足場
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その他の足場については「足場 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

足場(あしば)は、もとは「足の場所」「足で踏める場所」あるいは「足で踏んで、そこに立てる場所」「足で踏み、歩ける場所」という意味の言葉であり、具体的には次のようなものを指す。

足で踏み、そこにたてる場所[1]。歩くところ[1]

建築工事や高所工事などの際、作業の便宜のために、仮に丸太や鋼管などを組んで作ったもの[1]

(比喩)物事をしようとする時のよりどころ[1]。この意味では「あしがかり」ともいう[1]

工事現場の足場

工事現場で「足場」といえば、建築工事・改修工事・高所作業などのための、仮設の床や通路を指す。この意味の「足場」は英語ではscaffoldやstageという。
種類・分類

足場の分類としては、枠組足場、単管足場、ブラケット一側足場、くさび緊結式足場、張出し足場、吊り足場、吊り棚足場、丸太足場などがある。足場の組立方による分類としては、本足場、一側足場、二側足場、棚足場などがある。
また、映画写真撮影現場では、足場をイントレと呼ぶ。
足場の組立をする人

足場の組立は、鳶職の主要な作業内容のひとつ。日本国内では足場の組立解体作業には特別教育を受けた者しか従事することができない。さらに、吊り足場、張出し足場または高さ5m以上の足場の組立解体作業には、技能講習を終了した、足場の組立て等作業主任者を選任しなければならない。
足場と事故

建設業における死亡労働災害の原因の一位は転落であるが、この転落は足場からのものが多いことが特徴[2]

建設業の死亡災害の約4割を占める墜落・転落事故を防止する目的で手すり先行工法を厚生労働省が推奨している。

建築物等の作業に用いる仮設施設のため、固定には限界がある。しばしば強風など荒天時には、足場が倒壊する事故も発生する[3]
費用

足場の設置と撤去には多額の費用がかかるため、巨大構造物の塗装などでは上部から作業員がロープでぶら下がって作業する手法もあり、専門業者も存在する[4]
枠組足場木造高層建築(本山寺五重塔)の足場(枠組足場と単管足場の組み合わせ)詳細は「枠組足場」を参照

枠組足場とは、ジャッキ・筋交・鋼製布板などの部材を組み立てる、仮設の足場のこと。足場工事の中でもっとも頻繁に使用される。
単管足場木造住宅建築のくさび緊結式足場

単管足場とは直径48.6mmの単管と呼ばれる鉄パイプを組み合わせて建てる足場のこと。パイプ同士はクランプ(金具)をかみ合わせ、ボルトを締めて接合する。小規模な工事、作業現場や狭いビル間での足場に用いられることが多い。

中国東南アジア諸国などの建設現場では、かなりの高層建築物でも[5]合成樹脂系の結束バンドなどによる「竹棚」等と呼ばれる単管足場(en:Bamboo scaffolding)が組まれることが多い。これは風土的な多湿により鉄材のサビが敬遠されるという面もあるが、やはり[竹]の経費が標準的な6メートルのもので10ドル程度であるのに対し、同じ長さの鉄管が80ドルであるという金銭的問題がある。費用対効果でいうと軽量で折れにくく使いやすい竹材が使われるが、先進国化していくほど安全面への配慮から、強度で勝る鉄材へシフトしていく傾向がみられる。
丸太足場

杉、ヒノキ等の細い間伐材を鉄線(ナマシ番線等)で締め上げて固定する昔ながらの足場の仮設方法のこと。日本では、安全性の観点から使用が激減したが、鉄パイプの足場が組めない狭い住宅地での塗装・解体工事や神社仏閣の修理現場などで利用されることがある[6]
手すり先行工法

転落事故が、足場の床板の組立・解体時に多く生じることに着目したもの。足場の床板の取り付ける前に、一段の上の手すり部分を取り付けて行うこととし、足場の床を取り外す際には、床板を取り外してから手すりを外す作業方法を採るもの。手すりの組立方により、「手すり先送り方式」「手すり据置方式」「手すり先行専用足場方式」の三種類の仮設方法が存在する。国土交通省農林水産省2004年度から全ての直轄工事で標準採用とした。

手すり先行工法により仮設された足場

吊り足場

上部から吊り下げた足場のことである。橋梁工事足場、プラント、造船など高所作業用足場として使用される。

吊り足場

仮設中の吊り足場

可搬型ゴンドラ

屋上面からワイヤロープで吊り下げ、作業床に取り付けられた巻上機(エンドレスワインダーやトラクションホイストと呼ばれる)に通しワイヤロープを掴みながら昇降する。従来の足場と比較し、高い建物高さでも補強の必要がない、防犯性に優れる、昇降が楽になる、設置の手間が少ない、景観が優れる、風に弱い等の特徴がある。「ゴンドラ (足場)」も参照

東京ツインパークスに仮設されたゴンドラ

吊具と作業床

単体で吊り上げられたゴンドラ

着地したゴンドラ

移動昇降式足場

商品名である「リフトクライマー(工法)」とも呼ばれる。
トラスを鉛直方向に設置したマストに沿って作業床が昇降する足場。ラック・アンド・ピニオンの原理が使用されている。従来の足場と比較し、高い建物高さでも補強の必要がない、防犯性に優れる、昇降が楽になる、ある程度の強風でも使用できる、複雑な形状の建物に対応できない等の特徴がある。

新しい足場であり法的整備はされておらず、一般社団法人 仮設工業会が「移動昇降式足場に関する技術基準」[7]を公表しているのみである。


移動昇降式足場

移動昇降式足場の作業床

昇降用マスト

主な取り扱いメーカー

タカミヤ

日綜ゴンドラ (仮設ゴンドラも取り扱っている)

日本仮設



工事現場の足場の関連項目

ビティ足場

キャットウォーク

比喩

比喩でいう「足場」とは、何かものごとを始めようとするときの「よりどころ」のことである[1]

文章の中での使いかたとしては、たとえば「まず足場を固めなければ」「足場固めが大切」などと使う。

この意味では「あしがかり」ともいう[1]。同じく比喩の同意語としては「土台」や「基礎」ともいう[1]。こちらのほうも「土台固め」「基礎固め」などという。

類義語には「手がかり」という言葉もある。こちらは「をかける場所」という意味である。 なお、まるで崖をよじ登るような、非常に困難なことを始める場合の「よりどころ」に関しては「手がかり、足がかり」などと組み合わせて使うこともある
生物
クモ電線に張られたジョロウグモの網

クモ円網)を張る際に、粘性のある横糸を張る前に、粘性のない糸で荒い螺旋に糸を張る。これを「足場糸」という[要出典]。蜘蛛はこれを張ったあと、今度はこれに触れながらより目の細かい横糸を張っていく。これが邪魔になって横糸が張れないときには切り捨てる[要出典]。ジョロウグモでは網の完成後にも足場糸が見られる[要出典]。




生態学者の比喩表現?
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