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踏切警報機(ふみきりけいほうき)とは、踏切において道路を通行する歩行者や車両運転者等に対して音と光によって列車が接近していることを警告するために用いられる警報装置のことである。一般的には車両の進行方向に対して通行車線側(つまり左側通行であれば左側)の路側に設置されている場合が多い。 踏切警報機は、歩行者や車両運転者等に対して音と光によって列車が接近していることを報知するため、目立つように建植する必要があり、踏切の存在を知らせるため、発光ダイオード (LED) を使用して「踏切」と常時または「踏切」と「注意」を交互に点滅表示(JR東日本では列車進行方向指示器に、ひらがな表記で「ふみきり」「ちゅうい」を交互表示したり、漢字表記で「踏切」「注意」と交互表示するものが多い)している場合がある。カーナビゲーションでは踏切の存在を知らせる為の注意喚起の案内をするものが存在する(ルート案内中のみ案内する機能とルート案内をしていない時に案内するものが存在する)また、踏切警報機は風速20m/s程度にも耐えられる設計としている。 鉄道に関する技術上の基準を定める省令によると「連続閉電路式又はこれと同等以上の性能を有する制御方式であること」とある。踏切の制御には連続閉電路式と点検知式があり、両者とも踏切用の軌道回路をレールに設置して制御を行っている。連続閉電路式は警報開始点から警報終止点まで列車を閉電路式軌道回路にて連続的に検知する方式であり、点検知式は警報開始点の閉電路式軌道回路と警報終止点の開電路式軌道回路によって列車をチェックイン・チェックアウトで検知する方式である。連続閉電路式では、直流・パルス波・AF[注釈 1]・商用周波数(交流)を軌道回路に流してリレーにより列車を検知するが、点検知式では、軌道回路を電流帰還回路の一部として使用して、増幅器からの出力の一部を、軌道回路により入力側に帰還させる(戻す)ことで、発振器を発振させてリレーを動作させる踏切制御子や電子トレッドルによる列車検知器により列車を検知する。 また、レール上面での汚れや落ち葉により、軌道回路において輪軸の短絡不完全が発生して列車の検知ができなくなるのを防ぐため、車両にあるATS車上子(受信機)からの発振周波数を地上側の地上子で受信して列車を検知するバックアップ装置があり[注釈 2]、警報開始点での捕捉用として設置している場合がある[注釈 3]。 非電化区間では直流・パルス波・AF・踏切制御子、直流電化区間ではAF・商用周波数[注釈 4]・踏切制御子、交流電化区間では踏切制御子がそれぞれ使用されており、閉塞のための信号用の軌道回路において商用周波数で使用している場合では、列車の接近により次第に低下する送電電圧が一定電圧以下になると、リレーが落下して列車を検知する接近検知器、無絶縁軌道回路においてAFを信号用として使用されている場合には、軌道回路の中間でその信号を受信する中間受信器をそれぞれ設置して、踏切の警報開始点や警報終止点に使用することで、踏切専用の軌道回路の設置を省略することができる。どの制御方式についても、フェールセーフの原則を基に運用されている。 踏切警報機の鳴動開始は、踏切道への列車到達から40 - 50秒程前、及び自動踏切遮断機降下開始約7秒前からである。なお、これは線路種別、運転速度、遮断方式またはそれ以外の環境によって変化するため、この限りではない[注釈 5]。 踏切警報機には下記のものによって構成されている。 踏切警標や踏切警報灯などの機器を取り付けるための柱のこと。材質は鋼管を使用しており、柱の直径は89mmまたは114mmとしている。通行量が多い道路などでは、踏切の存在を分かりやすくするため、オーバーハング形(OH形)や門型が用いられている踏切もある。 踏切道の存在を通行者に知らせるもので、クロス状に交差したものである。クロスマークとも呼ばれる。 列車の接近を視覚的に警告するためのもので、閃光灯とも呼ばれ、赤色の灯火が交互に点滅する。閃光灯の配置は左右または上下としており、以前は電球式のものが多用されたが、電球の断芯や寿命での交換による保全作業の省力化を図るため、最近では発光ダイオード (LED) によるものが多い。閃光灯の通常の直径は170mmであるが、オーバーハング形のように道路上に設置されるタイプは直径300mmを採用している。また、すべての方向から灯火が確認できる「全方向踏切警報灯」も導入されている。 閃光灯を交互に点灯させる制御器は断続リレーと呼ばれており、初期の頃はリレー(継電器)を使用した接点形であったが、保守に手間がかかるため、SCRを使用した無接点形が使用されている。
概要
制御方式
時間
構成
警報柱
踏切警標
踏切警報灯全方向踏切警報灯360°型踏切警報灯故障表示器電球式から全方位式への交換作業(近鉄小倉駅)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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