な設計段階での課題である。
新しい船型や標準船の船型を変更する場合は、有限要素法などのマトリックス法を使った数値シミュレーションによる構造解析や模型船を実験水路で走らせて実計測を行うなどの手法を繰り返して設計を行う。
基本設計のアウトプットは上記3点を図面化した 線図 (Lines)・中央断面 (Midship Section)・概略配置 (GA, General Arrangement)、及び客先との打ち合わせによる仕様書である。
船に機器類をどのように配置するかを図面化して、コンパクトで無駄の無い配置を行う。
詳細設計
基本設計が「どんな船を造るか」を設計するのに対し、詳細設計は「仕様書をどう具現化するか」を設計する。
具体的には、外板展開図・荷役展開図・機関室全体配置図・装置図・舵構造図・軸条プロペラ図・諸管系統図・電路系統図などの比較的大まかな図面の作成、据付図・取付図・製作図などの比較的細かい図面の作成、小組立要領図、大組立要領図、船台搭載要領図[3]、外注品の注文書作成、鋼板の加工データの作成などである。
船主や船級に提出した図面についたコメント(要求)や、艤装員のコメントの処理も行う。
比較的細かい設計については、子会社や協力会社に任せている場合も多い。
組み立て場所
船台
造船時の「船台」は、水面に対して2-3度程度ゆるく傾斜した陸上の広い斜面に組み上げられた船の台座のことである。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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