近江鉄道バス(おうみてつどうバス)は、近江鉄道株式会社が運営しているバス事業である。略称は「近江バス」[1][2](会社名となっていた時期もある)。近江鉄道の鉄道事業が「近鉄」と呼ばれたように、かつては年配者を中心に「近鉄バス」(きんてつバス)と呼ばれていた[注 1]。 滋賀県南部・東部を営業エリアとし、草津市・栗東市・東近江市・日野町のコミュニティバスの運行を受託している。2021年3月31日現在、一般乗合旅客自動車運送事業(路線バス)車両を154両、一般貸切旅客自動車運送事業(観光バス)車両を90両保有している[3]。県北東部の彦根市・長浜市周辺にも路線を有していたが、現在は子会社の湖国バスが運行している。 かつては観光バスの営業所を保有していたが、すべて撤収した。なお、同社は高速バス事業も手がけているが、長距離路線の運行からは撤退している。 系統番号を持つ路線と持たない路線が混在するが、系統番号に関する記述はすべて省略する。なお、停留所名の重複が多いため、それに該当する停留所にはカッコ書きで所在する市町名を太字で表記した(※一部の停留所では副名称としてカッコ書きを用いるため、この措置を適用する)。 なお、大津市内の一部路線は乗車区間によっては他の路線バス事業者と並行している区間と運賃を比較すると、「近江鉄道バスに乗車する方が安くなる」という事象が発生した時期があったが、2022年(令和4年)4月1日に解消された[11]。
概要
沿革
1930年(昭和5年)10月:近江鉄道株式会社が一般乗合旅客自動車運送事業(定期バス)免許を取得[4]。
1950年(昭和25年)4月:滋賀県内での一般貸切旅客自動車運送事業(観光バス)免許を取得[4]。
1973年(昭和48年)6月:乗合旅客自動車、貸切旅客自動車部門を近江バス株式会社に営業譲渡[4]。
1986年(昭和61年)4月:近江鉄道株式会社と近江バス株式会社が合併[4]。
1987年(昭和62年)12月:湖国バス株式会社が営業を開始[4]。
1999年(平成11年)11月:観光バス事業の名古屋営業所(名古屋市港区)を湖国バスに譲渡(※2006年2月廃止)。
2003年(平成15年)3月:立命館路線にバスICカードシステムを導入[4]。
2004年(平成16年)3月:観光バス事業の大阪営業所(大阪府大東市)と京都営業所(京都府京都市伏見区)を閉鎖。
2008年(平成20年)4月21日:高速バスの長距離路線運行から撤退。
2021年(令和3年)3月27日:一部路線を除き、ICOCAの導入および交通系ICカード全国相互利用サービスを開始(ICOCA定期券は4月1日利用開始)[5][6][2]。ICOCA導入に伴い、自社専用の「近江鉄道バスICカード」は2021年3月31日をもって取扱いを終了[5]。
PiTaPa交通利用エリアではないため、PiTaPaカードで乗車した場合には他の交通系ICカードと同様、プリペイド方式での利用となる[7]。
2022年(令和4年)7月1日:貸切バス事業の京都営業所(京都府京都市南区)を開設[8][9]。
バス営業所
大津営業所
滋賀県大津市瀬田大江町51-1[10]
あやめ営業所
滋賀県野洲市菖蒲14-1[10]
八日市営業所
滋賀県東近江市八日市東本町11-3[10]
京都営業所(貸切のみ)
京都府京都市南区吉祥院石原堂ノ後町4-1[10]
現行路線
大津営業所
草津駅西口発着「まめバス (草津市)」も参照
烏丸下物線
草津駅西口 - 上笠 - 下笠中央 - 穴村 - 芦浦 - 片岡 - 下物(おろしも) - グリーンプラザからすま( ← 水生植物公園みずの森) - 琵琶湖博物館
備考
琵琶湖博物館発着を基本とするが、朝晩の一部は[草津駅西口 - 下物]間のみを運行する。なお、琵琶湖博物館発着として運行する便は経由地が異なる便が過去にいくつか存在した(廃止路線を参照)。「水生植物公園みずの森」で降りる場合は「琵琶湖博物館」行きに乗車し、その便が終点に到着した後も引き続き乗車すると降りることができる[注 2]。
近江大橋線
草津駅西口 - 上笠 - 下笠中央 - 下笠 - 陽の丘団地口 - 山田 - 御倉 - 矢橋 - 矢橋郵便局前 - 新浜 - 近江大橋口 - イオンモール草津 - 丸の内町 - 西ノ庄(びわこ大津プリンスホテル前) - 馬場一丁目(県立体育館前) - 義仲寺 - 大津署前 - 商工会議所前 - 松ヶ枝町 - 県庁前 - 大津駅 - 浜町 - 浜大津
備考
当路線の「近江大橋口」停留所は滋賀県道18号大津草津線沿いにある。なお、近江大橋はこの停留所から西へ約1 km離れている[注 3]。
浜街道線
草津駅西口 - 上笠 - 下笠中央 - 下笠 - 陽の丘団地口 - 山田 - 御倉 - 矢橋 - 矢橋郵便局前 - 新浜 - 近江大橋口(浜街道) - 大将軍一丁目北 - 瀬田北小学校 - 月の輪自動車教習所前(月の輪) - 瀬田駅
草津駅西口 → 上笠 → 下笠中央 → 下笠 → 陽の丘団地口 → 山田 → 御倉 → 矢橋 → 矢橋郵便局前 → 新浜 → 近江大橋口(浜街道)
備考
当路線の「近江大橋口」停留所は滋賀県道26号大津守山近江八幡線沿いにあり、停留所の看板は「近江大橋口(浜街道)」という表記となっているため、経由地案内もそれに準じたものとした。瀬田駅発着:平日は2往復と瀬田駅発の片道2便(合計6便)、土曜・休日は瀬田駅発の片道2便のみ運行となるが、瀬田駅発の 「月の輪自動車教習所前(月の輪)」はのりば位置が異なる(※イオンモール瀬田線に準するため。位置は同路線を参照)。近江大橋口発着:草津駅西口発のみ運行するが、陽の丘団地口止りとして運行する便も混在する。
南草津西口線
草津駅西口 - 上笠 - 下笠中央 - 下笠 - 陽の丘団地口 - 山田 - 御倉 - 矢橋北口 - 淡海医療センター - 中林町 - 矢橋東口 - 南草津団地 - 川の下 - 南草津駅西口
上笠平井循環線
草津駅西口 - 西渋川一丁目 - 野村八丁目 - 野村会館 - ハローワーク草津 - 上笠郵便局 - 上笠天満宮 - ワークステーション若秩B- 笠縫東小学校 - 平井会館 - 新平井橋 - 草津東高校 - 渋川福複センター - 草津駅西口
備考
[→]方向が右回り、[←]方向が左回り。※「まめバス(草津市)」に使用する車両と同型の車両(「まめバス(草津市)専属車」ではない)で運行するが、「近江鉄道バスの路線」として運行するため、この欄に記載した。