近鉄奈良駅
駅全景(2014年9月)
きんてつ なら
Kintetsu-Nara (Nara Park)
(奈良公園前)
◄A27 新大宮 (1.7 km)
近鉄奈良駅(きんてつならえき)は、奈良県奈良市東向中町にある近畿日本鉄道(近鉄)奈良線の駅であり、同線の終点。駅長配置駅である。駅番号はA28。実質的な奈良市の中心駅である。 1914年(大正3年)4月30日に開業[1]。奈良市街地への乗り入れに係る協議が難航していたため、当初は奈良市高天(たかま)町に仮駅として設けられていたが、同年7月8日に当初の計画通り奈良市東向中町まで延伸し駅が移転した[1]。開業以来地上駅で、駅へは併用軌道で乗り入れていたが、併用軌道により奈良線の高速化は妨げられ、さらにモータリゼーションが進展すると当駅付近で自動車の渋滞が頻発していたことから、大阪万博の開催を控えた1968年(昭和43年)より奈良市内の都市計画事業の一環として地下化が実施された[2]。駅は地下へ移設され1969年(昭和44年)12月9日に開業し、旧駅の跡地には翌年3月11日に駅ビルとして奈良近鉄ビル(坂倉準三設計)が開業した[2]。 櫛形ホーム4面4線の、奈良県内では唯一の地下駅である。改札口は東西双方に設けられている。コンコースは広く、修学旅行生の集合場所に使われることもある。近年はそのスペースを利用して、近鉄の奈良駅営業所(旅客案内窓口)、奈良市の酒造会社・奈良豊澤酒造が運営する立ち飲み処「蔵元 豊祝」、イタリアンカフェの「カフェ チャオプレッソ」(運営は近鉄リテーリング)、ドラッグストアのコクミンなどの店舗が設けられている。 1914年の大阪電気軌道開業以来、翌年の日本万国博覧会開催を控えて実施された1969年12月の地下線切り替えまでは併用軌道の終端に位置する地上駅であり、現在のバスターミナルに相当する区画を中心に、櫛桁式配置のプラットホームや駅舎などが設置されていた。
歴史
年表
1914年(大正3年)
4月30日:大阪電気軌道上本町 - 当駅間開業と共に奈良駅として開業[3]。位置は現在の高天交差点付近[3]。
7月8日:仮駅から本駅へ移転[3](現在の大宮通西行車線と駅ビル北側部分の地上区画に存在。当時の大宮通は近鉄奈良駅より西側は現東行車線のみ、同駅より東側は現西行車線のみの幅員であった)。
1928年(昭和3年)8月:大軌奈良駅に改称[4][5]。
1930年(昭和5年) 2月:降車ホームを上本町寄り本線上に設置。乗降分離を実施。
1941年(昭和16年)3月15日:関西急行鉄道発足(大阪電気軌道と参宮急行電鉄が合併)[3]。関急奈良駅に改称[6]。
1944年(昭和19年)6月1日:近畿日本鉄道発足(関西急行鉄道と南海鉄道が合併。ただし南海線は後に再分離)[3]。近畿日本奈良駅に改称[6]。
1968年(昭和43年)2月3日:油阪 - 当駅間の地下線建設工事着工[2]。
1969年(昭和44年)12月9日:地下化[2]。
1970年(昭和45年)
3月1日:近鉄奈良駅に改称[6]。
3月11日:奈良近鉄ビルがオープン、ビル内に奈良ホテル別館が開業[7]。
1971年(昭和46年)4月1日:定期券専用自動改札機を設置[8]。
1988年(昭和63年)3月18日:1・2番線の延長工事が完成した(同年1月)ため、当駅発着列車の10両運転を本格開始[注 1]。
1991年(平成3年)6月30日:駅ビル内の奈良ホテル別館が閉館[9]。
2007年(平成19年)4月1日:PiTaPa使用開始[10]。
2022年(令和4年)12月3日:副駅名「奈良公園前」を設定[11]。
駅構造リニューアル後のコンコース