軽井沢シンドローム
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軽井沢シンドローム
ジャンル
青年漫画
漫画:軽井沢シンドローム
作者たがみよしひさ
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックスピリッツ
発表号1981年1月号 - 1985年18号
巻数全9巻(愛蔵版全5巻)
漫画:軽井沢シンドローム SPROUT
作者たがみよしひさ
出版社秋田書店
掲載誌ヤングチャンピオン
発表号2002年No.2 - 2006年No.14
巻数全7巻
OVA:軽井沢シンドローム
原作たがみよしひさ
発売日1985年
テンプレート - ノート
ポータル漫画

『軽井沢シンドローム』(かるいざわシンドローム)は、たがみよしひさによる日本漫画。通称『軽シン』[1]
概要

別荘地・軽井沢に住むことになった主人公「耕平」と同世代の若者たちの青春群像を描いている。総話数に比して連載期間が長いのは、掲載誌の『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)が連載開始から1年余りは月刊(その後は月2回刊)だったことによる。

各エピソードごとにサブタイトルが付けられ、作者が好きな歌のタイトルを直接またはアレンジして使用する(一例として、中島みゆき『店の名はライフ』→『店の名はら・くか』など)。このパターンは続編でも踏襲されている。

特徴のひとつとして、シリアスな場面とくだけた場面を唐突に織り交ぜる手法が挙げられ、登場人物も劇画や青年誌では珍しかったコミカルな三頭身(ギャグ頭身)がコマ単位でリアルな八頭身と同居している。また、ルビの使い方に工夫を凝らし、例えば「耕平」に振るルビを発言者により「おまえ」「あんた」と使い分けている。

このほか、特撮ヒーローやガンダムなどのパロディがしばしば登場し、コマの間や背景のポスターなどに作者や(手伝ってくれている)兄・小山田いくのツッコミや近況報告などが手書き文字で書き込まれるなど、楽屋落ち要素も気軽に出していた。

続編として、主人公・相沢耕平の息子・薫平の世代を主に描いた『軽井沢シンドローム SPROUT』が、『ヤングチャンピオン』(秋田書店)にて2002年No.2から2006年No.14にかけて連載された。
あらすじ

アメリカに渡ることを夢見るカメラマン・相沢耕平と、イラストレーター・松沼純生。兄弟のように育ち、高校を卒業してすぐに家出していた2人だったが、金が底を突き、純生の姉であり耕平の幼馴染である薫が住む軽井沢の別荘へ転がり込む。
登場人物
相沢 耕平(あいざわ こうへい)
主人公。飄々としたつかみどころのない性格で、いつもふざけた態度を取って感情を表に出さないが、本当は義理と人情に溢れた男である。「DEEP」という暴走族の総長だった過去があり、ケンカも大好きでとても強い。職業は女性ヌード専門のフリーカメラマン。仕事のために東京など各地へ出向くことがある。とてつもない女好きで、主要な女性キャラクターのほとんどと肉体関係を持つ。薫と結婚するが、その後も多い時で4人の愛人がいたこともあるほど。ミリタリーファッションと愛車の
ジープJ3のシャーシにMBのボディを載せたカスタム)がトレードマーク。母方の祖父はアメリカ人。つまりアングロサクソンのクォーター。両親は幼少時に死亡している。混血に対する偏見のため親戚から拒否され、血縁ではない薫の実家である松沼家で育てられたが、高校卒業を待たず純生と家出した。仲間内からは「耕平ちゃん」「ダンナ」と呼ばれることが多い。自分の性交関係に節操がない割に、仲間内での恋愛関係のもめ事にまとめ役として暗躍する。我が侭を言う相手は女性でも拳でぶん殴る。続編『軽井沢シンドローム SPROUT』では、ある事件をきっかけにパニック障害を患い、まともに仕事ができなくなったが、無事復活した。息子・薫平たちが暴力団をバックにした暴走族に闘いを挑む際にバックの暴力団会長(後述の光子と血縁)に取り入ったり癌が発覚した紀子やイラクの戦場を取材中に負傷し半身不随となった鳴瀬光の手術費用を出す等裏のまとめ役としても再起する。
松沼 薫(まつぬま かおる、のち相沢姓に)
耕平の幼馴染で、のち結婚する。彼女もメガネをかけている。耕平より2歳年上で世話女房タイプである。実家は大宮で、父親は中小企業の社長をしている。T美大軽井沢研修所に勤めているため、軽井沢にある別荘に住んでいる。下半身に節操のない耕平に気をもみながらも放置している。1度、耕平の子を身ごもるが、紀子が妊娠しているという話(間違いだったが)を聞いたショックで流産してしまう。後に長男「薫平」を身ごもったことをきっかけに耕平と入籍、相沢姓となる。耕平によると「一番(体の相性が)合う」らしい。
松沼 純生(まつぬま すみお)
薫の弟で耕平の1学年下。イラストレーター。昔の友人たちには「じゅんなま」と呼ばれていた。身長が低く、ほぼ全てのシーンで二頭身で描かれている。普段のオネエっぽいしぐさや言葉遣いから女性と間違われたり、実年齢を知らない看護師からは「薫の息子」と勘違いされたこともある。その外見と優柔不断な性格から、久美子・みるく・博奈・まなみなどに惚れては振られている。振られて落ち込むことも多いが芯は強く、パニックに陥ったみるくに平手打ちして落ち着かせたこともある。のち義理の兄弟になる耕平とは、幼少時から兄弟のような間柄である。カーリーヘアーがトレードマーク。続編『軽井沢シンドローム SPROUT』では、絵里と結婚し長男の空(そら)と長女・紅(べに)の2児をもうけている。イラストレーターとしてそこそこ大成し、頭は寂しくなった(本人はスキンヘッドと言い張っている)が外見的にも貫禄がついた模様。
久遠寺 紀子(くおんじ のりこ)
ひょんなことから耕平たちと知り合い、耕平の愛人(二号)となる。ハーレーダビッドソンFLH80に乗っている美女で「ハーレー」と呼ばれたり「ノン」と呼ばれたりする。セカンドバイクはスズキ・カタナ(GSX1100S)。元看護婦で、なぜか薬局で働いている。彼女も暴走族「蟻(アント)」の元リーダー(通称「黒の女王」)であった。実家は資産家である。耕平が結婚する前、耕平の子を身ごもったという疑いが出たとき、耕平は彼女と結婚する決意も固めた。耕平に子供が生まれたとき、警察官と暴走族という旧知である田口と一時いい関係になるが、結局耕平一筋であった。作中の女性では最もモテる。愛車はアウディ。続編『軽井沢シンドローム SPROUT』では、耕平との間に男の子・孔稀(こうき)を産んでいたことが発覚する。『SPROUT』に登場する久遠寺涼は遠縁の親戚(いとこの息子)。
津野田 絵里(つのだ えり)
耕平と純生が軽井沢に着いて最初に会った女の子で薫の親友。民芸品屋「うっでぃ」の娘。愛車はMiniヤマハ・DT50。耕平・二郎・一弥に惚れるが、いずれも失恋に終わる。純生とは互いに意識し合う仲ながら、2人とも違う相手をいろいろ渡り歩いた末、最終的には結ばれた。『NERVOUS BREAKDOWN』にゲスト出演した際には「八骸を学んでいる」と語っており、息子の空もチビな割には腕っぷしは強い。
箕輪 貴成(みのわ たかなり)
耕平たちの溜まり場で、薫の家の近くにある喫茶店「ら・くか」のマスター。パイプがトレードマーク。愛車は二郎の店から購入したホンダ・シビック1500CX(カラーは本人は白が好みだったが二郎の見立てで赤になった)。薫にホレるが何も進展ないまま、見合いで弥子と結婚する。実家も新宿で喫茶店をやっている。一見すると頼りないおっさんだが、弥子からは弟の一弥や阿川と比べて「女に寄りかからないで生きていける強い人」とも評されている。続編『軽井沢シンドローム SPROUT』では、弥子との間に貴成そっくりの性格をした中学生の息子・清成がいる。続編・『SPROUT』のラストシーンは耕平と貴成の会話で終わるなど、耕平にとっても得難い友人となっていることが分かる。デザインや設定こそ違うが、名前自体は読切作品『紅葉狩』から登場しており、読切版の耕平との付き合いもある。
恩田 二郎(おんだ じろう)
耕平の暴走族時代、傘下であった「黒衣の未亡人(ブラック・ウィドウ)」のリーダーであり、「DEEP」2代目総長。「DEEP」解散後も耕平を「総長」と呼んで尊敬している。実家が車の整備工場・恩田モータース(作中では高崎市大八木町にある)で中古車販売などもしているので、クルマに詳しい。みるくとつきあっているが、一時紀子に惚れる。そのせいで二郎に惚れていた絵里やみるくを傷つけ、耕平と関係が悪化し、公道レースで決着をつけることになる。その際に耕平が事故で重傷を負うが、そのお陰で元の鞘に収まる。貴成に実家の喫茶店を継がせ、自分は(みるくと結婚して)「ら・くか」の2代目マスターに、と目論んだ時期があり、耕平に「2代目の好きなヤツだ」と言われていた。愛車はフェアレディZ(これも2代目)から、「老後の面倒を見る」条件で父親にスカイラインRSを買ってもらうが、前述の公道レースを隠蔽するためやむなく処分する羽目になる。その後は日産シルビアS110型→S12型。続編『軽井沢シンドローム SPROUT』では、変わらず整備工場を続けている。初めて車を購入する薫平に古い車種ばかり勧め、「あいつはきっと骨董屋だ」と言われる。
箕輪 みるく(みのわ みるく)
貴成の妹。二郎の恋人。二郎とケンカした時に純生と関係を持ったこともあるが、結局は二郎と結ばれる。薫と同じ職場で働いており、薫の家に居候していることもあり、薫を「おねえさん」と呼び慕っている。ポルシェ928を所有していたが、耕平が次郎との公道レースの際に借用して事故を起こし廃車となる。その後は、ポルシェ928S→日産シルビア→ポルシェ930トヨタ2000GTと乗り継いでいる。続編『軽井沢シンドローム SPROUT』では、夫である二郎との間に「飛燕」に「疾風」という2人の男の子をもうけている。
木下 久美子(きのした くみこ)
紀子の従姉妹で、一緒に暮らしている女の子。姉は美和子といい、紀子と共に「蟻」のリーダー(通称「白の女王」)であった。自分の年齢を「二十歳と××ヶ月」と表現する。匡一と恋仲になり、のちに結婚して3児(双子の男児と女児)をもうけている。外見は非常に若いため、出会った当初は匡一には年下だと思われていた。『軽井沢シンドローム SPROUT』に登場する木下由未子は遠縁の親戚。
田口 修一(たぐち しゅういち)
耕平の暴走族時代に仇敵であった交通機動隊の白バイ警察官(のちに退職)。紀子によると「検問とか言うとどこからともなく現われて、『ワハハハハハッ』と高笑いしていた」などの強い個性を持ち、通称は「恐怖の大王」他多数。妻とは離婚していて、友子という一人娘を男手ひとつで育てている。愛車はルノー5ターボ。流産の後ふさぎこむ薫と出会い、何度か2人で会うが、恋愛に発展する前に薫の心変わりでふられ、その後は紀子ともいい雰囲気になるが、結局舞と結婚する。警察を退職後、匡一や阿川と探偵を始める。なお、警察時代は「ウルトラマン」を自称していたが、退職後は「メフィラス星人」を目指しているとのこと。続編『軽井沢シンドローム SPROUT』では、舞との間に友子の異母弟に当たる男の子が生まれている。旧作から引き続きルノー5に乗っていたが途中で日産・フェアレディZ Z33に乗り換える。


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