退職
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

公職の、自発的な退職や任命権者の処分によらない「退職」については「失職」をご覧ください。

退職(たいしょく)とは、就業していた労働者が、その職を退き労働契約を終了させること。一般的には退社[注 1]や離職[注 2]という表現をとる場合もある。

雇用終了

解雇

雇い止め

会社都合退職

自己都合退職


日本における雇用終了労働条件通知書

労働基準法について、以下では条数のみ記す。

退職に関する事項(解雇の事由を含む)は、就業規則の絶対的必要記載事項とされていて、使用者は退職の事由を就業規則に記載しなければならない(第89条)。また労働条件の絶対的明示事項ともされていて、使用者は労働契約締結に際して労働者に対して解雇の事由を書面で明示しなければならない(第15条1項)。
退職事由の分類

おもに労働者個人の事情によるもの(いわゆる自己都合退職)と、事業者側の事情によるもの(いわゆる会社都合退職)に大別される。またあらかじめ契約の終期が決まっていてその時期が到来したもの(就業規則に定めた年齢に達したことによる定年退職、労働契約期間満了に伴う退職、等)がある。
自己都合退職

労働者からの意思表示により労働契約の解除を申し入れるものである。法令上は口頭での申し入れも有効であるが、一般的には書面(退職願・退職届)を提出することが多い。この意思表示は撤回することができない(民法第540条2項)[注 3]

なお、民法上は、解除を申し出た日の2週間後に解除されることになっているが(民法第627条)[注 4]就業規則や個別契約の特約があればそちらの規定が優先される。申し出た日に使用者側が合意すれば、「労働契約の合意解除」になり即日もしくは14日より以前もしくは以降の解除も可能である。

労働契約締結の際に使用者が明示した労働条件が、事実と異なる場合において、労働者側から労働契約を即時に解除することができる(懲戒退職、第15条2項)。

女性結婚に伴い退職する場合を俗に「寿退職」「寿退社」と表現する場合もあるが、女性の働き方の変化により、21世紀の現在では廃語(死語)になりつつある[1]
会社都合退職

使用者から労働者に退職するよう勧奨するもの(いわゆる退職勧奨)、使用者の発意による雇用終了(解雇)があたる。解雇は、労働者を個別に解雇する普通解雇、重大な法令・就業規則違反のあった労働者に対する懲戒解雇、事業所の経営上の都合による人員整理、事業縮小に伴う整理解雇などがある。
解雇

解雇とは労働契約の会社からの一方的破棄であり、労働者の生活の糧を得る手段を失わせるものであるから、その実施については厳格な法的要件が使用者に課されている。

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は解雇権の濫用(不当解雇)として無効である(労働契約法16条)。
退職時等の証明退職事由に係るモデル退職証明書

労働者が、退職の場合において、退職時の証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない(22条1項)。法定の記載事項は以下のとおりであるが、労働者からの請求があればこれら以外の事項を記載しても差し支えない。一方これらの事項であっても、証明書には、労働者が請求しない事項を記入してはならない(22条3項)。

使用期間

業務の種類

その事業における地位

賃金

退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む)

「解雇の理由」については、具体的に示す必要があり、就業規則の一定の条項に該当する事実が存在することを理由として解雇した場合には、就業規則の当該条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を証明書に記入しなければならない(平成15年10月22日基発第1022001号)。

解雇予告された労働者は、退職の日までに使用者に解雇の理由を記した証明書を請求することができ、請求を受けた使用者は遅滞無く交付しなければならない。ただし、解雇予告を受けた労働者が、解雇以外の事由で退職した場合は、退職の日以降、使用者は交付する責を負わない(22条2項)。この場合、労働者は、当該解雇予告の期間が経過したからといって、改めて22条第1項に基づき解雇の理由についての証明書を請求する必要はない(平成15年10月22日基発第1022001号)。懲戒解雇の場合であっても同様である。なお、労使の間で退職事由について見解の相違がある場合、使用者は自らの見解を証明書に記載して遅滞なく交付すれば、それが虚偽である場合を除き、22条違反とはならない(平成11年3月31日基発169号)。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:40 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef