軍人将棋
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コンピュータゲームについては「軍人将棋 (MSX2)」をご覧ください。

軍人将棋軍人将棋盤の一例。手前(オレンジ)は駒の種類がわかるように表向けに配置しているが、対局するときには奥(黄色)のように裏向けに配置する
プレイ人数3人(内1人は審判)
準備時間2-8分程度
プレイ時間10-40分程度
運要素多少あり
必要技能推理、戦略

軍人将棋(ぐんじんしょうぎ)とは、通常2人で行うボードゲームの一種。軍事将棋(ぐんじしょうぎ)、または行軍将棋(こうぐんしょうぎ)[1]とも呼ばれる。軍隊階級兵種を元にしたを用いて盤上にて競う。欧米圏ではストラテゴ(Stratego)という名称の同種のボードゲームがプレイされている。
概要

軍人将棋では、両プレイヤーが駒を裏返した状態で自分の陣地に自由に並べ、先攻から交互に駒を動かしていく。駒にはそれぞれ相性関係があり、同じ升目で駒が重なったときは、相性に従って片方または両方の駒が盤上から排除される。プレイヤーは相手の駒を見ることができないため、双方の駒を確認する審判役をおく。ゲームは相手の陣地最奥の総司令部を占領するか、相手の動ける駒を全滅させた方が勝ちとなる。最後に同種の駒同士が残った場合は相打ちとなるため、両方とも全滅する場合もあり得る。

駒には、少尉から大将までの各階級の軍人、およびタンク[注釈 1]飛行機騎兵工兵地雷などの種類があり、種類によって勝てる相手が決まっている。基本的には位が高い軍人の方が強いが、最下位のスパイは最上位の大将を撃破できる、地雷には飛行機と工兵しか勝てないなど細かい規則がある。軍人将棋のセットには、このルールを一覧表にしたものが付属している。審判役はそれを見ながら勝ち負けを判定することが多い。

ルールはそのままに、駒の形状をアレンジしたものもある。駒を箱状にすることで手前側のみに駒の種類がわかるようになっており、底の空洞に仕込まれた数本のピンの凸凹を付属の勝敗判定機により判定するという、審判役を必要としない工夫がされている。現在は市販されていない。

審判役を必要とすることからコンピュータゲーム化への適性が高い。これまでに、ファミコンWindowsニンテンドーDS (『だれでもアソビ大全』)などのプラットフォームでゲーム化されている。

将棋をはじめとする多くの伝統的なボードゲームが完全情報ゲームであるのに対して、軍人将棋は不完全情報ゲームである。そのため、勝敗には純粋な実力のみでなく、運の要素が絡む性質がある。
ゲームの目的

一般的には敵の総司令部マスを大将中将少将大佐中佐少佐のいずれかの駒で占拠する(これら以外の駒で、相手の総司令部に侵入できたとしても、占拠したことにはならない。)(駒を総司令部マスに置く)か、動かせる駒を全滅させることが目的である。なお、前記の駒が相手の総司令部に入った時点で占拠したとみなされるので、後からその駒を取ることはできず、ゲーム終了となる。総司令部が占拠されれば、残った駒の種類や数に関係なくゲームの負けとなる。

ルールによっては相手の大将を倒すことを目的とするものもある。また、25枚型では相手の防御を破り、総司令部マスにいる元帥を倒すことを目的とする[2]
形態

軍人将棋は駒、盤からなり、対局者2人と審判1人の3人で遊ぶ。近年は電子機器による勝敗の判定ができるタイプもある。

駒は先攻、後攻の駒が識別できるように2色(例えば、橙色と黄色、青と紫)に分けられている。駒の形状は一般の将棋と同じ左右対称の
変形五角形。しかし種類別に大きさの違いはなく、全て同じ大きさである。以前はその多くが木製であった[注釈 2]が、現在販売されているものの大半はプラスティック製である。

盤は以下に表す駒の種類によって、また突入口の種類によって数多くの種類がある。共通して言えるのは自陣と敵陣に分かれており、その間を行き来するためには飛行機を除き突入口(突撃口)を通らなければならない。それぞれの陣地には総司令部(種類によっては総司令部と大本営)がある。総司令部は陣の最後列中央にあり通常、2マス分の広さがある。場合によっては、3マス分の広さがあるものもある。

種類

軍人将棋には、突入口の形の違いと駒の種類の組み合わせにより、数多くの種類が存在する。また、大行軍将棋という、普通の軍人将棋よりも駒数の多いものも存在する。
駒数の種類

31枚型種類数種類数種類数種類数
大将1大佐2大尉2工兵3
中将1中佐2中尉2地雷3
少将2少佐2少尉2飛行機2
軍旗1騎兵2タンク3スパイ1

盤は変形8×8を使う。

23枚型種類数種類数種類数種類数
大将1大佐1大尉2工兵2
中将1中佐1中尉2地雷2
少将1少佐1少尉2飛行機2
軍旗1騎兵1タンク2スパイ1

短時間で終わらせることができ、盤は変形8×6を使う。

25枚型種類数種類数種類数種類数
元帥1大将1中将1少将1
大佐2中佐2少佐2砲兵2
工兵3地雷2ミサイル2原爆1
ジェット機2タンク2スパイ1

盤は変形9×9を使う。

これら以外にも様々な種類があるが、ここでは31枚型・23枚型・25枚型について説明する。
突入口の種類

突入口が自陣に4つあるX型(Xの形をした突入口が2つある。8×8の盤はこれが多い)

突入口が自陣に3つあるY型(Yと逆Yの形をした突入口が1つずつある)

突入口が自陣に2つあるI型(直線の突入口が2つある。)

またそれぞれに浮島(X型、Y型の、道が交わるところにあるマス)のあるもの(25枚型がこれに含まれる。また、X型のものの場合、直進の場合は一度に渡れるが、曲がる場合は一旦浮島で止まる必要がある)

などの種類がある。
駒の配置

このゲームの要となるのが駒の配置である。一般の将棋のように開始時の配置が決まっているのではなく、自分の陣地内であれば以下の禁止事項を除き、どの駒をどこに置いてもよい。

突入口に地雷もしくは軍旗を置く
[3]

自陣最後尾列に軍旗を置く

このうち、後者は禁止事項ではあるが、最後列の軍旗はどの駒にも負ける無駄駒になってしまい、開始時から他の駒1つ分の威力を失っている事になるため、一般的には罰則を設けないことが多い。
総司令部に置く駒について
31枚型・23枚型.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2017年5月)

総司令部は通常、2マス分の広さがあるが、他のマスと同様、1つしか駒を置けない。前述の通り、将官や佐官を相手の司令部に入れることを目的とする。よって、尉官、騎兵、工兵は佐官や将官に必ず負けるので総司令部は置かないほうがよい。スパイは大将だけには勝てるがそれ以外にはことごとく負けるため、総司令部に置いたとき、残った駒の条件によるが、負けて占領される確率が圧倒的に高い。飛行機や工兵にも負けるので、地雷確認のために前もって倒される恐れもある。少佐や中佐も、司令部を占領できる駒の中では弱いので負ける確率が高い。タンクは佐官には勝てるが、敵の飛行機や工兵によって排除される可能性もあり、将官にも負けて占領される。

更には、司令部の防御を飛行機だけに任せることも好ましくないとされる。一見すると、2列のどちらにも飛ぶことができ、敵司令部を常に狙えるベストポジションのように見えるが、飛んだ時点で司令部は空になるので、司令部に隣接するマスに敵の佐官があった時も(飛行機は佐官に負けることはないが)、その隙に侵入されることもある(佐官でも敵司令部に侵入すれば、その時点でゲームの勝ちであり、その後倒すことはできない)。また、司令部やその周辺は地雷除去のためや、道を作るために敵の飛行機に攻撃されることも多く、すぐ近くに将官がいない限り飛行機同士が相打ちして、司令部が開いてしまう恐れもある。こうなると、司令部のすぐ近くが弱い駒しかないときは、簡単に占領されやすくなる。また、工兵や、尉官、騎兵で地雷確認をされた後(飛行機ならばこれらの駒に勝てるが、将官には負けるため)、すぐ近くのマスに敵の将官がいれば負けが確定したようなものである。

地雷は司令部を占領できる駒に勝てるので、司令部に置けば1回だけ占領を防ぐことができる。飛行機や工兵、あるいは尉官や騎兵による相打ちで地雷を除去しても余分に手数がかかるので、手数稼ぎにはなる。しかし、地雷は1度限りの手段であるため、地雷が司令部から除去された後、回りが弱い駒ばかりならば上記の例と同様に占領されやすくなる。従って司令部に地雷を置く場合は、地雷がなくなった後のことも考えなければならない。

以上の理由から、司令部またはその近くには将官が1枚以上あるとよい。特に初心者は、大将を置くことが最も勧められる(司令部に地雷などを置き、その隣に大将を置くのもよい)。大将を置けば、中将以下による占領は単独で防ぐことができ、スパイには負ける代わりに占領されない。中将は大将に負けるので、近くにスパイを置いて守らなければいけないが、スパイが飛行機などで倒された時には、敵の大将が地雷を踏むことを祈るしかなくなってしまう。大将の天敵はスパイであるが、スパイは大将以外のどの駒にも負けるので、種類がわからない敵の駒が大将に向かって来たときには、大将とスパイ以外の駒を当てて、スパイかどうかを確認するのがよい。


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