轟天号
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轟天号(ごうてんごう)は、東宝の各種映像作品に登場する架空の兵器である。
概要

特撮映画海底軍艦』(1963年)で初登場。同作以降も多くの作品に登場しているが、それぞれに直接のつながりはない。しかし、「人類の最後の希望」として扱われ、人類を救う最終兵器的役割を持たされる点は共通している。

戦艦潜水艦を併せたような形状と艦首の巨大なドリルが特徴[1][2]。『惑星大戦争』の轟天は宇宙船であるが、それ以外では一貫して「飛行可能な潜水艦」として扱われている。原作小説『海底軍艦』に登場する電光艇が原型であるが、ドリルのついた潜水艦という点以外は別物である[3]
ゴジラシリーズへの登場

その高い人気からたびたびゴジラシリーズへの登場が検討されており、『ゴジラvsスペースゴジラ』でMOGERAの変形形態とする案[4]や、『ゴジラvsデストロイア』の初期段階でGフォースの新兵器として登場する案[5][6]もあった。

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』でも、監督の金子修介によるプロットで防衛海軍の兵器として登場予定であったが[出典 1]、プロデューサーの富山省吾が全体のバランスから防衛軍とゴジラの戦いを大々的に描くことに難色を示し防衛軍の描写を縮小することとなり[8]、また脚本を担当した横谷昌宏がゴジラの口の中に入って倒すことを提案し[7][10]、轟天号では大きすぎるためその役割は特殊潜航艇さつまとD-03削岩弾に移行された[7]

その後、『ゴジラ FINAL WARS』にて、ゴジラシリーズへの登場が実現した。
登場作品

海底軍艦(映画、1963年)

惑星大戦争(映画、1977年)

新海底軍艦OVA、1995年)

新海底軍艦 巨鋼のドラゴンフォース(漫画、1996 - 1997年)

ゴジラアイランド(TV 1997年) - 仰天号として登場。

ゴジラ FINAL WARS(映画、2004年)

劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち(映画、2005年)

GODZILLA 怪獣黙示録 / プロジェクト・メカゴジラ(小説、2017 - 2018年)

『海底軍艦』

諸元轟天号
建造轟天建武隊
全長150 
m[出典 2]
重量1万 t[出典 3]
武装

艦首ドリル[出典 4]

冷線砲[出典 5]

電子砲[出典 6]

魚雷[出典 7]

帯艦電撃[出典 8]

高圧電流[出典 9]

など

第二次世界大戦時に大日本帝国海軍が設計した、陸・地底・海上・海中・空のすべてで行動できる五段変化の万能戦艦[出典 10]。建造される前に終戦を迎えたが、太平洋戦争末期に姿を消して資源が豊富な南方の島へ逃げ延びた旧帝国海軍技術将校神宮司八郎大佐率いる海軍の強硬派「轟天建武隊」によって捲土重来を期して20年かけて秘密裡に建造された[出典 11]

神宮司らは轟天号による大日本帝国の再興を目指していたものの、地上への進出を目指すムウ帝国が同艦の存在を知って開発の停止を政府に要求し、世界中に地震攻撃を加えたうえに神宮司の娘の真琴を拉致したことから、ムウ帝国の野望を阻止して真琴を救出するために出撃することとなる。

エンジンは4基の海中・空中兼用ターボジェットで、空中では通常のジェットエンジンとして働き、水中では吸入孔(空中でのエアインテーク兼用)から取り込んだ海水を爆発によって高圧水蒸気として噴出させ、推進する[25]。艦橋と電子砲台、回転ノコギリと翼が通常時は露出しているが、空中高速飛行時および地中掘削時には、回転ノコギリ以外が船内に収納される[出典 12]

主兵装は、ドリル部分から物体を凍結させる光線を放つ冷線砲[出典 5]。そのほか、4基3連装(12門)の電子砲塔やマンダを艦体から離す際に使われた帯艦電撃、艦体の前方(ドリル直後部分)に艦体を前方から見て等間隔に3つの回転式カッター[17]を持つなど、多数の武器が搭載されている[注釈 1]

原子力を動力に楽々と深度3,000メートルをクリアする潜航能力を持ち[22][23]、最新鋭潜水艦でさえ耐えられない水圧にも耐えるムウ潜水艦を追尾し、ムウ帝国を守るマンダを沈黙させた後には特殊なヘルメットとスーツ、零下273度の光線を放つ携行兵器・冷線銃で武装した突入メンバー・挺身隊がムウ帝国心臓部へ突入し、動力装置に分割式の時限爆弾を仕掛けてこれを破壊している[23]。さらには、地上まで追跡してきたムウ潜水艦をも撃沈し、結果として単艦でムウ帝国を壊滅させている。

検討用台本および準備稿では冷線砲の描写はなく、決定稿で追加された[26][17]。決定稿でも名前は決定しておらず、「XX砲」と記されていた[26]

造形
デザイン担当は小松崎茂[出典 13]。小松崎は「潜水艦とロケットとでは根本的に構造が違うので、轟天号のようなものを実際には作れないのは分かっているが、映画の画面ではそれなりに観客を納得させられるようにデザインした」との旨を発言している[30]。造形は郡司製作所が担当[出典 14]。造形に際し、東宝の渡辺明が映画用にフォルムを調整して手を加え、入江義夫が製図を行った[出典 15]。造形物は、サイズの異なる4種類のミニチュアが作られた[1][23][注釈 2]。先端のドリルはアルミの削りだしや木材などで作られ[出典 16][注釈 3]、電動で回転する際に衝角が前後に動く凝った仕掛けがなされている[注釈 4]。下部には、フロンガスを噴出するギミックも内蔵されている[出典 17]。メインの撮影には6尺タイプと3尺タイプが使われた[16][注釈 5]。最大サイズのものは大道具がドックの制作と同時に製作した木製で[23]、エンジンを内蔵した自走式となっており、浮上シーンや走行シーンなどで用いられた[1]。一方、最小サイズのものは水槽での撮影に用いられた[1]。検討用の全長35メートルほどの金属製のミニチュアは、電子砲台の砲身がネジで、劇中では遠景の1カットのみ使用されている[23]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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