蹴り
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「キック」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「キック (曖昧さ回避)」をご覧ください。

蹴り技(けりわざ)は、格闘技武道武術において様々な方向へを繰り出すことにより攻撃防禦を行う技術の総称である。キック、足技、蹴撃技とも呼ばれる。
目次

1 概要

2 種類

3 脚注

4 関連項目

5 外部リンク

概要

基本的には立ち位置から片方の足を相手めがけて繰り出し、打撃を与えるものであるが、跳躍して足を当てる蹴り方(飛び蹴り)、両足を揃えて相手に当てる蹴り方(ドロップキック)、寝た状態で足を払う蹴り方(掃腿)、敵の脛や膝のを踏み折るなどといった変則的な方法もある。倒れた相手を踏みつけることも蹴りの一種に入る。また、狙う部位については金的蹴りなどの急所を狙うものもある。

足は手よりもリーチがあり、常に体重を支えていることから腕の数倍の力があるため、手技よりも足技の方が威力が大きい。その反面、手ほど自由に動かせないので精度に欠ける立ち位置から蹴り技を放つ際には軸足のみで一本足立ちの状態になるためバランスを失しやすい、などという欠点がある。

足技を主体にした武術、格闘技にはムエタイサバットテコンドーカポエイラ、低い位置での足技を多く使う『擢脚』、中国武術八卦掌等がある。空手中国拳法においても重要な攻撃方法である。一方、ボクシングのように蹴りが原則として認められていない格闘技もある。
種類

この節の加筆が望まれています。
前蹴り 横蹴り 胴回し回転蹴り
前蹴り・突き蹴り・押し蹴り
前蹴りには上段・中段・下段とあり、一旦膝を突き上げてから足の指を反らせた足の裏で蹴る。前蹴りは空手ムエタイキックボクシング等で相手との距離をとる目的等で使われる。
後ろ蹴り・逆蹴り・後ろ当て
上段・中段・下段とあり、バックキックとも呼ばれる。足の裏全体を攻撃する部位(レバーまたは相手の顎等)に当てるようにするよりもかかとを攻撃する部位に当てるようにすると相手によりダメージを与えることができる。後ろ蹴りでレバーを蹴る際、足を伸ばした状態で蹴るよりも足を曲げたまま蹴りを当てた方が威力が増大する。
横蹴り・踏み蹴り・唐竹蹴り
上段・中段・下段とあり、相手に対して自分が横向きになって蹴る。かかとで蹴る方法と足刀(指の根元からかかとにかけての足の外側部分)で蹴る方法がある。リーチ差のある相手にも有効な攻撃である。
回し蹴り・薙ぎ蹴り
上段・中段・下段とある(回し蹴りの場合一般にハイキックミドルキックローキックと言われる)。
刈り蹴り
上段・中段・下段とある。
跳び蹴り
いったん中空に跳んでから蹴りを出す。絶妙なバランス感覚が必要。数種類ある。ライダーキックなどがある。
ひねり蹴り
真後ろ相手に対して蹴りを入れる。柔軟さが必要とされる。
かかと落とし
瞬時に片足を頭上に上げると同時に脳天もしくは肩に打ち下ろす。柔軟さはもちろん技術も必要となる。 空手の選手が得意とする場合が多く、アンディ・フグが得意技としていた。テコンドーにも空手から伝わったネリチャギの名称で良く知られる(韓国語の発音は「ネリョチャギ」に近い)かかと落としが存在する。
膝蹴り・膝当て・刺し蹴り
ひじと共に人体で鋭利な武器とされる膝で蹴る。直撃であればダメージが大きい。組みつかないで蹴る蹴りをテンカオと呼ぶ。総合格闘技などではグラウンドでも用いられる。
二段蹴り
最初の前蹴りはフェイントで、その蹴り足を下ろした勢いで飛び上がり、反対の足で前蹴りをする技である。
突き返し蹴り・ブラジリアンキック
普通のハイキックからさらに膝が下を向いた状態になるまで股関節を内旋させて蹴り足を振り下ろす。普通のハイキックと異なり、円を描くような軌道で相手の頭上から足が落ちてくる。股関節の柔軟性が要求される難度の高い技。この技を開発した極真会館ブラジル支部の選手達が得意技としたことからブラジリアンキックと呼ばれる。
619
セカンドロープに相手の上半身をもたれさせた状態で助走をつけてロープに駆け寄りトップロープとセカンドを掴んでジャンプし両足をロープの間をくぐり抜ける様に回転させて相手の顔面を両足で蹴りつける。
ナイマン蹴り
リングス・オランダハンス・ナイマンが得意技としていた伝統派空手由来の上段回し蹴り。中段を一度蹴って膝から下の足が上に伸びて上段を蹴る。
センチャイキック
ナックモエのセンチャイ・PKセンチャイムエタイジムが使う技で、リングに手をついて放つハイキック。カポエイラに同様の技があるが、古式ムエタイにもある技である。
サソリ蹴り
伝統派空手でしばしば用いられる技で松久功が創始者とされる。相手と密着した状態などで背中から足を回して蹴る。
三日月蹴り

連続蹴り

払い蹴り・掃腿
掃腿→素早くしゃがんで相手の足を払うように蹴る。
内回し蹴り・外回し蹴り

掛け蹴り・逆回し蹴り・裏回し蹴り
蹴り足のかかとを狙うポイントに対して45度ほど外に出して外からに内に向けて半円を描きながら膝のスナップを利かして蹴る技である。この技は柔軟性を必要とするため、身体の硬い者には適していない。伝統派空手や伝統派空手をルーツに持つ北米のキックボクシングなどでよく用いられる。
胴回し回転蹴り・浴びせ蹴り
身体を縦回転または横回転して踵を相手の顔面に打撃する技。元は1977年4月にハワイで開催された「日本代表極真会館チーム対ハワイ代表チーム」というフルコンタクト空手の対抗戦に出場した千葉真一が対戦相手である「前アメリカ東海岸空手チャンピオンのグレッグ・カーフマン」という180センチメートル以上ある黒人に前方宙返りして踵で蹴りを入れたことが由来である[1][2]。翌年の第10回オープントーナメント全日本空手道選手権大会では二宮城光柔道の前回り受け身を参考にアレンジして継承して横回転の胴回し回転蹴りをした[3]。その後、緑健児塚本徳臣らに受け継がれたが、緑は横回転、塚本は縦回転で駆使した。
摺り蹴り

跳ね蹴り

旋風脚(中国武術
英語圏ではトルネードキック、360°キックと呼ばれている。全身で回転力を加えながら片足で飛び上がって蹴り付ける技。
後ろ回し蹴り

踏みつけ・踏み蹴り
ストンピングとも呼ばれる。倒れている相手の顔面や鳩尾、手足の関節といった急所を踏みつける。双方が立っている場合は相手の足の甲を狙うのが有効とされているが足を踏みつける行為を認めている競技はほとんど無いが、総合格闘技では組み合った状態などでしばしば用いられる。なお、空手にも倒れた相手への追撃として下段足刀、下段かかと蹴りなどが存在する。総合格闘技ではシュートボクセアカデミーの選手たちが得意とし、特にマウリシオ・ショーグンは「踏みつけ大将軍」の異名を取り、倒れた相手の顔面への踏みつけを得意技としていた。
サッカーボールキック
文字通り、倒れている相手の特に頭部をサッカーボールに見立てて蹴りこむ技。踏みつけ、サッカーボールキックは一部の総合格闘技を除き、禁止されている場合が多い。
関節蹴り
前蹴りまたは横蹴りで立っている相手の膝関節を正面から踏みつける技。的確に決まると、相手の膝関節に大きな損傷を負わせることができる。危険であるため、ほとんどの競技で禁止されているが護身術としては有効な手段といえる。グレイシー一族が牽制に用いたり、ジョン・ジョーンズが多用するなど、総合格闘技ではしばしば用いられる。
金的蹴り(玉攻め
相手の金的に向かって前蹴りや膝蹴りを当てる。男性相手なら決まれば悶絶する程のダメージを与えられるがほとんどの競技でローブローなどとして禁止されている。場合によってはショック死も十分ありうる危険な攻撃である。キックボクシングムエタイ総合格闘技で起こる金的蹴りは大抵は偶発性のものである(もちろん故意のものもある)。一部の空手、拳法等では合法であったり、形として残っている。金的攻撃の有無にかかわらず、ほとんどの打撃系格闘技では金的蹴りから守るためのファールカップの着用が義務付けられている。


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