車上狙い(しゃじょうねらい)とは、自動車等の積荷や車両内から現金や品物を盗むことである[1]。一般的には車上荒しとも呼ばれるが、これは古い犯罪手口の呼び方である。警察庁が現在示す手口分類では「車上ねらい」とひらがな表記をする。目次
1 日本国内の認知件数
2 狙われる部品など
3 社会的に影響があった車上狙い
4 脚注
5 関連項目
日本国内の認知件数 車上荒らしの認知件数推移(1973年以降)
法務省と警察庁の統計によれば、統計データ(車上狙いと部品狙いを合算した件数)のある1973年(昭和48年)以降最多であった2002年(平成14年)(認知件数:57万1,837件)をピークに減少し、2019年(平成31年/令和元年)の認知件数は5万4,010件となっており、統計データのある1973年(昭和48年)以降最低の件数となった[2][3]。 車両部品では、ナンバープレートが盗まれることが多く、2019年(平成31年/令和元年)に盗まれた車両部品の半分近くを占める。何故なら、ナンバープレートを撮影するNシステムや、監視カメラによる警察の追跡や捜査の目をごまかし、犯罪の発覚を遅らせてるために窃盗団がナンバープレートを盗んでいるからである[4]。その他にも、カーナビゲーション(カーナビ)やカーオーディオ[5]、あるいはタイヤ・アルミホイールが狙われる[6]。ハイブリッドカーなどではバッテリーが盗難される事件も少なからず報告されている[7]。 警察庁の統計(車上狙いと部品狙いを合算した被害数)より、2010年(平成22年)?2019年(平成31年/令和元年)の間で、一番多い被害品は、バッグ・財布類であり、車上狙いによって盗まれた全被害品の10%後半代で占めており、段々と占める割合が増加しており、2019年は20%近くまでいっている。次いで、カード・有価証券であり全被害品に占める割合が2010年の14%台から2019年の18%台にまで増加している。そして3番目は2009年(平成21年)と2010年(平成22年)はカーナビ、2011年(平成23年)以降はナンバープレートであり、カーナビの場合、全被害品の10%台、ナンバープレートは7%以上10%未満の割合で占めており、ナンバープレートの占める割合も年々増加しており、10%近くまで来ている。4番目は運転免許証であり、全被害品の6%以上10%未満の割合で占めており、ナンバープレート同様年々占める割合が増加している[8]。 また、2019年(平成31年/令和元年)の被害品数は、8万3,725品(内、バッグ・財布類:1万6,504 品、カード・有価証券:1万5,160品、ナンバープレート:8,325枚、運転免許証:7,057枚)であった。更に前述の車内部品は1万7,303品(内、カーナビ:459台、カーオーディオ:37台、ナンバープレート:8,325枚、タイヤ・ホイール:1,476品、その他:7,006品)であり、車上狙いによって盗まれた全被害品の約2割を占めているが、その内約48.1%をナンバープレートが占めている。 かつてカーナビは2010年(平成22年)時点で盗難品数が3万1,868台であり、盗難品種の第3位に位置していたが、2019年(平成31年/令和元年)は459台と約69分の1となった。そしてカーオーディオも2010年(平成22年)は1,101台とあったが、2019年(平成31年/令和元年)は37台と約29分の1に減っている[8]。 そして、日本損害保険協会の調査より、2020年(令和2年)2月中に車上狙いの被害により保険から支払われた件数は224件であり、年々減少傾向にある[9]。 [脚注の使い方]
狙われる部品など
社会的に影響があった車上狙い
1947年(昭和22年)7月28日、極東国際軍事裁判で東條英機の弁護士を務めていたベン・ブルース・ブレイクニーが、世田谷区で車上狙いに遭い弁護資料を入れたカバンを盗まれた。裁判での弁護が危ぶまれたが、同年8月2日に書類だけが外務省に届けられ事なきを得た[10]。
脚注
^ ⇒自動車盗・車上ねらいの発生状況 - 神奈川県警
^ 法務省 (2019-11) (Excel). ⇒令和元年版犯罪白書 第2編 平成における犯罪・少年非行の動向 第1章 犯罪の動向 第1節 刑法犯 2 主な刑法犯 (1)窃盗 (Report). ⇒http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/66/nfm/n66_2_2_1_1_2.html#h2-1-1-11 2020年2月8日閲覧。.
^ 警察庁刑事局捜査支援分析管理官 (2020年2月10日). “平成31年1月? 令和元年12月犯罪統計【確定値】
^ 国沢光宏 (2019年8月12日). “【盗んでどうする??】ナンバープレート盗難急増中!! 悪質窃盗団の真の狙いとは??