輪番停電
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輪番停電(りんばんていでん、: Rolling blackout)とは、電力需要が電力供給能力を上回ることによる大規模停電を避けるため、電力会社により一定地域ごとに電力供給を順次停止・再開させることである。目次

1 概要

2 実施事例

2.1 日本

2.1.1 戦後の混乱期

2.1.2 東日本大震災

2.1.3 問題点


2.2 アイルランド

2.3 ミャンマー

2.4 アメリカ合衆国

2.5 リビア

2.6 韓国


3 注記

4 脚注

5 関連項目

概要

一般に輪番停電は発電所による発電能力の不足、もしくは発電した電力を供給する電力供給網(送電線、変圧器等)の能力不足のいずれかによって発生する。このような停電は発展途上国では一般的どころか日常の一部にすらなっている傾向があるが、成熟した電力・送電設備を持ち、電力需要予測や設備投資計画の発達した先進国で見られることはまれである。

電力会社が経験豊かな場合であれば、産業等への影響を最小限にするため事前に計画が広報される。しかし多くの場合、電力会社は電力供給が安全限界に近づくと、事前通知なしで電力供給を切断してきた。日本国内においても、夏場のピーク電力抑制のため、大口需要家との需要調整契約に基づく電力供給制限が、東京電力2007年平成19年)8月22日(大口需要家23件、12万kW)に行われたこともある。

停電は、管轄変電所などの一定地域ごとに行われるため、一般家庭・オフィス・病院・鉄道など、公共施設などを区切って、停電の枠外にすることは困難である[1]。このため、自宅で医療機器を使用する場合や、病院やデータセンター基地局などは、無停電電源装置自家発電による対応が必要である[2]。また、発電機のない信号機や31メートル以下の建物に設置されたエレベーターは、使用不能になることから注意が求められる[3]
実施事例
日本詳細は「東日本大震災による電力危機」および「福島第一原子力発電所事故」を参照

日本における輪番停電の実施は、第二次世界大戦戦後混乱期[4][5]東日本大震災(後述)の事例がある[注 1]
戦後の混乱期

戦後混乱期には休電日が月曜日だったことから、理美容業界では対策として月曜日を休業日としたため、休電日の廃止以降も名残として月曜に休む店が多い[6]

1950年から1951年の冬は、全国的に降水量が少なく各地の水力発電所の発電量が需要に追い付かない状況となった。このため日本発送電では、1951年1月8日から各配電会社別に配電割り当てを実施。さらに個別の会社ごとに緊急制限の実施について調整が行われた。関東配電との協議では、同年1月9日より500kw以上を受電する工場400軒に対し夕方4時から7時までの操業停止を求める、一般家庭に対し毎夕5時から7時の間に10分間ずつ配電線別に緊急停電を行うといった緊急制限が取りまとめられた[7]が、直前に連合国軍最高司令官総司令部経済科学局電力課長より「一方的な危機突破対策をやめるべき」との勧告があり中止。その代わりとして、大口の需要家に対して工場の休電日を日曜日以外に振り分けてもらう、500kw以上を受電する工場の電力使用を夕方の間自粛してもらうといった協力を求めることとなった[8]

1951年の夏の干ばつに加え、秋も降水量は少なかったため再び電力事情は悪化した。東京電力は、地域ごとに休電日を設定したが、それでも不足する状況となったため、同年10月21日午後から休電日以外の地域でも2時間ずつの緊急停電を実施、同日発行された朝日新聞四コマ漫画サザエさんも停電のネタを扱った。さらに翌23日からは地域ごとの緊急停電を「半恒久化」した[9][10]
東日本大震災 2011年3月14日、計画停電について会見する枝野幸男内閣官房長官(当時)

東京電力東北電力および各マスコミでは、東日本大震災の被害・影響に伴い実施されていた輪番停電に関しては主に「計画停電」の名称を用いている[4][11][12][13][14][15][16]2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、東京電力では、福島第一および第二原子力発電所をはじめ、火力発電所、水力発電所および変電所、送電設備に大きな被害が発生し、電力不足に対応するために、3月14日から輪番停電が実施された[13]

3月29日以降は実施されておらず[17]4月8日に、6月3日までの間は輪番停電を原則として実施しない旨を発表した[18]5月13日、東京電力は同年夏の電力供給力見通しを約5520万kWに上方修正すると発表したが、東北電力への電力融通も予定されていたため、それを考慮するとやはり需要に供給が追いつかない可能性があった。東京電力は夏季の輪番停電の回避に向けて供給の確保に全力を挙げるとしていた[19]

東北電力でも、発電所および送電設備に大きな被害が発生したことにより、想定される電力不足に対応するため、一部地域で輪番停電を行うことを同年3月15日に発表[15][16]したが、需給バランスが緩和したため中止した[20]

2012年5月14日に、日本国政府が「エネルギー・環境会議」を開き、関西電力管内で夏に懸念される電力不足に対応して、電力使用制限令発動の検討を始め、北海道電力四国電力九州電力を加えた4電力管内で、計画停電を準備する方向で議論することも確認した。計画停電について古川元久国家戦略局担当相は「基本的には考えていないが、万が一に備える」として、日本国政府として万全を期す姿勢を強調した[21]
問題点

パチンコ業界についての著述を行うPOKKA吉田の体験によると、都内の自宅は5つある停電エリアグループのうちグループ4に属していたが、近隣にはグループ5のエリアがあり、その間に「グループ4でもあり5でもあるエリア」が存在し、そのエリアでは2回分の停電になったという。


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