軟甲綱
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軟甲綱
生息年代: Furongian?
現世[1] Pre??OSDCPTJKPgN
様々な軟甲類
地質時代
古生代カンブリア紀フロンギアン期 - 現世[1]
分類

:動物界 Animalia
:節足動物門 Arthropoda
階級なし:汎甲殻類 Pancrustacea
亜門:甲殻亜門 Crustacea
上綱:多甲殻上綱 Multicrustacea
:軟甲綱 Malacostraca

学名
Malacostraca
Latreille, 1802[2]
和名
軟甲綱[3]
エビ綱[3]
英名
Malacostracan
亜綱


コノハエビ亜綱 Phyllocarida

トゲエビ亜綱 Hoplocarida

真軟甲亜綱 Eumalacostraca

軟甲綱(なんこうこう、別名: エビ綱[3]学名: Malacostraca、英語: Malacostracan)、または軟甲類(なんこうるい)は、甲殻類を大きく分けた節足動物分類群)の1つ[2]。8節の胸部と6節以上の腹部を基本とし[4]、様々な形態に多様化している[5]カニエビなどの十脚類から、ダンゴムシワラジムシなどの等脚類ヨコエビワレカラなどの端脚類シャコ類オキアミ類などまで十数のが含まれる[5][2]。甲殻類全体の大半を占めるほど最大の綱で、28,000以上のが知られている[5]。最古の化石記録は約5億年前の古生代カンブリア紀まで遡る[6][1]

「軟甲類」という名は紛らわしいが、フジツボなどに比して硬くない、と言うことに由来と考えられる[7]
形態軟甲類の体制図

体は先節とそれぞれ1対の付属肢関節肢)をもつ体節を十数節含め、順に先節と直後5節を含んだ頭部(head, cephalon)・8節の胸部(pereon, thorax)・6節(ほとんどの種類)もしくは7節(コノハエビ類)の腹部(pleon, abdomen)という3つの合体節に分かれている[8][5][9][4]。一部の種類は頭部と胸部は融合して頭胸部(cephalothorax)になっているが、その融合の程度は様々である(例えば等脚類端脚類は第1胸節まで、十脚類は胸部全体まで)[5][8]
頭部

頭部背面の外骨格、すなわち背甲(carapace, head shield)は種類によって発達せず、もしくは大きな甲羅状に発達して胸部まで覆い被さる[5]。背甲の先頭は、往々にして額角(rostrum)という不動(真軟甲亜綱)もしくは可動(シャコ類とコノハエビ類)の突起がある[5]。1対の複眼は頭部に密着で不動、もしくは可動の眼柄に突出する[5]

頭部の先節は他の節足動物と同様に上唇(labrum)が由来する部分で[10]、直後の第1-5体節はほとんどの甲殻類と同様、順に第1触角(antennula, 1st antenna)・第2触角(antenna, 2nd antenna)・大顎(mandible)・第1小顎(maxillula, 1st maxilla)・第2小顎(maxilla, 2nd maxilla)という5対の頭部付属肢関節肢)をもつ。ほとんどの甲殻類と異なり、軟甲類の第1触角鞭状部(flagellum)は2本以上(トゲエビ亜綱は3つ)有し、枝分かれたように見える[5]。第2触角の外肢(exopod)は平板状に特化した触角鱗片(antennal scale)である[5]。大顎は原則として3節の大顎髭(mandibular palp)を外側にもつが、退化消失した場合もある。小顎は多くが目立たない鰓脚状。ヨーロッパザリガニ大顎(a)、第1小顎(b)、第2小顎(c)と顎脚(d-f: 第1-3顎脚)
胸部

胸部は8節の胸節(第6-13体節)と8対の胸肢(thoracopod)をもつ。胸肢の基本形は二叉型(biramous)で、2節の原節(basipod, protopod)、5節の内肢(endopod)と糸状の外肢からなり、原節から内肢まで順に7節(底節 coxa・基節 basis・座節 ischium・長節 merus・腕節 carpus・前節 propodus・指節 dactylus)の肢節が分かれている[5]。一部の分類群では、底節の直前で更に1節の前底節[11](precoxa、亜底節[12]とも)が認められる[13]。しかしこの胸肢は多様で、外肢の退化消失や一部の肢節の癒合が多くの分類群で見られ、内肢の形も歩脚型から鎌状(亜鋏状)や鋏状まで多岐にわたる[5]。原節は基本としてに該当する柔らかい副肢(epipod)という外葉(exite)がある[5]。多くの場合、前方1対(等脚類端脚類など)もしくは複数対(十脚類の3対、シャコ類の5対など)の胸肢は摂食用の顎脚(maxilliped)に特化する[5]。この場合、残りの胸肢は胸脚(pereiopod, 歩脚 walking leg)と呼ぶ。

腹面1対の生殖孔(gonopore)はで第6胸節、で第8胸節の胸肢付け根に開口する[4]
腹部

腹部は基本として6節の腹節(第14-19体節)をもち、コノハエビ類のみ例外的に7節まで及ぶ(第7腹節/第20体節をもつ)[5][9][4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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