踊る大捜査線
ジャンル刑事ドラマ
脚本君塚良一
演出本広克行
澤田鎌作
出演者織田裕二
柳葉敏郎
深津絵里
水野美紀
ユースケ・サンタマリア
いかりや長介
オープニング松本晃彦
「Rhythm And Police」
エンディング織田裕二withマキシ・プリースト
「Love Somebody」
製作
プロデューサー亀山千広
東海林秀文
制作フジテレビ
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
公式ウェブサイト
『踊る大捜査線』(おどるだいそうさせん)は、フジテレビ系列で放送された日本の刑事ドラマシリーズ。
連続ドラマとして1997年1月7日から3月18日まで毎週火曜日21:00 - 21:54に、「火曜9時」枠で放送された。その後シリーズ化されテレビドラマ・映画・舞台で展開された。その後も「踊るレジェンド」としてテレビドラマや映画のスピンオフ作品が作られた。 本作のタイトルは、映画『夜の大捜査線』と『踊る大紐育』に由来する[注 1]。なお、同局で過去に放送していた杉良太郎主演の『大捜査線』とは無関係。 織田裕二が演じる青島俊作巡査部長(後に係長、警部補に昇進)が主人公の「警察ドラマ」。連続ドラマ版放映開始当時までの刑事ドラマは、犯人の逮捕までを追う描写が多く、また銃撃戦やカーチェイスといった派手な追跡劇や所轄警察署が広域事件・テロ事件を解決させるといったような、エンターテイメント性を重視した描写が主流であったが、当作品ではそれらの要素を可能なかぎり排除し現実の警察組織と近い業務形態や実情を採用した作風となっている。より現実味ある描写をメインとし、警察機構を会社組織に置き換え、署内の権力争いや本店(=警視庁)と支店(=所轄署)の綱引きなどを、湾岸警察署を中心に描いている。本作品で登場した具体的な例としては、刑事のことを「デカ」ではなく「捜査員」と呼ぶ、加害者のことを「ホシ」ではなく「被疑者」と呼ぶ、「発砲許可」に対して手続きが存在するなどである。 青島刑事以外にも恩田すみれ(深津絵里)・和久平八郎(いかりや長介)・真下正義(ユースケ・サンタマリア)などの湾岸警察署員や事件の被害者でのちに刑事となる柏木雪乃(水野美紀)、湾岸警察署の署長ら三人組(通称『スリーアミーゴス』)、警察庁のキャリア・室井慎次(柳葉敏郎)らにもスポットライトが当てられる。 事件を追うだけでなく、警察の抱えるさまざまな内部矛盾、特に警察組織の厳格なキャリア制度の問題、官僚主義の問題、縦割り行政の問題、民事不介入の問題も大きなテーマとなっている。これら警察に関するリアルな描写は、以降の刑事ドラマ全般にも多大な影響を与えた。 連続ドラマ版(1997年)放映当初は決して高視聴率とは言えなかった。しかし、ドラマの視聴率が次第に上昇する中でプロデューサーの亀山が上司に対して「最終回の視聴率が20%を超えたら映画化してよい」との約束を取り付け、実際に最終回の視聴率が20%を超えたため映画化が実現した[1]。連続ドラマ終了後、2本のスペシャルドラマ版と1本の番外編ドラマを経て映画化され、第1作・第2作ともに記録的なヒットとなった。映画の第1作から第2作までの間は、見えないストーリーが進行されていて、色々なエピソードが第2作で刑事らのセリフとして登場する(潜水艦事件など)。 2005年には映画版第2作の内容と連動した外伝的物語「踊るレジェンド」として『交渉人 真下正義』、『容疑者 室井慎次』が映画公開された。更に、2005年から2006年にかけて『交渉人 真下正義』の前日談として『逃亡者 木島丈一郎』が、『容疑者 室井慎次』の後日談として『弁護士 灰島秀樹』が、2007年には『トリビアの泉 ?素晴らしきムダ知識?』との共同制作である短編『警護官 内田晋三』がテレビ放送された。 2010年に7年ぶりに、『THE MOVIE 3』を映画公開。その、スピンオフとして『係長 青島俊作』を携帯ドラマとして発信。 2012年、14年ぶりとなるスペシャルドラマ『THE LAST TV』を放送、『THE FINAL』を映画公開、シリーズ15年の歴史に幕を閉じた。 2023年12月、本作の続編が、2025年の映画公開に向けて、早ければ2024年2月にもクランクインする予定だと報じられた[2]。 2024年3月18日、劇場版最終作の公式サイトが「映画『室井慎次』公式サイト」に変更され、「『踊るプロジェクト』再始動――2024年秋公開.」などとする情報が解禁された[3][4]。 「織田裕二主演の刑事もの」という企画[5]。当時は『あぶない刑事』などのバディものが流行っていたが、亀山千広プロデューサーは、「それをやってもまがい物で勝てないし、刑事部屋が動くというと『太陽にほえろ』を越えられない」と考えた[5]。また当時、高村薫の『マークスの山』などの小説が話題になり、作品中、"管理官"という言葉をはじめ警視庁の中に色々な役職があり、初めて世の中の人がそれを知った。そうした流れの中で、組織論をやるのはどうかなと考え、脚本の君塚良一に伝えたら、君塚が自宅の書棚から笠原和夫の本を持って来て「『仁義なき戦い 代理戦争』って何も起こらず、ただ組のメンツをかけて役者同志が喋ってる。それだけ。それでいいんだ」と言った[5]。
作品概要
企画経緯