透明人間_(1933年の映画)
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透明人間
The Invisible Man
監督
ジェイムズ・ホエール
脚本R・C・シェリフ
フィリップ・ワイリー
原作H・G・ウェルズ透明人間
製作カール・レムリ・Jr
出演者後述
音楽ハインツ・ロームヘルド
撮影アーサー・エディソン
編集テッド・J・ケント
製作会社ユニバーサル・ピクチャーズ
配給ユニバーサル・ピクチャーズ
公開 1933年11月13日
1934年3月29日[1]
上映時間70分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
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セットのジェームズ・ホエール監督(左端)

『透明人間』(とうめいにんげん、The Invisible Man)は、ジェイムズ・ホエールが監督し、ユニバーサル・ピクチャーズが1933年に制作したホラー映画である。原作はH・G・ウェルズ同名のSF小説
概要

1930年代の映画の中で最も偉大なユニバーサル・ホラーの映画の1つに数えられており、透明人間のアイデアを使っておきながら、ウェルズの原作とはかけ離れたスピンオフが量産された。

アメリカの映画に初主演となるクロード・レインズは、肉体から離れた者として、透明人間(ジャック・グリフィン博士)を演じた。映画の最後の方でレインズの姿ははっきりと見えるが、それ以外は包帯を巻いたままの姿をしている。共演者の中にはグロリア・スチュアートもいた。
あらすじ

物語は、顔を包帯で覆い、目を黒いサングラスで隠した奇妙な男が、サセックスのアイピング(Iping)という村の宿屋に泊まりに来るところから始まる。

クォーター硬貨を置いていくこともせずに、宿屋の女将(ウナ・オコーナー)に自分を一人にするよう頼む。時が経って、主人(フォレスター・ハーヴェイ)が部屋をめちゃくちゃにして宿賃を滞納している男に出て行くように通達すると、男は騒ぎを起こして、彼が透明人間であると言う秘密を明らかにする。彼は服を全部脱いで透明な姿を現すと、警官を絞め殺しにかかる。

透明人間の正体は、モノケインと呼ばれる不思議な新薬の実験を行っているうちに透明化の秘密に気づいた科学者ジャック・グリフィン博士であった。彼は師であるクランリー博士(ヘンリー・トラヴァース)のいるラボに戻る。そこには彼の秘密を漏らした元同僚のケンプ博士(ウィリアム・ハリガン)と、グリフィン博士のフィアンセであるフローラ・クランリー(グロリア・スチュアート)もいた。モノケインはグリフィンの肉体全体に行きわたり、グリフィンは人間の目には完全に見えない肉体となった上、狂気のとりこになってしまう。

宿屋から逃げてきたその夜、グリフィンはケンプのリビングに現れ、ケンプを監禁する。彼はケンプに、宿屋へ一緒に戻って自分の書いた透明化に関する書物を取りに行くよう脅す。そこへ警官がやってくるが、グリフィンに木製のスツールで殴り殺される。

ケンプはクランリーに助けを求め、ケンプの秘書は警官を呼ぶ。フローラもやってきて、警察が来るまでの間グリフィンと会話を交わす。会話の内容は、グリフィンとフローラが互いに夢中になるほど愛し合っているということがわかるものである。フローラの前で彼女をダーリン(Darling)と呼ぶほどグリフィンの気分は落ち着く。

グリフィンは力について大言壮語を吐くが、警察が来たのを見てケンプが自分を裏切ったことに気づき、まず最初にフローラを外へ避難させることにする。彼女は一緒にいたいとせがむが、グリフィンに「僕ができることは君を逃がすことだけだ。そうなったら警察は君に手出しができない。さあ行ってくれ。」と説得されてしまう。

ケンプを翌日の午後10時に殺害すると予告した後、グリフィンは再び逃走し、人を殺したり、強奪したり、悪意のある声でわらべ歌を歌ってみせながら通りを駆け抜ける。警察は透明人間を捕まえる方法を見つけた人に賞金を与えることにすることを発表した。

ケンプは自分を守るために、警察官の一人に変装することになったが、グリフィンはその様子をずっと見ていて、ケンプの手を縛って乗用車の前の席に乗せ、緊急ブレーキを解除して逃走する。車は丘を転げてがけから落ちて爆発する。それから電車を脱線させて、捜査に協力していた警官2人をがけへ投げ飛ばし、納屋へ隠れるが、農夫からの通報で警察が納屋へ火を放つ。グリフィンが納屋から出てきたとき、雪の上の足跡や炎に照らされて見える、ひどい重傷を負ったグリフィンを見つける。

彼は死の床でフローラに、ある種の科学の力が自分を孤独にしたと語る。死んだ途端、モノケインの効果が薄れていき、本来の姿が再び現れる。
登場人物
主な人物


透明人間ことジャック・グリフィン博士(
クロード・レインズ) - 肉体を透明にできる薬を開発した科学者。

フローラ・クランリー(グロリア・スチュアート) - グリフィンの婚約者。

アーサー・ケンプ博士(ウィリアム・ハリガン) - グリフィンの同僚であった科学者。

クランリー博士(ヘンリー・トラヴァース)

その他にも記者役にドワイト・フライ、自転車を盗まれる男役にウォルター・ブレナンといった俳優が端役で出演し、ジョン・キャラダインがピーター・リッチモンドの名前で出演していた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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