近畿日本鉄道の車両形式
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近畿日本鉄道の車両形式(きんきにっぽんてつどうのしゃりょうけいしき)では、近畿日本鉄道(近鉄)が保有する鉄道車両の形式と、その分類法及び特色について記す。
共通事項

車両面においてはあらゆる面で評価が高く、鉄道友の会の「ブルーリボン賞[* 1]や「ローレル賞[* 2]のほか、「グッドデザイン賞[* 3]、「ブルネル賞[* 4]などを受賞した車両が多い。

車内の製造銘板は、アクリル板製で赤帯に黒文字の「(社章)近畿車輛」(1988年製まで)か、ステンレス製で青文字の「KS(ロゴ) 近畿車輛 KINKI SHARYO」(1989年製以降[* 5])のみで、製造年の表示はしていない[* 6]。ただし、車外の製造銘板では製造年が書かれている。これは京都市営地下鉄の車両も同じである[* 7]

運転台は貫通式を基本としており、を取付けて通り抜けできるようにしている[* 8]。ただし、21000系以降の特急車については汎用タイプ除き非貫通式(50000系は非常口を設置)、通勤車については地下鉄直通仕様車両(貫通路に代えて非常口を設置)と特殊狭軌線を除き貫通式である。特急車の場合は12000系(南大阪・吉野線用は16010系)以降の形式で、幌カバーを採用する[* 9]

標準軌線に所属する車両は、特急車と通勤車で電気機器と空気機器の配置が左右逆となっていることに加え、通勤車では所属路線ごとに細部が異なる(例えば、近鉄では車体の向きに1位・2位が存在するが、奈良線系・京都線系・南大阪線系では大阪と逆の方が1位、他の各線では大阪または名古屋側が1位となる[1][* 10][* 11])。狭軌線所属車両も特急車と通勤車で機器配置が大きく異なっていたが、26000系以降に製造された狭軌線用特急車では概ね共通化されている。また、標準軌線と狭軌線の通勤車同士でも機器配置が大きく異なる。

1972年から1975年にかけて、運転台機器の形状を車両の新旧問わず統一した。この標準形運転台は特急車は21000系まで[* 12]、通勤車はシリーズ21登場直前まで採用された。これは車両によって異なっていたメーター類や自動列車停止装置 (ATS)、列車種別選別装置などの表示灯の位置を統一し、乗務員の取り扱いに間違いがないように配慮したものである。ただし、マスコンの仕様が使用路線で異なるなど[* 13]完全に統一されてはいない。標準形運転台付の車両はブレーキ装置についてもほぼHSC系に統一されている。

警笛は、自動車の警笛に似た電気笛(ハイウェーホーン)と、高低2音吹鳴の空気笛(ダブルタイホン)を併用しており、近鉄電車の大きな特徴となっている。さらに21000系以降の特急車では音色の異なる電気笛を装備している。

日本において、20m以上の長さで片側に4つの扉を備えた車体を持つ標準軌の通勤電車を運行しているのは近鉄と京都市営地下鉄のみである。また、車両長JRの通勤・近郊・一般型電車[* 14]より長い21m級[* 15]を標準としている。

日本の多くの鉄道会社では車掌スイッチは下のボタンが「開」、上のボタンが「閉」となっているが、近鉄では逆になっている。近鉄線に乗り入れる阪神電気鉄道の車両はレバーを上下する(上に押すと開き、下に引くと閉まる)方式なっており統一されていない。なお、これは京都市営地下鉄の車両についても同じである(大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉については不明)。

旧・南海鉄道から引き継ぎ、一時的に近畿日本鉄道の所属となった車両及び、南海鉄道が近畿日本鉄道に併合されていた時代に旧・南海鉄道線向けとして製造・購入された車両に関しては、南海電気鉄道の車両形式ならびに阪堺電気軌道の項目を参照のこと。

なお、前述のように車両史に残る名車を数多く輩出しているが、自社での保存車両は五位堂検修車庫のデボ1形や高安検修センター内の18400系・3000系のカットモデルとごく少数に限られている。これは、関西・東海の鉄道事業者が運賃収入に結び付きにくい車両の保存に消極的[* 16]であることや、車両新造の際、廃車となった車両から機器流用を行うことが多かったことが理由に挙げられる[* 17]
メーカー

新性能車以降での主制御装置のメーカーの分布は路線ごとに異なり、かつては奈良・名古屋・南大阪線系統は日立製作所、標準軌特急車と大阪・京都線系統は三菱電機と棲み分けがなされていた(一部他社製のものを採用するなどの例外があった)が、現在では、奈良・京都・大阪・名古屋線と1986年に開業したけいはんな線では日立と三菱が混在(後述の80000系の一部を除く[2]標準軌線区の特急用車両、急行用クロスシート車5200系列・5800系、および京都市営地下鉄直通用の3200系はすべて三菱、同じく京都市営地下鉄直通用の3220系はすべて日立)、南大阪線は特急車を含めてすべて日立である(6800系が唯一三菱であった)。

富士電機製や東芝(補助電源装置や特急車の冷房装置などで実績あり)製の制御器は一度も採用されていない。東洋電機製造(車両のパンタグラフで実績あり)製の制御器も近畿日本鉄道となってからの採用例は6441系などごく少数のみである。

主電動機は原則として三菱製のものが採用されているが、一部に日立製や東洋製などの主電動機を装備した系列があった。近年では80000系の一部で日立製主制御装置と日立製主電動機の組み合わせが登場している[2]

近鉄の車両は原則グループ企業の近畿車輛(近車)製だが、西信貴ケーブル線の車両は日立製である他、内部八王子線の付随車(三重電気鉄道引継車)には帝国車輛日本車輌製造(日車)・ナニワ工機製のものがあり、1950年代前半(6421系)まで名古屋線向けは日車製であるなどの例外もある。内部・八王子線は経営分離により、6421系等は廃車によりすでに除籍されているため、西信貴鋼索線の車両を除けば2019年現在、自社保有車両は近畿車輛製に統一されている。

台車も基本的に近車が製造しており、1954年から1992年までは同社がスイス・カー・アンド・エレベーター (SWS) 社との提携によって開発されたシュリーレン式円筒案内軸箱支持機構を標準採用(特殊狭軌線と7000系5200系、5209系を除く)、以降は近車独自開発の片持ち式積層ゴム支持による軸箱支持機構を備えたボルスタレス台車を採用している。このため、関西大手私鉄で唯一、日本製鉄(旧住友金属工業→新日鐵住金)製のFS・SS台車を採用していないが、近鉄成立以前の大阪電気軌道や参宮急行電鉄時代からシュリーレン式台車の実用化までは同社製品を主に使用していた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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