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ベトナム語
Tiếng Việt / 㗂越
話される国 ベトナム
カンボジア
中国
ラオス
タイ
台湾
アメリカ合衆国
フランス他
地域東南アジア
話者数7000万人
話者数の順位14-15
言語系統オーストロアジア語族
モン・クメール語派
ベト・ムオン語群
ベトナム語
表記体系ラテン文字(クオック・グー)、漢字、チュノム
公的地位
公用語 ベトナム
統制機関ベトナム社会科学院言語学研究所 (Vi?n Ngon ng? h?c, Vi?n Khoa h?c xa h?i Vi?t Nam)
言語コード
ISO 639-1vi
ISO 639-2vie
ISO 639-3vie
ベトナム語(ベトナムご、ベトナム語: Ti?ng Vi?t / ?越)は、ベトナム社会主義共和国の総人口のおよそ 87% を占めるキン族の母語であり、ベトナムの公用語である。キン語や越南語ともいい、ベトナムの少数民族の間でも共通語として話されるほか、中国と台湾など周辺諸国のキン族/京族、アメリカ合衆国、フランスなど在外ベトナム系移民によっても話される。 東南アジア大陸部の言語は、通常インド文化の影響を強く受けているが、ベトナム語は例外的に日本語・朝鮮語・チワン語などと同様に中国語と漢字文化の強い影響を受けている。 現在のベトナムの北部は、秦によって象郡が置かれて以来、中国の支配地域となった。この地を含む華南は「百越」と総称される諸民族が住んでいた地域で、そのひとつが、現在のキン族の祖先であった。「ベトナム (Việt Nam)」は漢字で書けば「越南」であり、現在の浙江省周辺にあった国の南にある地域のために「越南」と呼ばれた。 しかし、系統的にはシナ・チベット語族やタイ・カダイ語族ではなく、オーストロアジア語族に属すると解することが一般的である。この説に従えば、話者数でクメール語(カンボジア語)を上回るオーストロアジア語族で最大の言語ということになる。また、中国語などの言語の影響を受け、声調言語になった。 中国の支配を受けていたため、ベトナムの古典や歴史的な記録の多くは、漢字による漢文で書かれており、漢字文化圏である。現代語をみても、辞書に載っている単語の 70% 以上が漢字語であり、漢字表記が可能である。対応する漢字が無い語については、古壮字などと同じく、漢字を応用した独自の文字チュノム(ベトナム語
目次
1 歴史
1.1 表記法の歴史
2 文字
3 音韻
3.1 母音
3.2 子音
3.3 声調
4 タイピング方式
4.1 VIQR方式
4.2 TELEX方式
4.3 VNI方式
4.4 Windows方式
5 文法
6 語彙
6.1 固有語による造語
6.2 漢字語による借用語
6.3 欧米からの借用語
6.4 略語
7 人称代名詞
8 数字
9 方言
9.1 音韻
10 脚注
11 参考文献
12 関連項目
13 外部リンク
歴史
表記法の歴史 上段がクオック・グー(國語)による表記で、下段はチュノム(下線部)と漢字による表記である。「私はベトナム語を話す」という意味。
しかし、1919年の科挙廃止、フランス総督府によるクオック・グー(後述)教育の推進により漢字、チュノムの使用頻度は次第に減少、1945年の阮朝滅亡とベトナム民主共和国の成立により、ベトナムの国字として漢字に代わり、クオック・グーが正式に採択されたことで、漢字やチュノムは一般には使用されなくなった。
公式な漢字の廃止は1954年であり、南北に分断したこの年にベトナム民主共和国紙幣における漢字使用は廃止されている。現在では日常生活で漢字が見られるのは、テト(旧正月)や中秋節などの伝統行事や仏事、冠婚葬祭などである。漢字の理解者も、高齢者の一部や、国文学や歴史学などの研究者、書道家や仏僧、日本語及び中国語の学習者などに限定される。
現在のベトナム語表記に使われるのは、17世紀にカトリックの宣教師アレクサンドル・ドゥ・ロードが考案し、フランスの植民地化以降普及したローマ字表記「クオック・グー(ベトナム語: Qu?c ng? / 國語)」である。植民地期にはクオック・グーは、フランスによる「文明化」の象徴として「フランス人からの贈り物」と呼ばれたが、独立運動を推進した民族主義者は全てクオック・グーによる自己形成を遂げたため、不便性と非効率性や識字率向上を理由に、漢字やチュノム文は排除され、クオック・グーが独立後のベトナム語の正式な表記法となった。
現在、クオック・グーを公式の表記法とすること自体への異論は存在しないが、伝統的な漢文や難解な漢字・チュノム混交文を理解運用できる人材が少なくなっているため、人文科学、特に歴史研究の発展に不安をもつ知識人の間には、中等教育における漢字教育の限定的復活論がある。 現在の正書法であるクオック・グーでは、ラテン文字と、それに補助記号をつけたものが用いられる。ただし、F, J, W, Z は固有名詞・外来語・擬音語・感動詞を表記する際を除いては基本的に用いられない。 アルファベット文字文字名音価読み[1]IPA表記
文字
A aaアーアー[a?]
? ?aアアッ[a]
A a?アア[?], [?]
B bbe, b?バベー[?], [?b] (入破音)
C cxe, c?カセー[k]
D dde, d?ザゼー[z], 南: [j]
? ??e, ??ダデー[?], [?d] (入破音)