この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: "車内非常通報装置"
車内非常通報装置(しゃないひじょうつうほうそうち)とは、列車(鉄道車両)内で非常事態が発生したことを乗務員に知らせる装置(「列車非常通報装置」とも)。乗客にはわかりやすく「車内非常ボタン」や「非常連絡ボタン」・「非常通報器」と案内されることもある[1][2]。
概要非常通報器(小田急電鉄)車椅子対応座席横にある、非常連絡ボタン(JR西日本287系)
車内で非常事態(火災[注釈 1]・急病人・事件等の発生・不審物の発見等)が発生した場合には装置のボタンを押下することにより、車外のオレンジ色の車側灯が点灯する(赤色は開扉表示)ほか、乗務員室ではブザーが鳴動する[1]。乗務員の確認のため何号車で押されたかをモニタできる車両もある。古いタイプでは単に異常を知らせるだけで、「警報式」とも呼ばれる。
信号発信に気づいた場合、運転士は次の駅に入線する際に短点連打の警笛を鳴らし、駅員に該当車両への集合を求める。また通話可能タイプでもブザーのみのタイプでも、押された場合には(トンネル内や橋梁上を除いて[注釈 2])必ず非常ブレーキで停車する取り扱いを行っている会社もある(例:JR西日本[4])。
1990年代に入ってから採用が多くなっている通話機能対応タイプ(対話式・通話式)の場合は、マイクを通じて乗務員と乗客が相互に通話が可能である[1]。このタイプはどのような異常なのかを乗務員が迅速に判断できるというメリットがある[1]。
ワンマン運転を行っている路線では、運転士が何らかの理由で応対出来ない(ボタンを押してから10秒間応答がない)場合には列車無線を通じて運転指令所の指令員が代って応対できるシステムの路線・車両もある[2]。
東日本旅客鉄道(JR東日本)では「非常通報器」という名前で導入されており、E231系の場合は車両の貫通扉付近に導入されている。また、トイレには「連絡用ブザー」があり、トイレ内で緊急事態が発生した際、連絡用ブザーを扱い、そのブザーを聞いた乗客が、近くの非常通報器を用いて車掌に連絡する必要がある。E233系では、E231系の非常通報器よりも小型化・スリム化され、設置場所もドア横の車椅子スペースなどに設置されるようになった。そしてトイレ内にも非常通報器が設置されるようになり、連絡用ブザーのように乗客が取り次いで車掌に連絡する必要がなくなった。 JRの車両では多くの場合は各車両の連結部ドア横や車椅子スペースに、地下鉄および私鉄では各車両の1または2か所のドア横に設置されていることが多い。 また、JR西日本は2006年に発生した滋賀電車内駅構内連続強姦事件を受け、装置の存在を分かりやすくするために装置の近くに「SOS」と書かれたステッカーを貼っている[4]。その結果、それまで同社では犯罪行為や迷惑行為の通報に装置が使われたことはなかったが、2007年5月25日に初めて痴漢の通報に使われた(関西の大手私鉄では既に痴漢などの通報に使われたことがあった)[4]。現在、「SOS」ステッカーは他社でも使われている。 車内で急病人が発生した際や乗客同士のトラブル時には、最寄りの駅に停車してから対処することが、病人の搬送などで円滑な対処がおこなえる点や列車の遅延を最小限にできる点で望ましく、車両トラブルの場合は、駅以外の場所でも停車して対応することが、事故防止の可能性が高いとされる[5]。
設置場所とSOSシール
通報装置作動時の対応
脚注[脚注の使い方]
注釈^ トンネル内など危険な場所での停車を防ぐため、事業者・車両によっては火災についてはボタンを使用せず乗務員へ直接伝えるように注意書きがなされている場合もある。
^ 「火災などの場合はトンネル内で停まると危険」(東京メトロ)、「トンネル内で停まるより、駅に到着してから対応したほうが確実」(都営地下鉄)、「トンネル内や橋の上は避けて停まる」(小田急電鉄)[3]
出典^ a b c d 車内通報装置
^ a b 列車非常通報装置
^ “電車非常ボタン」意外に違う各社の緊急対応 (2/3)”. 東洋経済オンライン (2016年7月5日). 2020年9月30日閲覧。
^ a b c <非常ボタン>車内で痴漢 近くの乗客押す JR東海道線 - 毎日新聞2007年5月25日
^ “電車非常ボタン」意外に違う各社の緊急対応 (3/3)”. 東洋経済オンライン (2016年7月5日). 2020年9月30日閲覧。
関連項目
日本の鉄道
列車非常停止警報装置
外部リンク