通貨偽造(つうかぎぞう、counterfeiting currency)とは、通貨つまり流通している紙幣や硬貨を偽造することである。
「偽金づくり」や「贋金づくり」とも言う。 通貨偽造とは、実際に世の中で使用されている紙幣や硬貨にそっくりに似せたものを作ることである。通貨偽造には紙幣を偽造することや、硬貨を偽造することが含まれる。 通貨偽造という行為によって作り出された 偽の通貨は偽造通貨(ぎぞうつうか)あるいは贋金(にせがね)と呼ばれる。特にお札の場合は偽札や偽造紙幣と呼ばれる。硬貨の場合は「偽造硬貨」とか、単に「にせがね」などと言う。 歴史を見れば、通貨偽造の歴史は通貨の歴史と同じくらいに古いものである。小規模のものから、大規模のものまであわせれば、歴史上様々な通貨偽造が行われてきたといえる。また統治者や政府によって、そうした通貨偽造に対する対策や闘いも常に行われてきた。 通貨偽造が誰にでも広く行われるようになると通貨の価値は次第に下がってしまう。偽もの通貨が大量に流通するようになると、人々はその通貨を信用できなくなり、その使用が困難になる。そうなるとその国家内での経済活動全般が停滞してしまうことが知られている。歴史的な事例によって、通貨が信用を失うことは統治機構(王朝や、現代の「政府」「政権」等々)の存亡にも影響することがある、と知られている。そのためそうした事態を防止するため、通貨偽造は各国の刑法で、犯罪に当たる、と定められている。通貨偽造罪と言って、一般に、かなり重い刑罰が設定されている。 硬貨偽造の歴史は古い。例えば、ビザンツ帝国でコンスタンティヌス1世がビザント金貨 現代では硬貨は通常は額面が低額で、偽造の費用が大きかったり犯罪が露見して逮捕された時の厳しい刑罰が重いことに比べて、偽造して得られる利得が小さくて、見合わない、などとされて、通貨偽造の中では比較的割合は小さい。 ただし金貨などの高額硬貨では硬貨偽造が起きることがある。たとえば天皇陛下御在位60年記念金貨大量偽造事件である。 そうした高額硬貨以外では、価値の低い他国硬貨の偽計行使もある。たとえば隣国の硬貨が、自国と似た材質・デザインや重量の場合に行われることがある。 特に大韓民国(韓国)で流通している500W(大韓民国ウォン)を悪用した通貨偽造(偽造、偽計利用)が横行して大問題となったことがある。日本の500円硬貨に似せて作られた500ウォン硬貨は日本の五百円硬貨にサイズ・材質・色合いがほぼ一致したため、重量をわずかに細工すれば、安い原価(500ウォン硬貨は、日本円にすると約50円相当でしかない)でそれを製造できたものだから、偽造が非常に横行した。ふたつの硬貨は重量が若干異なっていたことでかろうじて自動販売機の硬貨選別機が見分けていたのだが、主に韓国内で韓国人あるいは中国人が500ウォン硬貨に穴や数多くの「くぼみ」をつけて日本の500円硬貨に重量を一致させ、そのように作った偽造硬貨を大量に日本に運び込み、日本の自動販売機にそれを入れておつり返却操作を行って、かわりに日本の五百円硬貨を盗む手口が横行した。サイズ・材質・重量が一致したため、当時の自動販売機は偽硬貨を判別することができず、自動販売機を運用する商店などの被害は甚大で経営に行き詰まるところもでるといった事態も起き、深刻な社会問題となった。日本政府は対応策として、500円硬貨のデザインの一部と材質を変更し、なおかつ自動販売機製造企業などとも連携をとり、業界が自販機側の硬貨を選別する機構・ソフトウェア論理を対応させる、あるいは返却の仕組みの変更を実施したため、最近では事件は起きていない。「五百円硬貨#硬貨偽造」および「大韓民国ウォン#日本における変造500ウォン問題」も参照 ユーロ硬貨は表面のデザインは全て共通であるが、裏面のデザインは国ごとに異なっていて、スペインのユーロ硬貨の内1ユーロ硬貨にはスペイン国王フアン・カルロス1世の肖像が刻まれているが、肖像部分をアニメ「ザ・シンプソンズ」のキャラクターであるホーマー・シンプソンの顔に変造したものが2008年8月に発見された。[1] 紙幣を偽造する行為は紙幣偽造と言う。 紙幣が登場すると、紙幣偽造が行われるようになった。特に紙幣は一般に硬貨に比べて高額であるため、通貨偽造を行う者にとって利得が大きく、現代ではそれを試みる者の比率が高い。 紙幣製造の歴史は偽札との“闘い”あるいは「いたちごっこ」のようなものだと言われることがある。 紙幣偽造と言えば、基本的に印刷物を作るということなので、かつては小規模なものではもっぱら小さな印刷工場などで紙幣偽造が行われていた。マフィアやヤクザなどの犯罪集団が、印刷工
目次
1 概説
2 硬貨偽造
3 紙幣偽造
4 脚注
5 関連項目
概説
硬貨偽造
紙幣偽造