この項目「逐次重合」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:Step-growth polymerization
)逐次重合(ちくじじゅうごう、英: sequential polymerization)あるいは段階成長重合(だんかいせいちょうじゅうごう、step-growth polymerization) とは、官能基を二つ以上もつモノマーがまずダイマーを形成し、次にトライマー、と徐々に長いオリゴマーへと成長していき、最終的に長鎖ポリマーとなるような重合反応機構をいう。自然界に存在する多くのポリマーが、およびポリエステルやポリアミド、ポリウレタンなどのいくつかの合成ポリマーが逐次重合により生産されている。重合反応機構の性質から、大きな分子量に到達するまでには反応が高度に進行する必要がある。逐次重合の反応機構を思い描く最も簡単な方法は、複数の人間が手を繋ぎ合って人間の鎖を作る場面を想像することである。各人の二つの手が反応サイトに相当する。モノマーに二つよりも多い反応サイトが存在する場合もあり、この場合は分枝ポリマーが生成する。 人間に原始時代から用いられてきた自然ポリマーはほとんどが縮合型であった。初めての真の合成ポリマー材料はベークライトであり、1907年にレオ・ベークランドにより発表された。この材料はフェノールとホルムアルデヒドの逐次重合により生産される。1930年代デュポンにおける研究リーダーとして働いていた合成ポリマー科学の先駆者、ウォーレス・カロザースは逐次重合を用いる新たなポリエステルの製法を開発した。この反応は大きな分子量を達成することを目的として設計された初めての反応であり、かつ科学的理論によって結果を予言した上で行なわれた初めての重合反応でもある。カロザースは逐次重合系のふるまいを記述する一連の数式を開発し、今日ではカロザース方程式として知られている。物理化学者のポール・フローリーとの協力により、速度論や量論、分子量分布などの逐次重合のより詳しい数学的側面を記述する理論が開発された。カロザースはナイロンの発明者としても知られている。 逐次重合と縮合重合とは別の概念であり、必ずしも一致する概念ではない。実際、ポリウレタン重合時の反応機構は(他の低分子を生成しないので)付加重合であると言えるが、同時に逐次重合の反応機構により進行する。 付加重合と縮合重合の区別は1929年にカロザースにより次のように重合の生成物に基く区分として導入された[1][2]。 逐次重合と連鎖重合の区別は1953年にフローリーにより次のように反応機構に基く区分として導入された[3]。 逐次重合の特徴を示すため、しばしば連鎖重合との対比が行なわる。 逐次重合 連鎖重合
目次
1 歴史
2 逐次重合と縮合重合
3 逐次重合と連鎖重合との違い
4 様々な逐次重合による生成物
4.1 分枝ポリマー
5 反応速度論
5.1 自己触媒ポリエステル化
5.2 外部触媒ポリエステル化
6 線形重合における分子量分布
6.1 確率
6.2 数分率分布
6.3 重量分率分布
6.4 多分散指数
7 線形重合における分子量制御
7.1 量論制御の必要性
7.2 定量的側面
8 多鎖重合
9 逐次重合ポリマーの進歩
9.1 芳香族ポリエーテル
9.2 ポリエーテルスルホン
9.3 芳香族ポリスルフィド
9.4 芳香族ポリイミド
9.5 テレケリックオリゴマー法
10 関連項目
11 外部リンク
12 出典
歴史
逐次重合と縮合重合
ポリマーのみ:付加重合
ポリマーと低分子:縮合重合
官能基により進行:逐次重合
ラジカルもしくはイオンにより進行:連鎖重合
逐次重合と連鎖重合との違い
基質全体で成長が進行各分子鎖の一端もしくは両端でのみ成長が進行
モノマーは反応の初期段階で消滅反応進行中の長いあいだモノマーが残存
類似の段階的成長が反応過程全体にわたって繰り返される開始反応、伝播反応、停止反応、連鎖移動の異る段階を踏んで進行
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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