この項目では、日本の近畿地方について説明しています。放送局における地域区分(近畿広域圏)については「広域放送」をご覧ください。
近畿地方のデータ
2府5県の合計
国 日本
面積33,112.42km2
推計人口21,920,779人
(2024年4月1日)
人口密度662人/km2
(2024年4月1日)
位置
近畿地方の位置
近畿地方の地形図
近畿地方(きんきちほう)は、本州中西部に位置する日本の地域である。かつての令制国における畿内(五畿内、五畿。「畿
」は「都」の意)とその近隣地域から構成される。難波宮、平城宮、平安宮など古代より日本の都が置かれた皇城の地であった。域内には京阪神大都市圏(近畿大都市圏)を擁し、京都市・大阪市・神戸市の三都を都市中枢とするメガロポリスが統べている。「近畿地方」の範囲について法律上の明確な定義はない[注釈 1]が、「近畿」については認定教科書(文部科学省指導要綱)および主要な百科事典では大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県の2府5県を指すことが多く[2]、当項でも特記がある場合を除いてこの範囲で説明する。(五畿以外に関して、京都府については「行政区画の山陰道、山陽道」、兵庫県については「行政区画の山陰道、山陽道、南海道」、和歌山県については「行政区画の南海道」三重県については「行政区画の東海道、南海道」、滋賀県については「行政区画の東山道」の記事も参照) 「近畿」はこの地方に長らく日本の都が置かれていたことにちなむ語である。律令制における広域行政区画「畿内」とその近隣地域という意味で、現代語に置き換えると「首都圏」に近い。主に歴史・文化用語で用いられる「上方」も、京都に皇居が所在していたことにちなむ語である。現在では大阪府大阪市を首位都市とした地域であり、兵庫県神戸市と京都府京都市とともに首都圏に次ぐ京阪神大都市圏を形成している。一方で三重県は伊賀地方を除いて大阪市ではなく愛知県名古屋市とのつながりが強いため、東海地方(中京圏)にも含まれる。そのため、三重県を除いた「近畿(関西)2府4県」と言われることもある[3][4][5]。テレビ局の広域放送においても近畿広域圏は三重県を除く2府4県であり、三重県は東海3県の一つとして愛知県と岐阜県とともに中京広域圏に含まれている。 「近畿」という名称は明治時代に地理の教科書で採用されて広まったものである。1898年(明治31年)に『中外地理学 内国之部』で「近畿区」として、翌年に『日本地理』で「近畿地方」として使われたのが最初で(どちらも中学校教科書)、1903年(明治36年)の第1期国定教科書『小学地理』で確立された[6]。なお、ジョアン・ロドリゲスの『日本教会史』は「畿内(五畿内)」の同義語として「京畿」と「近畿」を挙げており、「近畿」という言葉自体は近世にも存在していたことが分かる[6]。 類似した範囲を指す名称として「関西」があるが、「関西」が指す範囲は時代によって変化しており(当初は西日本一帯を指す語)、現代でも場面や個人によってまちまちである[7]。現在、「関西」は民間または海外向け、「近畿」は行政や気象庁など公的な場面で使用される場合が多い[8]。 近畿大学(近大)、KinKi Kids、近畿自動車道、近畿日本鉄道(近鉄)、近畿産業信用組合など。 「近畿」と発音が類似する英語の "kinky" に「ねじれた」「変態の」といった意味があり、国際化の進展で風評被害の問題となったことから、近畿大学が2016年4月から、英文名称を「KINKI UNIVERSITY」から「KINDAI UNIVERSITY」に変更した[9][10]。近畿経済産業局は英文表記に "Kansai"を用いており、近畿運輸局も2015年から英文表記に Kansai を必要に応じて使っている[11]。また、近畿商工会議所連合会が2015年7月22日に「関西商工会議所連合会」に名称変更した[12]。2014年秋には、関西経済連合会が国に対し、出先機関の名称の「関西」への統一などを求めたが[11]、その後も統一はされていない。
概要
名称の使用例
英語との関係
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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