この項目では、製薬会社について説明しています。近江兄弟社高等学校・中学校・小学校・幼稚園およびそれらを運営する学校法人については「学校法人ヴォーリズ学園」をご覧ください。
株式会社近江兄弟社
OMI Brotherhood, Ltd.近江兄弟社本社(2015年10月)
種類株式会社
市場情報非上場
本社所在地 日本
〒523-0867
滋賀県近江八幡市魚屋町元29
設立1920年12月6日
業種製造業
法人番号7160001010678
株式会社近江兄弟社(おうみきょうだいしゃ、OMI Brotherhood, Ltd.)は、滋賀県近江八幡市に本社をおく医薬品メーカー。軟膏薬「近江兄弟社メンターム」で知られる。 軟膏薬「近江兄弟社メンターム」を中心に、医薬品・医薬部外品・化粧品等のスキンケア商品を製造販売している。 明治38年(1905年)に創業者W・M・ヴォーリズがキリスト教の伝道を志し、近江商人の士官学校と言われた滋賀県八幡商業学校に英語教師として赴任。ここで近江商人を目指す若き青年たちと出会うことになる一方、課外で自主的に開催していたバイブルクラスに生徒が数多く集うようになったことが、仏教の色濃い地域との宗教的な対立を生むことになった。これが原因で、2年後の契約更改時に教師の職を解かれることになってしまう。 W・M・ヴォーリズは、昭和39年(1964年)5月7日、83歳の生涯を終えるまで近江八幡に留まり、キリスト教伝道とその主義に基づくさまざまな事業展開を行った。 まず、翌明治41年(1908年)に、建築家レスター・チェーピンと共に再来日。商業学校を卒業したばかりの吉田悦蔵と3人で、キリスト教伝道のかたわら生活の糧を得るために建設設計の仕事をスタートさせた。
概要
キリスト教の信仰に基づいた社業では、「近江兄弟社メンターム」など皮膚薬のトップメーカーとして着実な業績を挙げている一方、グループ各企業では、建築設計、病院、老人保健施設、学校なども経営している。
本社は滋賀県近江八幡市魚屋町元29。企業理念は「Operations on Mission Industry ?「信仰と商売の両立の実践」? 」。
社名の由来は創業者ヴォーリズの愛した「近江」の地名と、クリスチャン精神に基づき目的に向かって心を一つにする仲間という意味を持った「兄弟」を合わせて命名された[1]。 近江兄弟社の以前の主力商品は、メンタームではなくメンソレータムであった。 メンソレータムは、アメリカ合衆国のメンソレータム社の製品であり、同社の創始者アルバート・アレキサンダー・ハイドとヴォーリズの出会いが縁で日本での販売権が与えられた。ハイドはこの他にも、当時の日本でキリスト教伝道のために尽力するヴォーリズの働きを資金面で助けたかけがえのない恩人となったといわれる。実際、メンソレータムの販売はヴォーリズの各事業を資金面で大きく支え、自給自足での事業運営と「事業を通じて神の証をする」という近江兄弟社の理念実現を後押しした。 当時、メンソレータムを世に広めたきっかけとして、佐藤安太郎の働きがあった。佐藤安太郎は、東京九段で文部省御用商人を主業とする老舗の佐藤商店を手広く経営していたが、吉田との出会いを契機に商店の経営を後身に譲り渡して近江兄弟社に入社、同時にメンソレータムの販売を任された。最初の頃は佐藤だけで伝票も小包も発送も受け持つ程度であったが、何とかして一包でも多く消費者に届けたいと思い立ち、1オンス瓶入りのメンソレータムと伝道誌「湖畔の声(現在もなお続刊されている)」を携えて、大阪や京都の薬問屋を訪問しては取次ぎを頼んで回った。 また、佐藤は日本全国の基督教会へ呼びかける案を立て、事実その通りに全国の教会、婦人部を訊ねて、ハイド氏とメンソレータム、ヴォーリズと吉田らの志、近江ミッションの設立からメンソレータムの売上金の幾らかを伝道のために献金することを説いて回った。
メンソレータムとメンターム